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異世界転移の放浪者  作者: 妖狐銀狼
孤高の放浪者
2/8

召喚前と王の謁見とステータスと・・・・・・

どうも、いきなり異世界に召喚されて結構まだ戸惑ってる空先 空です。召喚される様な事を学校でやった記憶なんてないしなぁ。召喚前の時は、学校の放課後でヘッドフォンを付けて帰ろうとした時にいきなり光ったんだ……。転移される前に教室に居た人達だけ巻き込まれたようだし……。あの時は、最後の授業が終わって眠ってたんだっけ? いやぁ~睡魔にはやっぱり勝てないな。そして起きた時には、日が沈みかかって暗くなり掛けて教室には、俺以外に召喚された四人が居たな。


「ねぇ、響君。なんか面白い事ってないかな?」

「また唐突に何言ってるんだ小鳥……」


今かなりの無茶ぶりに頑張って応えようとしてるイケメンは、高野(こうの) (ひびき)

一言で言うと大和撫子、男バージョンだ。文武両道、才色兼備とかモテ要素の塊だ。何人かの女の子に告白されたって噂もある程だし。顔もよし、性格もよしと来た。


そしてそんなイケメンに悩ませた張本人の女性は、木場(きば) 小鳥(ことり)

天真爛漫な子で元気な女の子だ。所謂ムードメーカを自然な役割で出来る子なんだけど俺は、ちょっと遠慮したい。顔は童顔だけど体形は年頃の女の子って感じ。ポニーテールがよく合っていて結構可愛い。


「う~ん、……面白い事、かぁ。紗枝、夕日も何かないか、面白い事?」

「ちょっと! 私達に丸投げとか止めてくれる!」

「面白い事……ねぇ。急に言われても何も思い付かないわねぇ」


丸投げされてイケメンに突っかかってる女性の名前は、吉沢(よしざわ) 紗枝(さえ)

猪突猛進な子でこれだと思えばまっすぐ突き進む女の子だけど、はっきり言って小鳥より紗枝の方が苦手なんだよな。……性格そのものが。顔は凛々しく整っていて髪はショートカット。体形はスレンダーで運動神経が抜群だ。その所為か男女問わずから熱い目線を向けられてる。


そして最後にゆったりと答えた女性は、谷川(たにがわ) 夕日(ゆうひ)

温厚な女の子で四人の中で姉みたいな存在だ。大和撫子が大人の魅力を出してる感じ。……噂だと、街で雑誌集のスカウトされたとか聞いた事があるな。顔は学校一の美人で髪は背中まで伸びて、体形はグラマーで所謂、ボンッ! キュ! ボンッ! なのだ。そんな皆に引き換え俺、空先くうさき そら

目立った事はなくいつも居眠りして怠けてたからなぁ。だからと言ってそうなりたいとも思えないな。そうなったら面倒だし。そんな彼等を一瞥してすでに帰る準備をしてた鞄とヘッドフォンを付けて帰ろうとした瞬間に異世界に飛ばされ今に至るっと言う訳だ。


「皆さん、着きました。この扉の先に国王が居ます」


おっと、飛ばされる前の事を思い返してたらもう着いてたのか。


「では、扉を開けますよ」


おぉ、この部屋の中に王様が……。しかし、考え事をしながら付いて来たけど、この扉すごいな。綺麗な装飾がされていて召喚前を思い返していたから他の所も目に入らなかったけどきっと豪華なんだろうなぁ……。おっと、今は王様に合うってのに別の事を考えてたら疎まれるかな?


「お父様。勇者達を連れて参りました」


リリスさんがレッドカーペットを歩き数段ある玉座の階段一段前で綺麗に一礼してる。こうしてみると本物の王女様だっていうのが実感出来るよ。


「リリス、案内ご苦労だったな。疲れてるだろう。こっちに来て休みなさい」

「分かりました。お父様」


王の右隣でもう一つの玉座に座っている王妃の右側に行って少し気が抜けたのか疲れ顔が少しだけ窺える。そして隣にもう一人の女の子が気遣ってる。リリス王女の妹さんかな?


「……お姉様、大丈夫ですか?」

「有り難う。でも大丈夫よ。レイラ」


砕けた言葉で言った事にハッと手を口に当てた。別に人の前だからそんなに取り繕わなくても良いと思うんだけど……。やっぱり偉くなると立場にも気を使うんだろうな。


「勇者の者達よ。突然の事で理解に苦しむ事だろう。だがその事も含めすべて説明する」


……いきなり召喚されて説明をしてくれるのは助かるけど、誘拐紛いな事をされてるからなぁ。お詫びの一言も言ってねぇし。説明を聞く義理も義務すらも無いのに、召喚したなら早く返してくれの一言しかないよ。


「…………分かりました。王様の話を聞きますけど俺達の質問にも答えてくれますよね?」


うわぁ~、説明を先に聞いちゃうのか。イケメンよ。まず先に元の世界に帰れるかどうかを聞くのが先だろ?それにどうせ話が長くなりそうだしなぁ。……立ち寝でも決め込もうかなぁ。


「おぉ! 聞いてくれるのか! それならばこの国の現状、そしてこの世界について説明しよう」

「……はい」


あぁ、ついに王様の説明が始まった。これって聞かないと…………駄目なんだろうなぁ。この世界で何も知らない俺達は赤子同然だし。……面倒だけど聞かないとね。


「この世界の名はガイアと言う。三大陸に分かれ今私達が居るここの大陸は、人間国ウィルジア。そして我が国王で統治しているヘルバ・アルバード・レイスそして隣に座っているのは私の妻―――」

「クレア・ウェスバーナ・レイスです。勇者の皆さん方よろしくお願いいたしますわ」


流石王様の妻なだけあってすごい美人さんだな。どう見ても子供を産んだ様には見えねぇ。王妃の紹介が終わった後、王様が娘達に紹介しようとした。


「そして妻の隣に居る娘達が―――」

「はい、既に申し上げましたがもう一度自己紹介を……私は第一王女リリス・アルバード・レイスです。そして私の隣に居るのが私の妹―――」

「初めまして、勇者様。私は、第二王女レイラ・アルバード・レイスと申します。御目にかかれて光栄です。勇者様に色々聞きたい事があるのです。皆さんの居た所は一体どんな所なんですか? 皆さんが居た世界には何があるんですか! それから―――」

「ゴホン!」


何か色々興奮してる第二王女、レイラ王女が国王からのワザとらしい咳込みでようやく我に帰ったかと思えば、恥ずかしいんだろうなぁ。顔が真っ赤になってもじもじしてらっしゃる。リリス王女とレイラ王女もクレア王妃に似てすごく可愛いんだよ。つまり美少女が恥ずかしがってる姿は、凄く……可愛いです。


「すまんな。レイラは興味がある物には見境が無くなる時がある」

「あぅ……、申し訳ございません」

「ふむ、話を元に戻そう。人間国大陸があるように獣人、魔人にも大陸が存在するのだ」


王様からの説明で大体の事は分かった。今の人間国は魔人国メロネアに狙われてるらしい。人と違って魔人は身体能力、魔力が高い。獣人は身体能力が高いが魔法が使える者が少ないって感じだな。


「他にも種族はいるが……。大きく分ければこの三大大陸に分かれる」


今、王様が言いかけたけど他の種族って事は、異世界ならエルフとかドワーフかな? そしてやっぱり妖精とか精霊が居るかも知れないな。


「これで説明は終わりだ。次は勇者達のステータスを確認してくれ」

「ステータス? 一体何の事ですか?」

「ステータスを知らんのか? 自分でステータスと念じるだけで現れる筈だが……」


……この王様、俺達が居た世界から召喚された所為でこの世界の常識なんか分からないのを忘れてるんじゃないだろうな?


「す、凄い……本当に出てきた」

「これは、本当にすごいな。称号の所には勇者って書かれてる」

「私も! 私も! 称号の所に勇者って出てる!」

「私も同じ称号が出てるわぁ」


へぇ、まさかとは思ってたけど皆勇者なんだな。……まぁ、存在自体が火の打ち所が無い人達だから当たり前なんだろうけど……。そしてこの後の流れを察した自分が辛い。元居た世界でも目立つ要素なんか俺にはないからな。だから俺のステータスは……。


ソラ・クウサキ

種族:’(UG%>?`{ LV:1

HP:%TH#%$?

MP:?*+{$%&&RC=+*


ATK:#$A#(ORU

DEF:F*V`B&’

AGI:!”#$*+>GJ

HIT:#$%$*~=

INT:”#$*+P`=)

MND:%&’(*P~


属性魔法

??????


スキル

<*`+?>{!”#’&%


称号

巻き込まれた者、異世界人



……うん、普段居眠りして怠けてる俺なんだけど……。今はすっっごいツッコミ所が満載なんだよね。まず種族に何故、文字化けされなきゃいけないんだよぉぉ! 何? 俺は人間じゃない訳? いくら俺でもガチで落ち込むよ? そして次のLV1とかならまだ分かるよ。この世界に来たばっかでまだ何もしてないんだからね。けど、種族もそうだけど他の表示もまた文字化けのオンパレードじゃねぇか! HP、MP、身体能力、スキル、属性魔法に関しては何故か不明表示されちゃってるし! ここまで来たらお前も何かやれよ称号! 何最後だけ俺の立場を適確に表示しちゃってんの! そんな気遣い、いらねぇよ畜生! フゥ~、フゥ~、……頭の中でこんなにツッコミ入れたのは生まれて初めてだぜ。まさかこんなにツッコミ所が満載だったとは思わなかったよ。……いかん、マジで立ち寝に入ろうかなぁ。お願いだからHP、MPの所は、命に係わるからちゃんと表示してほしい。


「おぉ! やはり称号に勇者があったか! うむ、ならばよく聞いて欲しい。

お前達を召喚したのは他でもない魔王を倒して欲しいのだ」

「魔王……ですか……」

「そうだ。魔王を勇者達の手で倒して欲しいのだ」


これは……勇者として召喚された以上誰かを倒して欲しいと言われる覚悟はしてたけど、やっぱり魔王退治と来たか……。本当に嫌な予感ってのは当たるもんだよねぇ。


「……王様、いくつか質問があるのですが宜しいかしらぁ?」

「うむ、いいだろう。どんな質問だ?」

「では、まず最初に、勇者召喚はされたけどいきなり親玉を倒して来い。っとか無茶な事は言わないわよねぇ?」


確かに……。絶対に無理だって言うね。


「そうだな。まずこの国で力をつけて貰ってからになるだろう。今も実力が分からんのでな」


うん、そうだろうね。特に俺のステータスが大変な事になってるんだよね。それでこの話になったからか今の自分達は、本当に強いのか谷川さんが自分のステータスを教え始めた。が、国王がそれを止めて一人の魔術師が持ってきた水晶の説明を始めた。これは、人のステータスを表示できる魔法道具らしい。それを聞いた谷川さんは、水晶の上に手を置いた。そして表示されたステータスは、こんな感じだ。


ユウヒ・タニガワ

種族:人間 LV:1

HP:80

MP:100


ATK:60

DEF:55

AGI:50

HIT:80

INT:100

MND:100


属性魔法

光魔法、火魔法、水魔法、風魔法


スキル

超解析

MP自動回復

魔法付与

身体強化

杖術


称号

異世界人、勇者、賢者


そんな谷川さんのステータスを聞いて俺達以外が驚いてる。それから谷川さんに続くように自分達のステータスもこの世界の人達から見て高いのか気になったようだね。皆も水晶で自分のステータスを表示した所こんな感じだ。


ヒビキ・コウヤ

種族:人間 LV:1

HP:100

MP:100


ATK:100

DEF:100

AGI:100

HIT:100

INT:100

MND:100


属性魔法

光魔法、火魔法、水魔法、土魔法、風魔法


スキル

超解析

HP自動回復

MP自動回復

身体強化

剣術

限界突破


称号

異世界人、勇者、剣士、イケメン


サエ・ヨシザワ

種族:人間 LV:1

HP:100

MP:80


ATK:100

DEF:85

AGI:75

HIT:85

INT:70

MND:70


属性魔法

光魔法、火魔法、土魔法、風魔法


スキル

超解析

HP自動回復

身体強化

体術


称号

異世界人、勇者、拳士


コトリ・キバ

種族:人間 LV:1

HP:70

MP:100


ATK:45

DEF:35

AGI:75

HIT:85

INT:100

MND:100


属性魔法

光魔法、火魔法、水魔法、土魔法


スキル

超解析

MP自動回復

身体強化

杖術


称号

異世界人、勇者、賢者


谷川さん以外のステータスを聞いても驚いてる顔をしてるな。この反応を見てる限り皆が思っているより高い方だと思うんだけどな。


「あ、あの、俺達のステータスはそんなに弱いんですか?」

「っ! す、すまんな。いや……、まさかいきなり我が国の隊長と同じ実力で驚いてた所だ。これは……、実に頼もしいではないか」


響達に期待の眼差しを向けていた。その眼差しで最後に俺を見るな。そういや、俺が勇者じゃないって事もまだ言ってなかったっけ? ……うん、いい機会だな。今の内に言っておこう。


「あぁ~、期待を裏切るようで辛いんだけど、俺は勇者何かじゃないよ?」

『……は?』


うわぁ~、ここに居る皆が同時に言ったぞ。何だ? まさか勇者じゃないのがそんなに意外なのか?


「少し待て! お前はちゃんと称号の所を見たのだろうな? 今一度よく見てくれ」

「ちゃんと見ました。最後の所まで。……それで称号の所は、巻き込まれた者だけしかないぞ?」


うん……? 何故だろう? 今度は別の意味で驚かせたのを感じるのは……。そして一瞬リリス王女の顔が強張ったのが見えたぞ。


「巻き込まれた者だと……。これは一体どういう事だ……」

「お父様、それは…………その…………」

「……本来呼び出す勇者はこの人達だけで俺は近くに居た所為で巻き込まれたって形かもね」

「ちょっと! この人達って何よ! ちゃんと名前で言いなさいよ!」


何か横から五月蠅く叫んでる紗枝が居るけど、今は君よりも重大な話をしてるんだよ。今まさに、俺の人生の瀬戸際と言ったって過言じゃないぞ。これを機に異世界を自由一人旅が出来るようにさせて貰おう。


「まさかとは思うけど一般人にまで勇者と危ない橋を渡って来い。なんて言わないよね?」

「……そうだな、それでは一体何を望むのだ。出来る限りはしよう」


……自由に旅が出来るようにさせる為とはいえ、棚から牡丹餅状態になったぞ。まぁ、でも俺が損する訳でもないし、う~ん……それなら……。


「そうだね。巻き込まれたとはいえせっかくの異世界だし、俺の好きな様に過ごさせてもらうよ。それとも今すぐ元の世界に帰る手段はあるの?」

「……あぁ、確かにある。だが今すぐには無理だ。その方法は魔王が持っているとも言われている」


へぇ~、そう来たかぁ。もし魔王が持っていたとしてそれは、金庫や魔法で厳重に保管されているのか、魔王自身がその方法を知っているのかのどちらかになるだろうねぇ。……まぁ、今の話が事実ならの話だけど。


「分かった。そういう事なら勇者達に任せるよ。なら俺はもうここから出て行くよ。皆頑張ってね」

「……ちょっと待ってくれ。空先君」

「……何、イケメン君」


せっかくこの場からすぐに出られると思ってたのに……。何で手首を掴んで引き止めるのかなぁ……。


「空先君も僕達と一緒に行動しないか? 一人でいるより皆でいた方がいい」

「嫌だよ。さっき言った事を聞いてないの? 俺は勇者じゃないし、それに自分の命を賭けてまで守ろうとは思えないし戦おうとも思えないよ」

「っ! それは本気で言ってるのか空先! この国の人達がどうなっても!」

「響、もういいわよ。ほっときなさいそんな奴」

「そ、そうだよ。無理強いはあまり良くないよ。空先君は私達と同じ勇者じゃないんだから危険すぎるよ」

「……そうねぇ、私達は勇者の恩恵があるけどそんな私達にずっと突き合わせて体が壊れたら元も子もないからねぇ」


吉澤さん達、ナイス援護射撃! その効果が出たのか俺の手首に掴んでいた手を離してくれた。


「……分かった。……俺達でこの国の人達を救おう」

「話が纏まったようで何よりだよ。じゃあね、俺はもう行くから」

「ま、待ってください!」

「……今度は何かな、王女様?」


響のように手は出さなかったけど、出て行こうとする俺の近くまで走ってきた。……一体何がしたいんですか?


「そ、その、召喚の巻き添えにさせてしまって申し訳ございませんでした!」

「……大丈夫だよ。だから気にしないで」


まさか、頭を下げて謝るとは思わなかったけど、俺もそこまで恨みを持ってる訳じゃないしね。だから、一言を言ってからやっとこの部屋から出る事が出来た。

主人公の名前の誤写修正

白崎 → 空先


ステータス表示の修正

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