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第二話 『服が欲しい』

今日はもう投稿しないと言ったな。あれは嘘だ。


すみません冗談です。本当は寝る前までを1日換算で話してました。なので私的には今は次の日です。なので大丈夫です。私は嘘つきではありません(真顔)


では、どうぞ。


2017/02/07

・行間修正

・貴族(?)のお嬢様の名前をレティアに変更

2017/02/08 微修正

 目を覚ますと、そこは洞窟だった。


 そういや、洞窟で寝たんだったな。もちろん魔晶龍状態でだ。ヒト族ではHPが不安だし、魔素の状態じゃ不安定過ぎて目が覚めた時同じ場所にいるかが不安だったからな。


 (さて、今日は何をしようか)


 異世界にきてまだ二日目だが、正直やることはあまり多くない。必要なものは服とステータスの年齢を偽装する手段、あとは強いて言えばお金かな。それらの調達以外のやることは、訓練くらいしか思いつかない。


 さらに言えば、俺はまだ0歳だし、寿命がどのくらいなのかはわからんがそう短くもないだろうから、今日明日ですぐにでもどうにかしなければならないことは特にない。


 というわけで俺は割と暇で自由だ。でもまあやっぱり服の調達が優先かね。他人との関わりが無いままだと流石に病みそうだしな。ひとまず昨日探索しなかったこの山の向こうへ行ってみますか。もし人がいたら龍の姿だと驚かせてしまうかもしれないが、襲わないので勘弁してくださいってことで。まあ、大丈夫だろう。それに、人の活動圏内でないと服も手に入りにくいだろうしな。


 ちなみに、龍の姿だからちょっと先のほうに道があるなくらいの感覚だったが、人の姿で森の中を歩くとなると森にいるであろう魔獣のことも考えて数日はかかるくらいの距離がある。移動補助系のスキルとか魔法が使える人ならもっと早いのかもしれんが。




 というわけで俺は今、風属性の古魔晶龍の姿で山を越えて道らしき方向へ飛行を続けているのだが、どういうわけかなんとなく居心地が悪い。ベッドの質が1ランク落ちたみたいなどうでもいいと言えばどうでもいいくらいの誤差なのだが、理由がわからない。森の木の種類や生息する魔獣の種類が違うからとかだろうか。そんなわけないか。むしろ生息している生物が違っている原因のほうに理由がある可能性が高いか。



 そんな割とどうでもいいことを考えながら森の上空を飛んでいると、目指している地点よりやや左へ行った辺りに、馬車のようなものが停まっているのが見えた。


 (む? これは第一村人発見か? 驚かせてしまうかもしれないが、俺の精神衛生上の問題から接触を試みることにしよう。相手さんには悪いがな)


 こっちの世界に来てからまだ誰とも会っていない俺は、馬車に近づいてみることにした。

 馬車に近づくにつれ、音や匂いも確認できるようになってきたが、なんだかあまりいい状況ではなさそうだ。さっきから金属のぶつかり合う音や悲鳴が聞こえ、血の匂いがする。


 (戦闘か? 人里離れた道の真ん中で馬車が止まって戦闘ってことは盗賊とかかもしれんな。こいつは急いだほうがよさそうだ)


 スピードを上げ馬車の近くまで来ると、高価そうな鎧を着た騎士らしき人数人が、汚い恰好をした30人以上の人間と馬車を守るような形で戦っていた。


 「クソ! 賊ごときが!」「おとなしくその女をよこせ!」


といった感じのセリフが聞こえていたし、汚い方が盗賊で馬車を襲っているってことで間違いないだろう。


 俺は戦闘を止めるべく馬車の上空、それも木の上スレスレくらいのかなり低い位置に飛び出した。

 元々俺は人目に付きにくいように低空飛行をしていたので、彼らには俺がいきなり現れたように見えただろう。その証拠に騎士風の者も盗賊も戦うことをやめ、驚いたような表情でこちらを見ている。


(ひとまず作戦は成功かな。あとは盗賊をどうやって追い払うかだが......下手に龍の姿で暴れでもすれば馬車ごと吹き飛ばしかねないし、とりあえず尻尾とかで盗賊だけ攻撃してみるか?)


 考えること約1秒。未だ動き始めていない盗賊に向かって加減しながら尻尾を叩きつけてみた。すると、尻尾を叩きつけられた3人の盗賊の体は15メートルほど吹き飛び、ピクリともしなくなった。


(加減したつもりだったんだが、思ったより威力が高いな。こりゃ騎士と交戦している盗賊に攻撃するのは難しいか?)


 予想以上の威力に驚きはしたが、ひとまず数を減らせればいいかと離れたところにいる盗賊に再び攻撃をし、更に4人ほど戦闘不能にしたところで、ようやく双方驚きから解放されたらしく、慌てたように動き始めた。


 「なんで魔晶龍(クリスティアドラゴン)が! クソッ! 撤退だ! 撤退!」


盗賊の中では比較的よさげな装備を身に着けた男がそう叫ぶと、盗賊達は森の中へ逃げ始めた。


 「深追いはするな! それよりドラゴンを警戒しろ!」


 騎士風の一人がそう叫び、騎士達はこちらを警戒し始めた。

 こちらには交戦の意図はないので、地面に降り彼らを見ていると、馬車の中から一人の女性が出てきた。


 「お待ちください! レティア様!」


 馬車の中からそんなセリフが聞こえたが、彼女は止まることなく馬車から降り、こちらへと歩いてくる。 身なりの良さやさっきの呼び方、騎士達の驚いている様子から考えると、彼女は貴族のお嬢様といったところだろうか。騎士たちもお下がりくださいとか叫んでるし。襲わないので安心してください。


 「偉大なる魔晶龍(クリスティアドラゴン)様。我々をお救い下さり感謝いたします」


 そう言うと、その女性は膝を地面につけ、目を瞑り、祈るようなポーズをとった。

 すると慌てたように、彼女を追って馬車から出てきた女性も同じようなポーズをとる。


 (なぜこんな身なりのいいお嬢様が俺に向かって祈るようなポーズをとるんだ? もしかしてこの世界では龍は信仰の対象だったりするのか? でも騎士たちはまだ警戒しているみたいだし……よくわからんが、盗賊の装備一式があれば服の問題はとりあえずどうにかなるだろうし、いつまでも警戒させておくのも悪いから、倒れている盗賊1人貰ってさっさと去るのが正解かな?)


 そう考えた俺は、転がっている盗賊の体を咥えると、逃げるようにその場を飛び去った。




 (ふう。これだけ離れれば流石にもう大丈夫だろ)


 俺は一晩お世話になった例の洞窟まで戻ってきていた。ここなら山の向こう側でさっきの人たちからは流石に見えないだろうし、この洞窟なら気配を察知した時点で対処すれば目撃されることはないだろうと考えたからだ。


 なんで見られたくないかって? そりゃ、俺がこれからすっぽんぽんになるからさ。服を着るのは人型でないと無理だしな。


 (では盗賊さん。悪いが身ぐるみ根こそぎいただくぜ? 肌着はいらないけどな。汚そうだし)


 さっそく俺は連れてきた盗賊から鎧やズボン、マントという名のぼろ布などを奪っていく。財布も持っていたようで、何枚か銀と銅のコインが入っている。

 襲われていたお嬢様方には悪いが、あそこで盗賊に遭遇できたにはラッキーだった。おかげで気兼ねなく追いはぎができる。


 (この盗賊らしき男、死んでいるわけではないようだし、後で元の道まで運んでおこう。ここに放置しないだけマシだと思ってくれ)


 とりあえず服と金をこの洞窟に置き再び古魔晶龍の姿になった俺は、下着姿になった盗賊を足で掴み再びさっきの道へと引き返していった。



 そろそろ元居た道が見えてきたという辺りで、再び先ほどのお嬢様一行の馬車が俺の視界に入ってきた。

 どうやらまだ出発できていないらしく、騎士たちが忙しく動き回っている。


 (何をしているんだ? 盗賊は全滅したわけじゃないんだし、俺がいなくなったらまた危ないんだからさっさと逃げればいいのに)


 再び警戒させてしまうのは申し訳ないがそれ以上に彼らが心配だった俺は、彼らの馬車の上空に、今度は不必要に驚かせないよう少し高い位置からゆっくりと姿を見せた。


 「あれは! さっきの巨大な魔晶龍か! 全員すぐに戻れ! 警戒を怠るな!」


 さっき俺に警戒を呼び掛けていたのと同じ騎士がそう叫ぶと、騎士たちはすぐに馬車を俺からかばうような陣形をとった。

 辺りを見ると、先ほど俺が倒した盗賊が縄で拘束されていた。どうやら彼らは盗賊の捕縛作業のためにこの場に残っていたようだ。


 (叫んでいた彼が隊長なのだろうか。しかし、予想通り警戒させてしまったな。まあいいや。盗賊捕まえてるならちょうどいいし、この身ぐるみ剥いだ盗賊も押し付けてさっさと去ろう)


 俺は彼らのすぐそばまで降りると足に掴んでいた盗賊を地面に置き、再び洞窟の方へと飛び去った。




 洞窟に戻ってきた俺は、さっそく服を身に着けてみることにした。


 「うへえ。身に着けると流石に臭うな。剣道の防具みたいな臭いだ。人里へ行ったらさっさと新しい服を調達しないとな」


 しかし幸いサイズ的には問題なかったようで、肌着はないものの人前でアウトな恰好ではなくなった。


 「それでは早速、村でも探してみますかね」


 空はまだ明るく、太陽も真上まで来ていないことからおそらく午前であると思われる。時間はまだたっぷりありそうだ。

 本来であればステータスの問題もどうにかしなければならないのだが、大きな街とかでなければ調べられたりもしないだろうと楽観的に考えることにした。

 人に会えれば色々情報も手に入るし、判断材料も増える。悩むのはそれからでもいいだろう。


 お嬢様一行や盗賊もいたことから人里はそう遠くではないであろうと考えた俺は、さっそく手に入れた服を前足で掴み、再び山の向こうへ飛んで行くのだった。  

章管理は今のところしていませんが、シナリオが固まり次第、章分けするかもしれません。

サブタイトルも変更される可能性があります(毎回考えるの大変だし〇章〇話とかだけだと楽)

サブタイトルを考えることにめげなければ、サブタイトル変更はありません。

まだまだ不慣れでふらふら不安定な作品と私ですが、よろしくお願いします。

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