十三話:友達を守る力を
自分でも何故このような流れになってしまったのか分からない‥‥
だが、私は反省はしていない。
今回は短めです。他は後書きにて‥‥
「うし、こんなもんかな?」
「そろそろ行くのね」
紅魔館で一日泊めてもらい、戻ってきてから俺は荷物を整えた。
「場所は人里を過ぎた辺りだから」
「何でもかんでも頼んじまって悪いな‥」
「あんたが強くなるためでしょ?それに、今後異変の時に戦力になってもらわなきゃね」
「そうだな。そのために修行だからな」
荷物を担いで庭に出る。
「さってと、行きますか!翼符『シルバーウィング』!」
「いつもの陰陽玉は使わないのね?」
「それなりに遠いからな、速度は魔理沙並か少し上ぐらいだし。その分消費は激しいけどな」
背中に生やした翼を一回羽ばたかせて、飛び立つ準備をする。
「それじゃ霊夢、またな」
強く羽ばたいて上空に飛び立つ。
~人間の里 上空~
「えっと‥人里を超えた先だから‥‥」
人里の上空(正確には少し手前)で方角を確認する。
「妖怪の山は警備が厳重だから無いとして、魔法の森の方だな」
魔法の森を向いて再び進みはじめた。
一方人里では‥‥
「まいどありぃ、しっかし凄い量の食料だね」
「これでもまだ少ない方ですよ。一日持も持ちません‥‥」
「そうかい、そりゃあ大変だなあっはっはっは!」
「それでは‥‥‥ん?なんだろあの鳥みたいなの、人?‥‥あ、そんなこと言ってる場合じゃない、幽々子様が待っているんだった。急がなきゃ」
~魔法の森 入り口~
「さて、こっからどうすっか‥‥正確な場所まで聞いてなかったし‥‥」
スペルを切って考える。
「もう考えるより行動するしかないな」
荷物を担ぎ直し、魔法の森に入ろうとしたとき‥‥
「おーい、悠治君!」
俺を呼ぶ声が聞こえた。声のする方を向くと、一人の男の人がいた。
「ん?あ、霖之助さん!」
森近霖之助、人間と妖怪のハーフで、魔法の森の入り口に佇む店『香霖堂』の店主。幻想郷に流れ着く外の世界の道具などを売買している店だ。
この人の『未知のアイテムの名称と用途がわかる程度の能力』はかなり凄い能力なのだが、どう使うかまでは分からないらしい。でも、大体が外の物だから俺にはあんまり関係がないけどな。
「君がこんなところにいるなんて珍しいね」
「ちょっととある人に会いに行くんすよ」
「それって魔理沙とか?」
「なんで魔理沙が出てくるんだ?俺は修業の為に行くんすよ」
霖之助さんが少し考えたあと、「ちょっと待ってて」と言って店に戻って行った。
「これを持っていくといい」
霖之助さんが俺に見せたのは、一本の刀と数枚のスペルカードだ。
「この刀とスペルカードは?」
「この刀は僕の造ったマジックアイテムなんだ。一見何の変哲もない刀だけど、霊力を込めることが出来て、形状も少しだけ変えることも可能だよ。後、そのスペルカードは僕が使わなくなった奴さ。遠慮せずに持って行ってくれ」
「ありがとうございます!
その刀、俺の持っている陰陽玉みたいだな」
そういって陰陽玉を取り出して、霖之助さんに見せた。
「お、これは‥‥‥間違いない、以前、霊夢にあげた陰陽玉だ」
「もしかして、それ造ったの霖之助さんなんすか?」
「うん、昔の霊夢は飛べなかったからね。でも、すぐ飛べるようになったから使われなかったみたいだけど」
霖之助さんは少し苦笑いをして、刀とスペルカードを渡した。
「それじゃ、此処で道草させるのも君の為にならないね」
「そうっすね、それじゃまた」
霖之助さんから貰った刀とスペルカードを仕舞って、魔法の森へ足を進めた。
「やはり少し似ているよ君たちは‥‥自分の弱さを努力でカバーしているところとかね」
そう呟いて、霖之助は店の中に戻っていった。
~魔法の森 南西~
「‥‥おい、こっちで良いのか?」
『はい、こっちの方で合っている筈です』
一羽の妖鳥が木々に飛び移りながら案内をしていく。
何故、案内をしてもらっているかというと‥‥
~約一時間前~
森に入って数分。
「うん‥‥迷ったな‥‥そりゃ場所がわからなきゃ迷うわな‥‥」
このままでは拉致が空かないと思ったので、能力で辺りの鳥たちを呼び(主に妖鳥)、俺の探している人物の特徴を話した。
此処で暮らしている分土地勘はあるよな。
「‥‥てな感じの人物なんだけど知っているか?」
『う~ん‥そんなひと居たかな?』
『私たちもそんな人見た覚えはないなぁ‥』
「そうか、この森に居る筈なんだけどな」
どうやら此処の住人でも知らないようだ。諦めて足を進めようとしたとき‥‥
『あ、僕その人知ってる!!』
「本当か!?」
『うん!ついて来て!』
「‥‥で、それからかなり経ったんだが‥‥本当に居たのか?」
『本当だよ!僕、この目で見たもん!』
この妖鳥(因みに雌な)なんで一人称が僕なんだろうか‥‥というか信じて良いものなのか‥‥
そんなことを心の中で愚痴りながら付いていくと、小川のある開けた場所に出た。
『ほら、あそこに居るよ』
妖鳥が見ている方向を見ると、座禅を組んでいる一人の老人が居た(後ろ姿でよく分からないが、白髪が生えているし老人だろう)。
『それじゃ、僕はこの辺で。切られないようにね~』
「切られないようにって何!」
俺の言葉を聞く前に妖鳥は飛んで行ってしまった。
さっきの妖鳥の言葉が気になりつつも、俺は座禅を組んでいる老人に近付いた。
「あ、あの‥‥」
反応が全くない‥‥
「俺、博霊神社から来た不知火悠治って言うんですけど、霊夢に言われて貴方を探しに来たんですけど‥‥」
根気強く話し掛けたが、それでも反応がない‥‥人違いだと思い、そこを立ち去ろうとしたとき‥‥
ヒュンッ
「!?」
突然、老人が刀を振ってきた。
それを紙一重で避わす。
「ほぅ、儂の一撃を避わしおったか」
「いきなり何すんだ!」
構えて攻撃体制に入る。
「そんなに警戒するでない。儂はお主を試したかったのだ」
「た、試す?‥‥」
目の前の爺さんは刀を仕舞い、俺に質問してきた。
「何故、此処に来た?」
「はあ?」
「何故、儂のところに来たと言っておるのだ」
「それは、俺が強くなりたいから‥‥仲間を守る強さが欲しいから、修業に来たんだ‥」
爺さんは俺を不思議そうに見てきた。
「自分の為、ではないのか?」
「自分の為でもある。でも仲間を‥‥友達を守る強さのほうが必要だ」
「はっはっはっは!!」
爺さんはいきなり笑いだした。
「いや、すまない‥やはりお主は霊夢殿が言っていた通りの人物じゃの。良いだろう、儂が鍛えてやろう」
「本当か!?いや本当ですか!?」
「うむ。儂に二言はないぞ?」
「宜しくお願いします!!」
俺はこの人のもとで修業することになった。
はい。何故か修業することになりました。
それと霖之助が自分のスペルカードをあげたのかと言うと、霖之助は弾幕勝負をしない=スペルカードを使っていない。ということはスペルカードは白紙。
という自分の勝手な考えです‥はい‥‥
誤字などありましたら感想にてお願いします。