草取り、穴掘り、土の裏
掲載日:2015/04/27
庭一面に春の息吹。
初夏の陽気に誘われて。
今日は一日草むしり。
手始めに、一面に咲いたオレンジ色を。
端からずっとむしっていく。
一株一株。
丁寧に、漏れもなく。
だんだんと、後ろには寝そべった株。
僕の前には、まだ起きている株。
僕の手は、段々と濡れて行って。
手袋越しに伝わる感触。
握られる度、こぼれていく花びら。
あと少し。
もう少しで、端まで届く。
僕の後ろに、悲鳴が残る。
あと少しで。
次につながったかもしれない。
もっと増えたかもしれない、一面の緑色が。
オレンジ色とともに、消えていく。
半分むしった。
地面が見えた。
大きな穴を掘って。
むしった株を、そこに埋める。
繰り返し、繰り返し、穴を掘り。
繰り返し、繰り返し、埋めていく。
むしっては、埋める。むしっては、掘る。
緑色を消して。
オレンジ色を忘れるために。
一面の色が変わったら。
きっと、僕の好きな、緑色を植えるんだ。
奪ったものを、肥やしにして。
土の裏側から、ダンゴムシが見てる。
あぁ、またやってるよ、って。
小さいな、ぼくは。
今度は庭を耕そう。
土を柔らかくしよう。
そのあとで、花を植えるか、草を伸ばすか、また考えよう。
ダンゴムシは、リサイクルしよう。




