十話:君を守る翼
やっと書き終わり、更新が出来ました。
時間かけても誤字が目立つかも知れません。その時は遠慮なく言ってください。
後半グダグダになってしまいました‥‥
~悠治Side~
「コワス!!ゼンブコワス!!」
あの嫌な感覚が当たっちまったか‥‥
一先ず、レミリアを降ろしてから上空に飛び立つ。
「これは‥戦うしかないのよね」
「アハハハ!禁忌『フォーオブアカインド』」
スペルカードを唱えると、フランが四人に増え、別々に攻撃してきて避けづらい‥
「「「「アハハ、モットタノシモウヨ!!」」」」
「く‥‥そったれ!!」
翼を強く羽ばたかせて、弾幕を放つ。
「スキダラケダヨ!!」
「なっ!!」
フランに(といっても分身の一人だろう)後ろに回り込まれ、攻撃を仕掛ける。
「なめるなっ!音符『ソニックバード』」
身体を無理矢理捩曲げ、後ろに向かって弾幕を放つ。
フランの弾幕を打ち消しながら進むが、フランは素早く避け、ダメージを与えることが出来ない。
「「「「アハハ、モットモットアソボウヨ、オニウサンハ、フランヲクルシマセナイヨネ!!」」」」
「駄目だ‥キリがねえ‥‥」
一人一人相手をしていると必ず隙が出来ちまう‥‥避けるしかないな‥‥
「夢符『封魔陣』!」
周りの弾幕が結界で消されていき、霊夢と魔理沙が近くまで来た。
「何でもかんでも自分一人で戦かおうとするなよ、私達も居るんだからな」
「単に馬鹿なだけね」
そうだよな、俺は馬鹿だったよ‥‥
俺には仲間が居るんだから頼れば良いじゃないか。
「二人ともありがとう‥助かるよ」
二人に礼を言ってから、フランに体を向ける。
「(でも私は‥‥もうスペルカードは発動できそうにないぜ‥‥できても一回限り‥‥くそ‥‥これじゃ悠治達の足手まといじゃないか!!)」
「「アハハハハハハハ!!マダマダコワレナイデネ!禁忌『カゴメカゴメ』」」
四人の内、二人のフランは人が一人ギリギリいられるくらいの間隔で設置型の弾幕を張り、高速の大型弾幕を放ち、設置された弾幕が大型弾幕が当たった所から崩れるように動きはじめた。
「なによ、めんどくさいわね‥夢符『封魔陣』!」
「アハハ!!ソノクライナライミナイヨ!!」
「フランハヨニンイルダカラネ!!」
霊夢のスペルカードで弾幕を消すが、また新たな弾幕が置かれる。
フランの分身を早く減らさなきゃな‥‥
俺は飛べる限界があるからな‥‥なんとかして突破口を開かないと‥‥
「「オニイサンスキダラケ!!禁忌『恋の迷路』」」
「しまっ‥!!」
深く考え過ぎた為、二人のフランに後ろに回り込まれた、複雑な迷路のように弾幕をばら撒かれる。
とてもじゃないが、避けるのは不可能だ。
「ぐはっ‥‥」
フランの弾幕を連続で喰らってしまう。一発一発が重過ぎて‥もう気が遠くなってきたぞ‥‥
これ以上の被弾はまずい‥‥!!
「オニウサンハコレデオシマイナノ?」
「おりゃあ!!」
背後から魔理沙が高速で接近し、至近距離から攻撃を噛ます。
「ソンナコウゲキ!!」
「ナイスよ魔理沙、霊符『夢想封印』!」
魔理沙の攻撃で、フランが一瞬怯んだところに、霊夢の夢想封印が周りの弾幕を消し去りながら進んでいく。
「グワッ!!」スー‥
「チッ、本体じゃなかったわね」
夢想封印は直撃したが、フランは霊力の粒なりながら消えた。
どうやらあのフランは分身の方だったようだな。
「アハハハ!!ヒトリヤラレチャッタ!」
「デモザンネンダッタネ!」
「ホンモノハコッチニイルンダヨネ!!」
三人のフランは、複雑な動きをとって本物を分からないようにしている。
「完全に遊ばれてるわね‥‥」
「それほど余裕なんだろ‥‥こっちはギリギリだってのによ‥‥」
正直、ここから勝てる確率なんてほとんど無いと言ってもおかしくはない。
あのスペルカードをもろに受けたからな‥‥
「フランドール・スカーレット!!」
突然レミリアがフランの名を叫んだ。
「やはり貴女は危険過ぎる、これ以上はこの館が持たないわ!今すぐ地下に戻りなさい、これは命令よ!」
「馬鹿!!いきなりなに言ってんのよあいつ!!」
「それが妹に対する言葉なのかよ!!」
「「「アハハハハハ!!イセイダケハイイネアンタ、ソンナカラダデフランニセッキョウ?」」」
フランはレミリアの言葉を無視するようにスペルカードを唱えた。
「フランニハカンケイナイ!!禁弾『スターボウブレイク』!!」
「フランハヤリタイコトヲヤッテルダケ!禁弾『カタディオプトリック』!!」
「アンタニトメラレルスジアイハナイ!!禁弾『過去を刻む時計』!!」
「また連続でスペルカードか!」
色鮮やかな弾幕。
速度に差がある弾幕。
そして過去をさかのぼるように回転する弾幕。
それらが一斉に飛び交えしてくる。
「さっきから目茶苦茶だぜ!」
「本当にめんどくさいわね‥‥」
「くそっ‥‥避け切れねえ‥せめて、二人だけでも!」
霊夢達の前に立ち、翼を大きく広げて壁になる。
「悠治、なにやってんのよ!!」
「俺が守れる範囲は、これくらいだからな‥‥弱いなりの悪あがきさ」
こんなのを正面からくらったら死ぬかもしれない‥‥でも、二人を守れるならそれでいい!!
グイッ
「な!?」
突然後ろに引っ張られ、体勢が崩れた。
「この馬鹿悠治‥‥」
「魔理沙!!」
魔理沙は俺を引っ張り、八卦炉を構えた。
「約束したよな、だから今度は私が悠治を守る番だぜ!!残りの魔力をスペルカードに!恋符『マスタースパーク』!!」
八卦炉から放出する、眩い光を放つマスタースパークは、フランの弾幕を薙ぎ払っていく。
「はあああああ!!」
「「グアッ」」
三人中、二人のフランにマスタースパークが直撃する。
「はぁ‥‥はぁ‥‥やっ‥た‥か‥‥」
「魔理沙!!」
魔理沙の体は、力無く落ちていくのを、その体を支えながら下りて床に座らせる。
「アハハハハ!!ミンナヤラレチャッタ!マホウツカイノオネエサンハ、コレデオシマイダネ!!」
「ごめん‥‥私、何もできなかった‥‥」
「いいや、魔理沙は頑張ったよ‥後は俺と霊夢でやっから、今は休んどけ」
魔理沙のおかげで戦うのが楽になったんだ。彼女の為にもフランを止めなきゃな。
翼を羽ばたかせて力強く上空に飛び立つ。
「あいつも無茶するわねぇ、あんたに何かあるのかしらね?」
「別に何もねえと思うな‥」
「アハハ!!ヒトリスクナクナッチャッタケド、コワレナカッタカラ、モットアソボウヨ!!」
まだまだ余裕のフランは、スペルカードを発動させる。
「来るわよ!!」
「コレデミンナコワレチャウカナ?禁弾『そして誰もいなくなるか?』!!」
スペルカードを唱えると、フランの姿は消え、弾幕だけが放たれる。
「何処から攻撃しているんだ?弾幕が放たれるとこなら、音符『ソニック「悠治、待ちなさい」‥霊夢!?」
「闇雲に攻撃しても意味ないわ、今のあの子には何をやっても効かない」
「‥‥避け続けるしかないのか?」
「多分、それくらいね‥‥」
スペルカードをしまうとき、手が何かに触れた。
「これって白紙のスペルカード?霊夢に貰ったやつか」
「悠治、それはいざってときに使いなさい」
俺は、軽く頷いてから白紙のスペルカードをしまい、手に霊力を込めて鳥型の弾を作る。
「それをどうする気?さっき何も効かないって言ったわよね?」
「アハハハ!!ソノオネエサンのイウトオリダヨ、イマノフランニハダンマクナンテアタラナイ!!」
周りからフランの声は聞こえるが、見えるのはフランの弾幕だけだ。
「霊夢、援護してくれないか?少し集中したいんだ」
「それをどうするつもり?やるならさっさとやりなさい!霊符『夢想封印』!!」
霊夢の夢想封印のおかげで俺の周りどころか、全体の弾幕を消していく。
絶対に霊夢とは戦いたくないな‥‥
「これは攻撃の為じゃない、こうする為だよ!」
手の平で作った弾を、魔理沙に向けて飛ばし、さらに何発か同じく飛ばす。
「悠治!?な、何を!?」
「魔理沙を守る為さ!」
俺は、意識を集中して鳥(の形をした弾幕)達を魔理沙の周りを浮遊させる。
「‥‥え?」
「ごめんな魔理沙‥‥心許ないが今の俺には、これぐらいしか出来ないから‥‥」
魔理沙の周りを浮遊している鳥達は盾になりように翼を広げ、他の弾幕から防ぐ。
~魔理沙Side~
「やっぱり悠治らしいぜ‥‥」
私の周りを覆っている鳥達を見た。
自分より、まず相手の事を考えることがあいつらしいぜ。
「まだ私もいける‥‥か‥?」
体は少し浮くが、これ以上の高さまで行けない。
「モット、モットアソボ!!アハハハハハハ!!」
吸血鬼の妹、フランドールとかいったか‥あいつの声と弾幕だけが私達に降り注いでくる。
「くっ‥‥!」
「はあああああ!!」
悠治の攻撃で、弾幕を消していく。
「ふ、防ぎきれねぇ‥‥!」
「でも、これだけなら避けきれるそうね」
霊夢と悠治は弾幕を避けれる程だが、今の私には盾があってやっとだ。
「これも何時まで耐えられるか‥‥それまでに少しでも回復しないとな」
「ジャア、ソレヲケセバオシマイダネ‥」
「!!?」
私の背後にフランドールが回り込み、手を私に向け、握った。
キュッ、パーン!
「うわ!?」
軽い爆発音が鳴り、私の周りの鳥達が消滅した。
「アハハハハハハハハハハハハ!!!」
急接近していきたフランドールは高笑いしながら右手に霊力を込めて、振りかざす。
~悠治Side~
「魔理沙!!」
何も考えずに、魔理沙に向かって飛んでいった。
「間に合えええ!!」
シュワ~‥‥
後少しのところでシルバーウィングが切れた。
無理して使った分が此処で来るかよ‥‥
ドガッ
「ガハッ‥‥」
フランの拳が魔理沙の腹部に直撃する。
「魔理沙ああ!!」
陰陽玉を足場にし、白紙のスペルカードを取り出しながら魔理沙に向かってジャンプする。
「俺は絶対に守る、約束を‥‥魔理沙を!!」
白紙のスペルカードを構え、自然とカード名を唱えた。
「守護符『君を守る翼』!!」
「悠治‥‥貴方、その翼は何?」
今までの白銀の翼ではなく、白く一回りでかくなった翼が生えている。
「魔理沙‥‥!」
急いで魔理沙の傍まで行き、翼で覆う。
「これなら攻撃は当たらないな」
「ゆ‥う‥‥じ‥‥ごめ‥‥ん‥‥」
「いや、魔理沙が謝ることなんてないよ‥‥」
フランにやられたとこを、触ると「グァッ‥」と苦しく唸った。
多分、肋骨をやられたみたいだな‥‥。
「大丈夫、今の俺なら何とか出来るかもしれない‥‥」
翼が光り、魔理沙を覆う。やがて、魔理沙を覆っていた光りが翼に戻る。
「う‥‥あれ‥‥痛みが消えた」
「なんとか治療は出来たみたいだな‥」
傷口を触っても痛みはかんじていないみたいだし、どうやら治ったようだな。
「ひゃ ///ちょ、悠冶‥‥くすぐったい///」
「うん、大丈夫だな。魔理沙は休んでいろ、傷は癒えても霊力はもうないだろ?」
翼を広げ、フランを見る。
「ナンデ!!」
「!?」
「ナンデオニイサンハソイツヲタスケルノ!!?
ナンデヨワイヤツヲカバウノ!!?ナンデフランヲムシスルノ!!?」
「あいつ、どうしたの!?」
「ナンデ‥‥」
「なんでフランをひとりにするの‥‥」
「フラン‥‥」
一瞬だが、フランから狂気が消えた。あれがあの子の本当の気持ち‥‥
『壊したい』じゃなくて『寂しい』‥‥
「ズット‥‥ズットヒトリダッタ!!ヨンヒャクキュウジュウゴネンカンズット、ズット!!」
フランは一枚のスペルカードを発動させる。
「ゼンブ‥ゼンブコワレロオオオオ!!QDE『495年の波紋』!!」
「フラン‥‥ごめんさい、私はフランの強さに恐れてたのね‥‥翼の貴方、フランを‥‥お願い‥‥」
「悪いが、あんたの為にはやらない、俺はあの子の為に‥‥フランの為だ!!」
波紋を避けながらフランに近づき、翼で覆う。
「コワイ、ヤメテ!!コナイデ!!」
暴れるフランを強く抱き、抑える。
フランは抵抗するように、波紋をぶつける。
「ぐっ‥‥苦しいんだろ‥‥なら俺がすべて受け止めてやる!!」
翼が強く光り、俺とフランを包む。
「ヤダ‥コワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワイコワいコわいこわいこわい‥わこい‥‥こわいよ‥‥‥」
狂気が次第に消え、叫び声が泣き声に変わっていく。
「いやだ‥‥ひとりにしないで‥‥こわいよ‥‥」
「大丈夫、君はひとりじゃない‥‥家族がいるじゃないか」
「むりだよ‥‥フランは、みんなを苦しめた悪い子だから‥‥」
「みんな分かってくれるよ‥俺からも言ってあげるから」
不安になっているフランの頭を優しく撫でて、安心させる。
「‥‥ほんとうに?」
「うん、約束する」
俺の顔を一度見て「うん‥」と言ったあと、俺の服に顔を埋めた。
「もう覆わなくてもいいか‥‥」
覆ってた翼を広げゆっくり下に降りる。
フランはどうやら寝てしまったらしいな。
「‥‥レミリア、フランとの約束だ‥この子を受け入れてくれるな?」
「ええ‥‥もうフランに寂しい想いさせない‥‥させたくないわ‥‥咲夜居る?」
「はい、お嬢様」
「あ、あの時の‥‥」
どこからともなくあのメイドさんが現れた。
「どうしたのその包帯は?まあいいわ、フランを私の部屋へ」
「かしこまりました。それでは不知火さん、フランお嬢様を」
咲夜さんという人にフランを渡し、その場から消えた。
「ふうやっと終わりね‥‥それじゃさっさと帰るわよ」
「ああ‥‥そうだな」
長くも感じた一夜の紅霧異変は終わりを告げた。
締めが思いつかなかったので変な終わりかたになってしまいましたね‥‥
次回はできるだけはやく更新しようと努力します‥‥