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東方飛翔録  作者: 星屑○
18/28

十七話:庭師の剣士

新年初投稿!!


そして謎&超展開!?


そこまで超展開って訳ではないですが、謎の展開なのは確かです。



「結構なところまで来たな‥」


舞う桜遡って行ったら、いつの間にかかなり高いとこまで来てしまったようだ。


「どこまで続くん‥(ガッ)だ!?」


陰陽玉が何かにぶつかり、俺は空中に放り出された。


「うわああああああ!!っいて!」


そのまま落ちると思ったが、どうやら地面に打ち付けられたらしい。


「いってぇ‥‥いきなり何だよ‥」


体を摩り、辺りを見る。どうやら地面にぶつかったようだ。(何故地面が浮いてるのかは幻想郷だからと考えとこう)

下は石畳でひんやりとして冷たく、肌寒い。さらには何処まで続いてるか分からないくらいの石段があった。


「唯の肌寒さじゃないよな‥‥ってあれ!?無い!陰陽玉が無い!!」


何処を探しても見つからない、服やズボンも調べるがあるはずもない。

どうやらぶつけた拍子に落としたようだ。


「くそぉ‥これ登るのかよ‥‥しかなねぇ、行くか‥‥」


溜め息をはき、石段を見上げながら登って行った。





‥‥少年移動中





「ふう‥‥結構登ってきたつもりなんだがな‥‥まだまだか」


休憩スペースのような場所で息を整え、見上げる。頂上はまだ先にあるみたいだ。


「にしてもさっきまで襲ってきた幽霊は何だったんだ?弾幕効いたから良かったけどよ、群がると厄介だったな‥‥倒しても倒しても減らないし、弾幕撃って来るわで疲れた‥‥」


でもこんなとこで立ち止まってなんかいられねぇ、霊夢や魔理沙も戦ってんだ‥‥急がねえと。

気合いを入れて再び石段を昇って行った。ある程度登っても幽霊の攻撃はなく、順調に進んで行けた。


「うっ‥‥桜が凄い来るな」


上の方から大量の桜の花びらが散ってくる。そして頂上付近に一人の少女がいた。


「こんなところに人間が来るとは、あの結界を越えたのか」


「何者だあんた?」


俺より低く、銀色の髪に緑色のリボン、二本の刀を帯刀、それより一番目立つのが横を浮遊する霊だ。


「まず、自分の名前を名乗るのが礼儀だと思いますが‥‥まあ良いでしょう、私は魂魄妖夢」


「俺は不知火悠治、悪いがそこを通らせてもらいたいんだかな」


「此処がどんな場所か知っててこの先に行くと?」


「どういうことだ?」


俺の発言に妖夢と言う少女は鼻で笑う。


「滑稽ね、良いでしょう行かせてあげる」


「そうか、それは助かる」


「そう‥‥霊体となってね!!」


妖夢は刀を抜き、俺に切り掛かって来るのを刀で防ぐ。




ガキンッ!




高い金属音が回りに響き渡る。

妖夢の攻撃を弾き返し、互いに距離を取る。


「抵抗したら一瞬でやれないじゃないですか」


「まだ死にたくねえんだけど、生きたまま通らせてくれないかな?」


「幽々子様の計画の為、此処を通すわけには行かない」


「その計画とやらで春が奪われたのなら尚更だ、春を返してもらわねえとな」


服から一枚のスペルカードを取り出し、カード名を唱える。


「舞え、鳥符『エアロバースト』!」


右回転と左回転の螺旋状に弾幕を撃ち、確実な被弾を狙う。

が、妖夢は軽々と躱していく。


「このくらいで怯むとでも思った?こんな弾幕、楽に躱せる」


「なら躱せないようにすりゃあ良い」


妖夢が躱した弾幕を操り、方向転換させ、挟み撃ちにする。


「ば、馬鹿な!?」


「前だけ見すぎなんだよ、君は」


前後からの弾幕に呑まれ、かなりの数が被弾しただろう。


「‥‥そんな簡単にやられる訳ないよな」


「少しはやるようだがこのくらいどうってことない。私の楼観剣は切れぬ物など殆ど無い!」


「まだ本気じゃないってことか」


弾幕の中から妖夢が二本の刀を構えながら現れる。俺の弾幕を薙ぎ払い、弾幕を撃ちながら近づいて来る。

スペルを止め、防御体制に移る。


「ていやああああ!!」


「おっと、危な!?」


妖夢の一撃目を防ぐと、もう片方の刀で切り掛かって来るのをぎりぎりで躱す。


「はああああ!」


「ぐっ‥‥!」


追撃をくらい後ろに飛ばされる。

普通男を飛ばす程の力、あんな細い腕にあるかよ‥‥


「(にしても‥‥妖夢って子の剣捌き、どことなく師匠の動きに似ているな‥‥まさかな、師匠は人間だし。(人間を超えた動きはしてたが‥)あれは師匠のオリジナルだからな、刀を使っているから似ているだけだな)」


「来ないのなら此方からいかせてもらう!獄神剣『業風神閃斬』」


妖夢を中心に、大玉の弾幕を薙ぎ払いながら撃って来る。


「簡単だが‥‥油断は禁物だな」


「躱せるものなら躱してみろ!」


大玉の弾幕が無数の小さい弾幕に変わり、襲い掛かってくる。


「な!?密度が高すぎる!」


こんな弾幕じゃ‥避けようにも地上じゃ小回りが利かないし、飛ぶにも隙が生じるし飛べたもんじゃないな。


「なら‥‥音符『ソニックバード』!」


「悪あがきか‥‥何処まで耐えられるものなら耐えてみろ!」


「耐えないよ、この壁を撃ち抜くだけだからな」


妖夢の弾幕を避けつつ手の上で生成した鳥型の弾を放つ。放たれた弾は弾幕を消し去りながら突き進んで行き、続けて何発も放つ。

妖夢も大玉を撃ち、大量の小型弾幕に変わり、攻撃し続ける。


「人間ごときがこんな強さを持っているなんて‥‥だが人間だ、いつまでも抵抗は出来ない」


「‥‥ああ、その通りだ‥このスペルは消費が激しい‥‥でもな、俺は負けられねえんだ!!」


























~魔理沙 Side~


「近いわ、それに悠治と二つの気が感じられる。多分、二つの内一つがこの異変の首謀者ね」


「悠治がか!?」


「あの彼がね」


霊夢の言葉に私と吸血鬼のとこのメイド長が反応する。


「ええ、悠治は私たちより先に行ってたようね」


「少し前にまだ追い付いていないって言ってなかったかしら?」


「それは魔理沙のせいなのよ、あんたが寄り道しすぎなの」


「私なのか!?」


此処に来るまでに人形使いやら騒霊の三姉妹やらと勝負していただけだ。何で私のせいになるんだ?(因みメイド長はついさっき合流したんだぜ)


「まあいいわ、さっさと異変終わらせましょう」


「な‥‥言いたいこと言ってそれかよ‥‥」


「もう過ぎたことなんだし」


「そうね、紅魔館の燃料が尽きそうだし早く終わらせたいものね」


そう言って二人は先に飛んで行った。私は納得がいかないけど二人の後をを追うように飛んでいく。


「霊夢、何か来るわよ」


「何かしら、人ではないようね?」


「二人ともどうしたんだぜ?」


霊夢たちが見上げている方を見ると、丸く平べったいものが落ちてきた。それは悠治がいつも使っている陰陽玉だった。

私はその陰陽玉を手にとり、霊夢たちに見せた。


「これ、悠治のだよな‥」


「‥‥間違いないわね、てことはこの先で間違ってないわね」


急に嫌な想像が頭を過ぎる。私はいてもたってもいられなくなって悠治の元へ急いだ。


「ちょっと魔理沙!どうしたのよ!」


「私たちも急ぐわよ」


「あ、待ちなさいよ!」


























~悠治Side~


「はぁ‥はぁ‥何故だ、何故私が押されている‥‥」


「修行の‥‥お陰‥かな?」


妖夢が押されていると言ってもお互い弾幕を撃ちすぎた為、動きが鈍くなってきている。正直、後一枚だけだな‥‥スペルカード発動出来んの‥‥


「(もう弾幕は無理ね‥でも弾幕が無理なら)‥‥はああああ!」


「弾幕が無理なら接近戦しかねえ!」


お互い粗同時に飛び込み刀が交わる。刀が交わる度に周りには高い金属音が鳴り響き続けた。


「はっ!!」


「そんなの‥‥そこだああ!」


「おっと!」


俺の攻撃を躱され反撃される。それをバックステップで躱す。後ろは床は無く、下も見えない奈落だ。


「そのままだと、落ちて死ぬぞ?」


「そうならねえ‥よっと」


「!?」


足に霊力を込め、空中を蹴る。蹴った反動で妖夢の上を取ることが出来た。

約一年の修行の中で俺が身につけられたのは之がやっとだった。


「おらああああ!!」


「ぐあっ!!」


体を曲げ、側宙しながら刀を振り下ろす。妖夢は防ぐものの衝撃で飛ばされる。

俺は不格好な着地をするが、直ぐさまスペルカードを取り出す。


「これでラストだ!切り裂け‥迅符『七四七・武迅』!」


刀に霊力を込め、妖夢に向けて斬撃を大量に飛ばす。飛ばした斬撃は分裂し、鳥型の弾幕に変わる。


「っ!!こんのおお!!」


「悪いな、王手だ‥‥」


妖夢が弾幕を躱している間に、刀を十字に切り、目の前に十字の弾を作る。それに手を翳して放つ。

放たれた弾は、一直線に妖夢に向かって行った。


「っ!?しまっ!!」


直撃をくらい吹っ飛ばされ、地面に叩き付けられる。


「う‥‥あ‥‥」


「気絶しちまったか‥‥無理もないか‥‥」


ふらつく足取りで倒れている妖夢に近付き、腕を掴んで担ぐ。


「さて‥先を急ぐか‥‥」


「ゆうーーーじーーー!!」


聞いたことのある声に呼ばれ、後ろを振り向く。振り向いた先には魔理沙が凄い速さで此方に飛んできた。


「やっぱり悠治だった‥‥」


「魔理沙、もう一年近く経ったな、一人なのか?」


「いや、霊夢たちと一緒だぜ」


「魔理沙ーー待ちなさいよ!」


下の方から霊夢らしき声が聞こえ、見ると、霊夢とメイド服の咲夜がいた。


「咲夜もか」


「ええ、お嬢様に燃料が尽きそうだから何とかしなさいってね」


「それで?悠治はそいつをどうするの?」


俺が担いでいる妖夢を見て、霊夢が質問してくる。


「まあこの子は上まで送って行くさ、それよりまだ異変は終わってないんだ‥‥俺はこの通りボロボロだ‥‥だから後は三人に任せてもいいか?」


「言われなくてもその気よ、そんな体でついて来ても足手まといだし」


「ははっ‥‥そうだな」


「‥‥」


霊夢と咲夜は飛び立つが魔理沙は黙ったまま動こうとしなかった。


「魔理沙、行くわよ!」


「ごめん、先に行っててくれないか、後で追い付くから‥‥」


「‥‥はぁ、さっさと来なさいよ」


そう言って二人は先に行ってしまった。


「どうしたんだ?俺に何か用か?」


「‥‥」


「なあ‥‥黙ってたら分からないだろ?」


帽子を深く被り、顔を見せようとしない。少し心配になり魔理沙に近付く。


「‥‥魔理沙?」


「ひゃっ!?///そ、そうだった、これを渡そうしてたんだぜ!///」


そう言って持っていた陰陽玉を渡される。


「落ちてきたから拾っておいたんだぜ///、それじゃ悠治、上でな!//」


「あ、おい!魔理沙!!」


魔理沙はそそくさと飛んで行ってしまった。


「‥‥魔理沙、何で涙目だったんだ?」


ちゃんと顔を見れなかったが、確かに目が潤んでいた。

理由は分からないが後で聞けば良いし、今は頂上を目指すことにした。




‥‥少女を担いで移動中




「‥‥やっとか‥‥長かった」


登り始めて数十分、いくら軽い女の子でも今の俺にはきつい‥‥

途中からは妖夢を背負って少しでも楽な状態で登ることにした。

そして今は頂上一歩手前にいる。


「はぁ‥はぁ‥‥着いた‥‥やっと‥‥」


最後の一段を登りきり、顔を上に向ける。そこには大きな和風の屋敷と桜の大樹が目に映った。

その下には霊夢たち三人と青い服の一人の女性が立っていた。


「あらぁ?来たみたいよぉ?」


「やっと来たか‥‥待ちくたびれたわよ」


妖夢を下ろし、彼女の腕を俺の肩に回して担ぐ。


「ごめんな待たせちまっ‥つっ!?」


突然突き飛ばされ、よろける。

そこにはさっきまで気を失っていた筈の妖夢が俺の刀を握っていた。


「貴様‥‥何故私を此処まで運んで来た!?」


「理由がなきゃいけないのか?理由がないと助けちゃ駄目なのかよ?」


「っ!!?‥‥私を何処まで虚仮にする気だああああ!!」


俺に切っ先を向けて突っ込んで来る。


























~三人称Side~


『!?』


「‥‥ガハッ‥‥これ‥で‥‥気が‥済んだか‥‥?」


「え?‥‥!!?」


妖夢が持っている刀は、悠治の体を突き抜いていた。


「(ふっ‥‥何かあの時に似ているな‥‥)」


体から刀が抜かれ、悠治は力無くその場に倒れる。


「「「悠治!!」」」


「妖夢!」


霊夢たち三人は倒れた悠治の方へ、妖夢の方には主である西行寺(さいぎょうじ)幽々(ゆゆこ)が駆け寄る。


「あ‥‥あぁ‥‥」


「妖夢、刀を降ろしなさい」


幽々子は強く握り締めている妖夢の手をそっと手を当て、ゆっくりと降ろさせる。


「ゆ、幽々子さま‥私はどうしたら‥‥分かりません‥‥」


「落ち着きなさい、私にも分からないわ‥‥何故あんなことしたのかしら‥‥」


震えている妖夢を抑えながら幽々子は悠治の方を見る。


「おい悠治!しっかりしろ!!」


魔理沙は悠治の傷口を必死に抑えるが、出血が収まるどころか酷くなっていくばかりだ。


「‥‥わりぃ‥足が動かなかった‥‥」


「あんた馬鹿なの!?喋らないの!!」


「‥‥魔‥理沙‥‥」


「な、何だぜ‥‥?」


悠治が魔理沙の耳元で一言囁く。


「‥‥‥‥‥」


「!!?」


魔理沙は悠治に言われた意味が分からなかった。


「何なんだぜ‥‥どうゆう意味なんだぜ!?悠治!!何だよ『ありがとう』って!!」


意識が無くなる直前に悠治は温かい何かを感じた。逸れが何だったのか、彼は知らない。



ある意味超展開?

そして悠治は助かるのか!?


何故か妖夢の口調が安定していませんでしたね‥‥



誤字などありましたら遠慮なくどうぞ!



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