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草取り、穴掘り、土の裏

作者: 雪つむじ

庭一面に春の息吹。

初夏の陽気に誘われて。

今日は一日草むしり。

手始めに、一面に咲いたオレンジ色を。

端からずっとむしっていく。

一株一株。

丁寧に、漏れもなく。

だんだんと、後ろには寝そべった株。

僕の前には、まだ起きている株。

僕の手は、段々と濡れて行って。

手袋越しに伝わる感触。

握られる度、こぼれていく花びら。

あと少し。

もう少しで、端まで届く。

僕の後ろに、悲鳴が残る。

あと少しで。

次につながったかもしれない。

もっと増えたかもしれない、一面の緑色が。

オレンジ色とともに、消えていく。

半分むしった。

地面が見えた。

大きな穴を掘って。

むしった株を、そこに埋める。

繰り返し、繰り返し、穴を掘り。

繰り返し、繰り返し、埋めていく。

むしっては、埋める。むしっては、掘る。

緑色を消して。

オレンジ色を忘れるために。

一面の色が変わったら。

きっと、僕の好きな、緑色を植えるんだ。

奪ったものを、肥やしにして。

土の裏側から、ダンゴムシが見てる。

あぁ、またやってるよ、って。

小さいな、ぼくは。

今度は庭を耕そう。

土を柔らかくしよう。

そのあとで、花を植えるか、草を伸ばすか、また考えよう。

ダンゴムシは、リサイクルしよう。

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