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第三話 『村へ行ってみた』

本日四回目の投稿となります。ご注意ください。


2017/01/25 消し忘れがあったので修正しました (サイズが合うものを銀貨249メリル→サイズが合うものを249メリル)

2017/02/07 行間修正

2017/04/28 日本語のミスを修正

2017/06/16 誤字修正

 例の道の向こう側に広がる森上空を道に沿って飛んでいると、遠くに村らしきものが見えてきた。

 ひとまず村の様子をうかがうためにヒト型に変身して服を着た俺は、森の中を村に向かってみることにした。




 村の周辺の森は、冒険者的な人たちが頑張ってくれているのか全く魔獣を見かけることはなく、小一時間ほどですんなり村まで来ることができた。


 木陰からこっそり村の様子をうかがってみると、外側には簡素な柵と畑が広がっており、その中心に家屋いくつか建っているだけの小さな農村のようだった。

 これだけ畑ばかりで見晴らしがいいと隠れて近づくこともできなそうなので、俺は諦めて堂々と正面から村へ訪問してみることにしよう。




 村の柵に沿って進むと見張りの立つ、入り口らしきところに出た。


 「む? その恰好、冒険者の方ですかな?」


 見張りは60過ぎくらいの男性で、お世辞にも戦えそうな人ではなかったが、俺に気が付くと優しそうな笑みを浮かべ話しかけてきた。


 「あ、いえ。冒険者ではないのですが、遠くから旅をしてきたもので。見てのとおりまともな服もない貧乏人ですが、村が見えたのでせめて服だけでも手に入らないかと思い、寄らせていただきました」


 「旅の方でしたか。ようこそソメル村へ。何もない小さな村ですが、ゆっくりしていってください。服なら小さいですが雑貨屋がございますので、そこで手に入るかと」


 「ありがとうございます。それでは、お言葉に甘えさせていただきます」


 (村に入るのにチェックなどは無いようだな。とりあえずはその雑貨屋とやらに行ってみるか。物価も貨幣の価値もわからないので手持ちで足りるかはわからないが)


 俺は親切な見張りのおじいさんにお礼を言い、柵の内側へ入っていった。

 外の畑では村の人たちが畑仕事をしており、俺に気が付いた40過ぎくらいの女性が声をかけてきた。


 「おや、外の人かい? めずらしいねぇ。何しにきたんだい?」


 どうやらこの村に外の人間が来るのは珍しいらしい。まあこういっちゃなんだが、この村なんもなさそうだしな。


 「私は遠くから旅をしてきた者でして、服がなくなってしまったのでそれの調達に。あとはついでにこのあたりの情勢や物価などの情報も仕入れられればいいかなと思っております」


 「そういうことかい。なら、案内してあげるよ。この村には雑貨屋と宿屋が1件づつあるけど見た目は民家と変わらないからね」


 「よろしいのですか? ありがとうございます。私はレイジと言います」


 「あたしゃメリルだ。よろしくね。それじゃあちょいと待っててくれるかい?」


 そういうとメリルさんは畑に置きっぱなしになっていた道具を片付け、こちらに戻ってきた。


 「悪いね待たせちまって。それじゃ、行こうか。服が欲しいってんなら雑貨屋でいいんだよね?」


 「はい。よろしくお願いします」


 俺はメリルさんに色々と話を聞きながら村の中心へと歩いて行った。


 メリルさんは質問1に対して3は返してくるようなおしゃべりな人で、かなり基礎的な情報から色々知りたかった俺にとっては非常にありがたいタイプの人であった。

 もっとも、本人はそれを気にしているのか「うるさいオバチャンでごめんね」なんて言ってきたが、俺は「いえ、楽しく聞かせていただいてますので、むしろバンバン話してください」と返しておいた。

 するとメリルさんも遠慮が無くなったのかマシンガントークが炸裂しまくり、実に有意義な情報が色々手に入った。


 そしてそんな風に楽しくも有意義な会話をしながら歩いていると、


 「さて、着いたよ。ここがこの村唯一の雑貨屋さ」


 そういってメリルさんが紹介してくれた雑貨屋は、本当にただの民家のような見た目で看板すら出ていなかった。

 メリルさんが居なければわからなかったと確信をもって言える。


 「これは確かにわからないですね。案内していただいて正解でした。ありがとうございます」


 「いいんだよこれくらい。向かいにあるちょっとだけ大きめな建物が宿屋だよ。1階が食堂になっているから食事がしたいなら行ってみるといいさ。それじゃあ、あたしは畑に戻るけど、なんかあったらまた声かけてくれれば力になるから」


 「ありがとうございます。何かあれば頼らせていただきます」


 「はいよ。それじゃあね」


 そういうと、メリルさんは畑の方へ戻っていった。



  

 戻っていくメリルさんを見送った俺は、服を手に入れるべく早速雑貨屋へお邪魔してみることにした。

 雑貨屋のドアを開くと、見張りをしていた人より更に高齢に見えるおじいさんが出迎えてくれた。どう見ても70は超えていそうだ。この世界の人たちは案外長生きなのかな?


 「いらっしゃい。見ない顔だねぇ。冒険者の方かい?」


 「いえ、遠くから旅をしてきたものでして、服を探しているのですが」


 「おお、そうかい。なら、こっちだね」


 そういうとおじいさんは立ち上がり、店の奥にある服の売り場へと案内してくれた。


 「数は少ないけど、見ていっておくれ」


 さて、ここで問題になってくる俺の所持金だが、現在俺の所持している貨幣は銀貨が3枚に銅貨が4枚だ。

 お金の単位はメリクというらしく、銅貨は1枚1メリク、銀貨は100メリク、その上には金貨と白金貨があるらく、貨幣価値はそれぞれ100倍ずつしていけばいいらしい。それから白金貨以外は大〇貨というものがあるらしく、大銅貨は50メリク、大銀貨は5000メリクと、貨幣価値は1つ上の貨幣の半分で、これも大銅貨から100倍づつしていけばいいようだ。


 で、肝心の物価だが、大きな街へ行くと色々あるらしいのだが、この村では服は1式そろえても銀貨1~2枚程度、宿屋は食事付きで1泊銀貨1枚だそうだ。

 というわけで、売っている服を見てみると、色やデザインは若干違うもののどれもほとんど同じもので、サイズさえ合っていればどれでもいいかと思えるようなものだった。元々服にこだわりなんてないしな。


 「サイズが合うものを249メリク以下で適当に見繕っていただくことはできますでしょうか?」


 「はいよ。それじゃあ......これとこれ、あとはこの辺でどうかね?」


 おじいさんは俺の体をパッと見ただけでサイズがわかったのか、すぐに服を見繕ってくれた。

 肩に合わせてみたりしたが、サイズはちゃんとあっているようだ。このおじいさん、なかなかやりおる。


 「えっと、はい。大丈夫そうです。それで、いくらになりますか?」


 「210メリクだね」


 おお。思ってたより安い。シンプルな服ではあるが、別に汚いわけでもない上に、上下2セット買ったのにその値段か。


 「ずいぶん安いんですね。いいんですか?」


 「ははは、いいんじゃよ。こいつはわしが趣味で作っているだけじゃからの」


 どうやらここにある服は全部このおじいさんが作ったものらしい。さっき見ただけでサイズがわかったのもそれなら納得がいく。


 「そうでしたか。それではありがたく」


 「はい。まいどあり」


 支払いを済ませた俺は、雑貨屋を後にした。



 

 (さて、メリルさんのおかげで必要な情報もだいたい聞けたし、服も手に入った。もうこの村でやることはなさそうだな)


 村での用事が済んだ俺は、さっそく村を出ることにした。

 メリルさんに聞いた話だと、歩いて2日くらいのところに、アストレア王国王都のフェレブという街があるらしく、冒険者ギルドはそこが一番近いらしい。因みにここソメル村もアストレア王国内の村だ。


 大きな街は入るのに税金がかかるらしく、冒険者や商人といった一部の者を除き、銅貨5枚を支払わなければならないらしい。

 税金の支払い以外にも、犯罪歴と称号のチェックがされるらしいがそれ以外は確認されないらしく、ステータスがみられる心配はないそうだ。

 ちなみに称号のチェックをされる理由だが、良くも悪くも大きなことをした者には称号が付与されるため、場合によっては特別な対応をするんだとか。


 それから、冒険者ギルドに登録するには手数料がかかるらしく、大銅貨1枚が必要だとか。

 さっきの雑貨屋での俺の予算設定はこれらを所持金から除いた全財産だったというわけだ。


 「おや。もう行っちまうのかい?」


 村を出るため歩いていた俺にメリルさんが話しかけてきた。


 「はい。お金もないですし、早いうちに冒険者登録をしてしまいたいですから」


 「そうかい。残念だねぇ。またなんかあったら寄って行っておくれ。歓迎するよ!」


 「ええ、是非。良い村ですしね」


 それから少し話をして、俺はソメル村を後にした。


 さあ、目指すは王都フェレブ! これで俺も冒険者の仲間入りだ!

 

実はこの作品、まだヒロインをどうするかで悩んでいます。

1人だけにするかハーレムにするかすら決まっていません。

ですが、そろそろ決めないと書けなくなってきてしまいますので、最悪サイコロかなんかでテキトーに決めたいと思います(笑)

1人だけになったら今度はどんなヒロインにするか悩んでしまいそうですが、頑張って決めたいと思いますので、よろしくお願いします。

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