十五話:桜と雪
さあて‥‥タイトル見ればお分かりかと思いますが、やっと妖々夢です。
正直、手探りで書いていたのでおかしな部分が多多あるかと‥‥
では、どうぞ!
俺が修業に出て、もう春が来ている。
「はあ!!」
「ぬう!?」
俺はいつも通り、師匠に鍛えてもらっていた。
「もう少しで切られるとこだったわい」
「余裕で避けといて何言ってんすか‥‥俺の自信を無くす気なんですか?」
今は、剣の修業中だ。俺は霖之助さんから貰った刀を使い、師匠は刀は持っているが、使わず避けるだけだ。
「だが、今のは一瞬刀に手を掛けてしまったぞ?つまり、悠治の振りが良くなったと言うことだぞ?」
「でもなー‥‥う‥‥イックシッ!!
‥‥にしてもまだ雪が積もるか‥‥」
周りの木々を見ると、もう五月に入るというのに白い葉を(つまり雪だな)乗せていた。‥‥俺は何言ってんだかな‥‥
「異変‥‥か」
不意にそんな言葉を発していた。
「場所は分かるのか?」
「さぁ~‥‥ん?」
目の前に雪景色に不釣り合いなものが飛び込んできた。
「これ、桜の花びら?」
飛んできた方向を見る。
白い雪にぽつぽつと桜の花びらが混じっていた。
「成る程‥‥大体分かった」
「それでは行ってくるがよい、大体のことは教えた。もう儂からは教えることはない、あとは自分の型をつくれば良い」
師匠は真っ直ぐ俺を見ている。俺は少し笑ってから刀を仕舞い、陰陽玉を取り出した。
「今までありがとうございました!!」
陰陽玉に乗り、天高く飛び立った。
「行ってしまったか‥‥もういいぞ」
木の裏から全くの同一人物が現れた。
「(コクン)」
さっきまで悠治と話をしていた老人が白い玉の幽霊になった。
「さて、いい加減出て来てもらおうかの?『妖怪の賢者』殿?」
「やはりばれていましたわね」
空間が裂け、一人の女性が現れた。
「貴女ほどの方がこんな場所に何の用ですかの?」
「あの子の様子を見に来ただけですわ。相当力を付けましたわね」
女性は扇子で口を隠し、笑う。
「ただそれだけですわ、それでは御機嫌よう」
「最後に聞く、この異変‥‥あのお方の仕業か?」
「さあ‥‥自分の目で見れば分かることですわよ『魂魄妖忌』さん?」
女性はそういって裂けた空間に戻って行った。
「‥‥儂が戻れないと知っておるだろ‥‥『八雲紫』‥‥」
~魔法の森 上空~
「霊夢や魔理沙もこの異変には気づいている筈だ、間に合えば良いんだが‥‥」
雪が積もる森の上を、桜が降って来る方向に飛ばして進む。
「あ、悠治だー!!」
「おっとと、なんだチルノか」
目の前にいきなりチルノが現れたので、急ブレーキをする。
反動で危うく陰陽玉から落ちるとこだった‥‥
「どうしたんだ?こんなところに」
「大ちゃんもルーミアも遊んでくれないんだもん‥‥寒いからいやなんだって」
「まあ‥‥そうだろうな、でも大ちゃんたちが風邪を引いたら嫌だろ?」
チルノは「そっちのほうがいやだ!」と言って強く横に振る。
「チルノは優しいな。それじゃ、俺はこの異変を終わらせに行くから」
「ふーん、ならあたいは他のとろこであそんでこよう!じゃねー」
チルノは手を振りながら去っていく。
俺も手を振り、見送る。
「チルノは楽しそうだけど、こんな異常気象を放っておく訳にはいかないからな」
向きを変え、再び進もうとしたとき、目の前に白い女性が現れた。
「あんたは誰だ?」
「フフ、ただの冬の忘れ物よ‥‥尤も、今年の冬は長いけどね」
女性は静かに笑いながら
、俺を見てくる。
「あんたがこの異変を引き起こしたのか?」
「いいえ違うわ。でも、貴方が冬を終わらせに行くなら貴方を敵と見なすわ」
その言葉でお互いに臨戦態勢に入る。
「私は、レティ・ホワイトロック‥‥冬の妖怪よ」
「俺は、不知火悠治‥‥鳥の言葉を理解する人間さ」
そして、同時に弾幕を放たれた。
「悪いけど、貴方はここで眠ってもらうわよ?寒符『リンガリングコールド』」
「ここで寝ちまったら死ぬのも同然だな‥‥鳥符『エアロバースト』!」
互いの弾幕がぶつかり合い、相殺しあう。
「ちょっとはやるようね」
「まだ、お互いに本気じゃないってことか‥‥それじゃ、久しぶりの本気を出してみるか!!」
弾幕を変幻自在に曲げて攻撃する。以前より操る弾幕の量も、曲げる角度も高くなった。
「くっ‥‥甘く見てたわ‥‥流石、紅霧異変であの悪魔の妹を倒した人間ね」
「フランのことか‥‥別に倒したわけじゃない、家族の絆を守ろうとしただけだ」
「お人好し過ぎると痛い目に遭うわよ?今も私に最低限の攻撃しかしてないじゃない」
「ちっ‥‥ばれたか」
派手に攻撃をしているが、実は殆どがレティの弾幕を消すための攻撃。そこに数発、レティ狙いを混じらせていた。
ばれないと思ったんだけどな‥‥
「そんなんで、本気とは言わせないわよ?本気というのはこう言うことよ!怪符『テーブルターニング』!!」
レティの周りから大量の弾幕をばら蒔かれる。
「こりゃーまずいな‥‥」
「潔く負けを認めなさい!」
「生憎俺は負けず嫌いなんでな‥音符『ソニックバード』!」
自分の周りに弾幕を展開し、一気に飛ばす。
「こんなところで負けるかよ!!」
~三人称 Side~
~同時刻 博霊神社~
「霊夢‥‥」
「‥‥」
「いい加減に動けよ!!」
魔理沙は炬燵で寛いでいる霊夢を怒鳴るが、霊夢は一向に動こうとしない。
「なあ、これ絶対異変だぜ!?博霊の巫女が動かなくてどうするんだぜ!!」
「嫌よ、外は雪が積もっているしそのうち元通りになるでしょ」
霊夢はそう言いながら炬燵に踞る。
「‥‥霊夢は分からないと思うけど、私には胸騒ぎがするんだぜ‥‥」
「胸騒ぎ?私は寒くて鳥肌は立つけど?」
魔理沙は霊夢に呆れながら、障子を開ける。
「ちょっと寒いじゃない!!」
「外出てみろ、何か気付かないか?」
霊夢は嫌々ながらも外の景色を見る。
「おかしくないか?残冬なら少しは木々に蕾ぐらいあっても良いはずなのに、それがない‥まるで春がないみたいにじゃないか?」
「‥‥‥」
霊夢は小さく笑い魔理沙の顔を見る。
「今回は魔理沙に賛成ね。ほら、出発するわよ」
「了解だぜ!!」
霊夢と魔理沙は異変の準備をしに中に戻って行った。
~悠治Side~
~再び魔法の森上空~
「はぁ‥はぁ‥あっぶねぇ‥」
「全く‥‥本当にお人好しね」
今俺は落ちるとこだったレティの手を掴んでいる。
「自分が攻撃した敵を普通助けるかしら?」
「こんなところから落ちたら妖怪でも危ねぇだろ‥‥俺は相手を攻撃しても命まで取らねぇ‥俺には人を殺める理由がないし、あってもやらねぇ」
「‥ありがとう、もう大丈夫よ」
レティの手を離して、自分の力で浮く。
「貴方、悠治って言ったかしら?覚えておくわお人好しさん」
「それ定着させようしてるのか‥‥?」
「ふふ、事実じゃない。さてと‥そろそろ冬は終わりそうね、私は春眠の準備でもしましょうかしら」
レティは「また冬に会いましょう」と言ってから一礼をして、俺の前から遠ざかっていた。
「‥‥っ!‥‥やっぱり無理しちゃいけねえよな」
全身に痛みが走り、膝が付きかけるのを堪える。
「弾幕の中に飛び込むなんて馬鹿なことやるよなぁ俺‥‥」
体勢を立て直し、深呼吸をする。
吐いた息が白くなり薄くなって消える。
「はぁ‥‥よし、体は動くしまだまだいけるな」
桜が舞ってくる方向を確認し、俺は陰陽玉を飛ばした。
白岩さんってこんなキャラでしたっけ?
どうもキャラが掴めない‥‥今後も原作と違うところが増える予想‥‥
それでは、誤字などありましたら感想にて。