十六話:過去は変えられない
今回はいろいろとカオスです‥‥
そしてそんなに書くことも無いという‥‥
何でニ話分に別けなかったのかな‥‥自分‥‥
桜が舞ってくる方向に進んで数十分が経過した。
「此処まで来ると雪が少なくなってきたな」
周りを見ればさっきまで雪景色だったのが、少しずつだが緑の葉が増えてきた。
でも、此処も桜は咲いてないか‥‥
「それにしても‥‥」
陰陽玉から下の風景を見る。
「この辺りで弾幕勝負があったみたいだな‥‥しかも俺が知っている人達が」
下にある木々が何かに薙ぎ倒された跡があった。
「もしかしなくても魔理沙のマスタースパークだな‥‥いつも派手だなぁ、あいつらいしんだけどさ」
そう言いながら下を見ていたら、視界に人影らしきものが写った。
「君は‥‥?」
「つ、次は負けない!」
服がボロボロで頭に獣の耳が生え、緑の帽子を被った少女がいた。
それに尻尾も生えているし妖獣かな?
「その傷、大丈夫か?」
「近寄るな!!」
俺を強く睨みつけ、近寄らせないようにしている。
でも、傷が心配だな‥‥
「別に攻撃なんてしないよ、君の怪我が気になるんだ」
「そんなの関係ない!次こそ勝って八雲の姓を貰うんだ!!」
八雲?何処かで聞いたことあったような‥‥って、いきなり攻撃!?
「もらっ(ズキッ)痛っ‥!?」
「ほら‥‥言わん請っちゃない、その傷じゃ無茶だ」
痛みで体勢を崩した少女を受け止める。
「は、放せ!!」
「俺は何もしない、信じろ‥‥な?」
じっと少女の目を見る。
少し分かったのか、睨みつけつつも殺気は消えた。
「怪我‥‥見せてくれる?」
「‥‥」
無言ながらも少女は怪我をした部分を見せてくれた。
俺は陰陽玉に霊力を注ぎ込み、倍の広さにして座らせる。そのあと荷物の中から傷薬等を取り出し手当てをする。
「ところで君の名前は?名前が分からないと話しづらいからさ、少し染みるよ?」
「っ!!‥‥橙」
「橙ちゃんか、俺は不知火悠治って言うんだよろしくな」
自己紹介をして再び橙ちゃんの手当てをする。
「応急処置程度しか出来なかったけど大丈夫かな?」
「はい、ありがとうございます」
「そういや何で勝負を挑んできたの?」
その質問をすると、橙ちゃんは強い眼差しで俺を見た。
「強くなって藍様に認めてもらいたいからです‥一人前の式として‥‥でも返り討ちにされちゃいましたけど」
「(この子は所謂式神っていうやつか)‥橙ちゃんはその人が好きなの?」
「はい♪」
橙ちゃんは笑顔で答える。凄く好きなんだな、その藍って人が。
「なら焦らなくても良いんじゃないかな?」
「何でですか?」
「少しずつ強くなって行けばいい、橙ちゃんは俺より生は長いんだからさ。だから今は強くない君でも良いと思うよ」
「でも‥‥」
橙ちゃんは俯いた。膝の上の小さな手は握りしめていた。
「それじゃ、少し昔話でもしようか」
今から数年前、俺が中学生の時の話しだ。
~中学生時代 六月~
俺はいつも一人だった。いや、自分から一人になっていた。
別に攻撃的な避け方はしていなかった、ただ人の輪に入ろうとしていなかっただけ。
ある日、俺は河原の土手に座り込んでずっと川を眺めていた。
「‥‥分かっているさ、俺は恐いんだ‥俺のことを知られたら絶対に裏切られる‥‥それが恐いだけなんだ」
俺が俯いていたとき、後ろに誰かの気配がした。
「そんなところで何たそがれているんだい?少年」
後ろを向くと、一人の女性がいた。髪は綺麗なエメラルドグリーンで変わったヘアピンをしている。服装は近くの高校の制服のようだった。
「高校生が何の用ですか‥‥それに俺はたそがれてなんか‥‥」
「つれないねぇ、君が此の世の終わりみたいな顔をしているから私が救ってあげたのに」
「そんな顔‥‥多分していません」
俺はまた俯き、口を閉じる。
「‥‥‥」
「はぁ‥‥よいしょっと」
女性が俺の脇に座ってきた。
「ねぇ君ってさ、他の人とは違った特殊な能力を持っているでしょ?」
「!?」
突然の言葉に俺は驚いて目を丸くした。
「な、何でわかるんだ?」
「そりゃ簡単なことさ、私は‥‥!!」
「うわっ!?」
急に腕を引っ張り女性は自分の身体に密着させる。
ちょ、胸が‥‥
「は、離せよ!」
「あと十秒耐えれば離すって」
少ししたら俺を離して謎の紙をバックから取り出した。
「何だよその札みたいなの‥って何だよあれ!?」
川のところに見たこともない生き物がいた。そして、さっきまで俺がいたところには何かがぶつかった跡があった。
「何回驚いているのさ‥‥」
「普通驚くだろ!!何なんだあれ!!」
「ただの下級妖怪よ」
妖怪!?漫画とか怪談とかで出てくるあの妖怪か?てか、妖怪に上下があるのか!?
「ウヴァ~~」
「最近の水難事故はこいつの仕業だね、さあてさっさと終わらせようか。
少年、私の後ろにいるんだぞ」
「ウヴ~‥‥ヴァ!」
妖怪が水の球を俺達に飛ばす。
バシャッ
「うわっ!!」
目の前で水しぶきが立ち、無意識に目をつぶって顔を守っていた。
「う‥‥あ、あれ?」
目をあけたときには女性はいなくなり妖怪の方も探しているようだった。
「こっちだ妖怪!」
女性はいつの間にか妖怪の背後上空に回っていた。そして妖怪に札を張り付ける。
というか人間ってあんな高さまで跳べるのか?
「私に勝つなんて千年早いわ!『滅』!」
「―――!!」
妖怪は聞き取れない断末魔を叫びながら消えていった。
「‥‥‥」
「あちゃー、制服濡らしちゃった。ん?何ジロジロ見てるのよ?」
目の前で起きたことが何だったのか‥‥俺はただ唖然とするしかなかった。
「‥‥えっち」
「はあ!?」
不意に言われた言葉に声が裏返る。
「それよりあんたは何者なんだ?さっきの化け物も‥‥」
「それを知りたきゃ、明日また此処に来なさい」
女性は俺に背を向けて歩いていった。
「あ、君の名前聞いてなかった、何て言うの?」
「不知火悠治だ」
「悠治か、いい名前だね、私は『東風谷 茜』。またね悠治」
茜さんの後ろ姿見届けた後、自分も帰路についた。
翌日、言われた通りに同じ場所に居た。
「お、ちゃんと来たんだ。居ないと思ってたのに」
「何で俺の力を分かったのか知りたいからだ」
「とか言って私に好意でも有るんじゃないの?」
「な、ちげえよ!!」
からかってくる茜さんを怒鳴るが、ニヤニヤしながらあしらわれてしまう。
「それじゃ立ち話もあれだし、そろそろ行こうか」
「何処に行くんだよ?」
「ついて来ればわかるって」
少し疑問に思いながらも茜さんの後に付いて行った。
‥‥少年・少女移動中
「此処って‥‥神社?」
俺が案内された場所はそれなりに大きな神社があった。それと俺より小さいくらいの巫女服を着た少女が掃除していた。
「そう、私の家でもあるけどねぇ」
「へぇ‥‥」
「あり?驚かないんだ、てっきり突っ込まれるかと予想してたのに」
「何となく分かってたし」
と言いつつも内心、俺は驚いていた。回りを見渡ししていると、茜さんは本殿の方へ歩いていった。
「早苗ーあいつのこと少し頼むね」
「ん、分かった」
回りを見渡してたら、さっき掃除をしていた少女が俺の前に来た。
「君は?」
「私、東風谷早苗と言います。茜お姉ちゃんの妹です」
「俺は不知火悠治、〇〇中に通っている学生なんだ」
「ということは私より上なんですね。私、まだ小学生ですから」
小学生の割りにはしっかりしている子なんだな。下手すると俺よりしっかりしている。
「ところでお兄さんって「そいつは能力持ちだよ」あ、お姉ちゃん」
顔を上げると、早苗ちゃんと同じ巫女服を着た茜さんがいた。
「なあ、その能力持ちって俺のことを言っているんだよな、何で知っているんだ?」
「私達も似たような能力を持っているから何となく分かるんだよね、因み悠治はどんなの?」
「鳥と話せる、鳥類だったら殆ど言葉は理解できる」
「わぁー♪凄いですね♪」
「それって意識を集中したりすると出来るの?」
「いや、ほぼ無意識で理解出来るな」
尊厳している早苗ちゃんとは逆に茜さんは唖然とした顔をしている。
「どうしたんだ?」
「驚いたよ‥‥こういう奴、私等以外にいるんだ」
「で、似たような能力って言ってたけど、実際どういうもんなんだ?」
次は俺から質問すると、茜さんは頭を掻きながら「う~ん」と唸る。
「まあ私や早苗は神とかが見えるってのが実際の能力なんだよね、あんたと同じで意識しなくてもね」
「あと、お姉ちゃんは妖怪退治をやっているんです」
「昨日見たいに人に害を為す妖怪を倒すのが私の役目なのさ」
服から札を取り出して俺に見せる。
同じ大きさだが一つ一つ違った模様が描かれている。
「あ、いけないいけない忘れるとこだった」
「どうかしたの?」
手に持っている札を仕舞って、違った物を俺に差し出した。
「何だそれ?」
「お守り見たいですね」
俺も早苗ちゃんも、茜さんが持っている物に首を傾げる。
「これを持っていれば妖怪から身を守れる退魔の札が入っているお守り」
「なんで俺に?」
「妖怪の中には力を欲しがる奴らがいるの、そういう奴は人間を喰らって強くなろうとするの、私等みたいな力を持った人間を喰らうとより強くなるのさ」
「で、俺は狙われやすいから持っていろと」
「そゆこと、肌身離さずね♪」
茜さんからお守りを受け取り一先ずポケットに仕舞う。
「あとで首に掛けるようした方がいいかな」
「その方が良いかも知れませんね、お姉ちゃんのお札の効果は折り紙つきです」
「そりゃ私が作ったんだから、まあ当たり前でしょ」
腰に手を当てて鼻を高くしている茜さんを俺は素直に尊厳していた。
「普通にすげえよ、ありがとう茜さん」
「良いって良いってもっと褒めなさい♪」
「もう、お姉ちゃん調子に乗りすぎ」
『ハハハ(フフフ)』
境内に三人の笑い声が響き渡る。
その後、境内を案内をしてくれると日もかなり落ちていた。
俺は二人に別れを言い、神社を後にした。
~現在~
「‥‥というのがその人との出会いなんだ」
「そのあとどうなったんですか!?」
途中から俺の話しに興味が湧いたらしく、尻尾を振り、目を輝かせている。
「それからはよく神社に遊びに行くようになったし、たまに術式の実験台にされてたけど‥‥」
「尚更興味が出て来ました!」
「それじゃ、本題の話しをしようかな」
深呼吸を一回して、再び話しを進めた。
~《過去》とある山道~
茜さん達と出会って二、三ヶ月ぐらい経った夏休み、俺は山にハイキング兼妖怪退治に行くことになり、現在山を登っていた。
「ハイキングなのは分かるけど、何で俺も妖怪退治に参加しなきゃいけないんだ‥‥」
「別に良いでしょ?あんただって強くなったって言ったじゃん」
「まあ‥‥言ったけどよ‥‥」
あの日から数日経ったとき、茜さんは俺には霊力を扱う才能があるとか言われ、特訓させられていた。
と言っても俺が今日までに出来たことは、手に持っている物から霊力を僅かに放出させることぐらいしか出来ない。手から離れたらすぐ消えてしまう。
「考えてみたらまだ未熟過ぎるな‥‥」
「そう言わない、何のためにそれを持たしているの?」
それ、と言うのは手に持っている短刀である。護身用とかで持たされていた。短刀といっても刃はそれなりに長く鋭い、妖怪を切る為だがこの鋭さなら人も切れるだろう。(それは流石にやらんけどな)
「俺、銃刀法違反だよね‥‥」
「大丈夫だって、ばれなきゃ良いんだから♪」
「めっちゃ不安‥‥」
陽気に笑う茜さんに呆れて溜め息をはく。
「そんな顔をしない、自分の力を信じなさいな」
「(信じろ‥‥か、この力は自分の為に使うのはよそう、誰かを守れるくらいの力はあるはずだ)」
「なら私のこと守ってくれるの?」
「なっ!?///読心術か!!」
思っていることを言われて、流石に恥ずかしくなる。
本当に茜さんは何でも有りだよな‥‥。
「なぁに?それ私に告白でもしたの?」
「馬鹿か!!んな訳ねえだろ!!」
「照れなくても良いって、もう可愛いんだからぁ~」ギュッ
「!?///」
茜さんは俺に抱き着き、胸に押し当て頭をワシャワシャ撫でられる。
これは茜さんのスキンシップらしいんだが、度が過ぎてる。
スキンシップ以外に、可愛がったりするときも癖があるようだ。
‥‥今みたいにな。
「くる‥‥しいって!!///」
「もう、本当に悠治は可愛いなぁ」
「最近かなり酷くなってるぞ!」
二週間くらい前から俺に抱き着くことが多くなり始めた。
最初は早苗ちゃんにやっていたが(嫌がっていたけど)、次第に矛先が俺に向けられていた。
「なりふり構わず抱き着くのやめてくれよ、やられてるこっちが恥ずかしくなる‥‥」
「その続きを期待してるのかしら?」
「んなっ!?」
ダメだ、完全に茜さんのペースにのせられてる‥‥のせられないようにしないとめんどくさくなる。
「いい加減先を急ごうぜ、早くしないと下山の時間が無くなっちまう」
「‥‥ねえ、悠治」
「何だよ?」
ぶっきら棒に返事しながら後ろを向くと、また抱き着いてきた。
が、いつものようなやり方ではなく、優しく抱き着いてきた。
「な、何だよいきなり!?今度はどんな「ありがとう‥‥」って‥‥え?」
「何時も私のわがままを聞いてくれるよね、何でなの?」
「何でって、別に深い理由なんてねえよ。俺が役に立てる事がそんくらいだからと思うから、今日もそんな感じだ」
そう答えるが返答がない。もしかして怒らせちまったかな‥‥?
「そうなんだ‥その理由ってどんなの?」
「そりゃあ親友の為にって思っているけど‥‥何だよ俺になんかあるのかよ」
「う、うん‥‥私ね、「待った」‥‥?」
茜さんを放して、意識を集中して回りを見渡す。
「どうかしたの?」
「おかしい、鳥達の声が消えた」
「え?でも鳴いてるよ?」
確かに鳥達は『鳴いている』、だけだ。
声すら聞こえず、この鳴き声は只の音だ。
「俺にはこんなのは効かない、なあこれやばいぞ‥‥」
「‥‥そういうことか、私達は『奴』にやられたのね」
俺達が此処に来た理由は、最近この山で遭難事件が多発している。原因はこの地に住み着く妖怪の仕業らしい。
そいつを倒すために来たと言うことだ。
「幻覚を見せる能力を持つ妖怪ねぇ、予想外にメンドイかも知れないな」
「俺はどうすれば良い?茜さんのこれがあるから大丈夫だけどよ」
「茜でいいよ。悠治は山を下って人が入らないようにしていて、私は奴を見つけだすから」
「了解、茜さ‥茜、下で待ってるからな」
「待って!」
走り出そうとしたとき、茜に呼び止められたので振り向く。
「約束して‥‥私、悠治に伝えたいことあるから‥‥」
「分かった、約束する」
俺は急いで山を下りだした。
‥‥少年下山中
「ダメだ‥‥抜け出せねぇ‥‥」
下山してから三十分ぐらい経っただろうか、未だに麓まで来ていない。寧ろ山の奥まで来ているようだった。
「くそ‥‥範囲が自分から2mだけだからな‥‥ぐあっ!」
首に掛けているお守りを握っていたら突然現れた木の枝にぶつかり、倒れ込んでしまった。
「いつつ‥‥あ、急がねえと」
急いで立ち上がり、麓を目指して走り出す。
山道を通っても幻覚で意味がない、幸い傾斜が緩やかだし茂みを突っ切る方が早い。
「悠治!!」
「!?」
聞き覚えのある声に呼び止められ、聞こえた方を振り向く。
「茜!なんで此処に?」
「あの妖怪を殺ったのよ」
「本当か!‥で、今聞くが伝えたい事って何だ?」
「ん?あ、あぁ‥あのことね‥‥えぇっと‥‥」
『ガサッ』
後ろから物音し、妖怪らしき生き物が現れた。
俺は直ぐさま妖怪との距離をとり、短刀を取り出す。
「生きていたのか!クソッ!」
「‥‥‥!!」
「何を言ってるのか分からねえが、手負いなら俺だけでも!!」
鞘から抜き切尖を向け、妖怪の懐目掛けて飛び出した。
「はああああああ!!!」
俺は妖怪の胸元刺した。
‥‥そのはずだった。
「ゆう‥‥じ‥‥」
「!!?」
俺が刺した相手は妖怪ではなく‥‥茜だった。
「な‥なんで茜が‥‥どうして‥‥」
慌てて短刀を抜く。茜は力無く俺の肩に寄り掛かる。
「ガッガッガ!!愚カナ人間ヨ、我ノ幻覚ニ騙サレ仲間ヲ刺シオッタワ!!」
嘘だ‥‥俺が‥‥
「所詮ハ人間、我ニハ勝テヌ!!我ノ力ノ前デハ全テガ無力!!」
俺が刺した‥‥信じてくれた人を‥‥俺が‥‥俺が‥‥
「‥‥気が済ん‥だかい?‥‥妖‥怪‥‥」
「チィ‥シブトイ奴ダ、死ニ損ナイガ!!」
飛び掛かってくるに一枚の札が当たる。
「私の‥可愛い弟分‥に、手を出す‥とは‥‥地獄を‥味わいなさい!『滅』!!」
「ガアアアアアア!!馬鹿ナ我ガ人間ゴトキニイイイイイイイ!!」
断末魔を森に響かせながら消滅していった。
「ふっ‥‥千年早いっ‥ての‥‥ゆ‥悠治?大丈夫だった?」
「ひっ!!」
「だ‥いじょうぶ‥だって、怒ってない‥から‥‥良かった‥怪我はしてないね‥」
「何で‥‥避けなかったんだよ‥‥避けてりゃ‥‥茜は‥‥あかね‥は‥‥」
必死に涙を堪えながら問うが、茜は「別に良いじゃない」と言う‥‥
「それに‥これ‥‥落としてたぞ‥‥」
「あ‥‥お守り‥‥」
「落とすんじゃないの‥‥でも‥そのお陰で‥悠治を守れたんだし」
「でも‥‥そのせいで俺は‥茜を‥‥」
俺を優しく抱き「私はそれで良いの‥‥」と言ってる。
「一先ず‥山を下りま‥しょう‥‥悠治、肩‥貸して」
「分かった‥‥後で理由聞かしてもらうからな‥それに、ぜってぇ助けっからな!」
「ん‥‥」
茜の腕を首に回し、出来るだけ負担を掛けず且つ急いで下山した。
~現在~
「そのあと病院って場所で手当てされたんだけど、出血が酷くてな‥‥」
「その茜さんって人、亡くなったんですね‥‥」
「‥‥俺があのとき無くしてことに気付いていれば‥‥」
手を強く握りしめると、隣の橙ちゃんはビクッと怯えた。
「あ‥‥ゴメン、恐がらせちゃったね」
「い、いえ大丈夫です。お兄さんって凄いですね」
「全然凄く無いよ、でも俺は一生この罪を背負って行くって決めたんだ。橙ちゃんみたいな子は俺みたいに大切な人を傷つけたり悲しませたりしないようにね」
俺は自然と橙ちゃんの頭を撫でていた。
「あ、ゴメン嫌だった?」
「にゃ~‥気持ちいいです~」
ゴロゴロと喉を鳴らしならがら手に擦り寄ってくる。式といっても猫なんだな。
「ちぇーん!ちぇーん!」
「あ、藍様だ!」
「橙!やっと見つけた」
藍と呼ばれていた人は、俺ぐらいの身長で金髪で短く、九本の狐の尻尾を付けていた。それに結構な美人だ。
「橙、その絆創膏どうしたんだい!?」
「そこのお兄さんに手当てしてもらったんです」
「君は?」
「あぁ‥俺は不知火悠治、その傷は俺の友達がやったんだ‥俺から謝る、すいません‥‥」
「君が‥‥いや、君が謝ることはない、寧ろお礼をさせてくれ」
俺に一礼すると、橙ちゃんも釣られて一礼した。
「橙を手当てしてくれてありがとう、私は八雲藍、紫様の式だ。君のことは紫様から聞いているよ」
「何で俺のことを?」
「それは君を幻想郷に連れて来たのは紫様だからな」
「あっ!!」
思い出した!あのとき俺を変な次元に落っことした奴、あの人が紫という人か‥‥
「すまないな‥紫様がいきなり連れて来てしまって」
「別に良いよ、今はこの幻想郷が俺の居場所だ。それに大切な友達もいるし」
「そうか‥‥なら良いんだ、本当にすまないな‥」
「もう過ぎた事だし良いって。
さぁって‥‥そろそろ行くか」
体を伸ばしてから陰陽玉を一人分の大きさ戻す。
「橙ちゃん、大切な人を悲しませないようにね」
「はい!」
桜の舞ってくる方向を確認し、陰陽玉から霊力を放出して飛び立った。
今までで一番長い文字数となりました。
これを抜くことはあるのかどうか‥‥
そして此処でキャラ設定を‥‥
名前:東風谷 茜 (こちやあかね)
年齢:女性に年齢はNG(高校の年齢です)
能力:札を扱う程度の能力 (仮)
東方風神録の登場キャラクタ東風谷早苗の姉という設定。飛翔録第二のオリキャラ
東風谷家の中でもトップクラスの能力者。なのだが、東風谷家一のお気楽者で何かと遊び半分な所があり、妖怪退治もゲーム感覚でやってたりする。因み早苗と同じで風祝である。
何故オリキャラを出したかというと、時代的におかしくなるかと思ったので、勢いでやってしまいました‥‥
誤字など有りましたら遠慮なくどうぞ!