第11話「残業美談バスターズ!帰宅時間は譲れない」
異世界・王都グランドキャッスル。
俺たちは王宮謁見の間に呼ばれていた。
「まさか王族から呼び出されるとはな……」
俺の顔はすでに疲労困憊だった。
リエルは笑顔で説明する。
「本日の対戦相手は“王族美談政策局”♡
“国王陛下の長時間労働美談”を盾に、残業ゼロ政策を潰しにきました♡」
⸻
壇上に現れたのは、王族美談局筆頭──
ロイヤル=アマガミ=セブンス王子。
「庶民よ、国は犠牲の上に成り立つ!国王自らが残業100時間超!美談だろう!!」
後ろの壁には「24時間働く国王伝説」と刻まれた巨大肖像画。
俺、思わず頭を抱えた。
⸻
クラリスが冷静に資料を開く。
「王族美談政策──裏では“長時間働けば偉い”という文化を捏造し、全労働者を過労死路線に導いているわ」
ミャウルが一句。
「偉いより
帰るほうが
家族笑顔」
⸻
討論開始!!
王子「努力こそ尊い!汗こそ国の礎!」
俺「働いた時間じゃなく成果が価値だ!」
クラリス「労働時間と国家成長率は相関しないと証明済み!」
王子「国王の残業は国家の誇り!」
俺「国民の帰宅は国家の未来だ!!」
⸻
俺は叫ぶ。
「発動──【国民幸福可視化魔法・ノー残業版】!」
空に浮かぶ国民の声──
《国王も帰って寝ろ》《美談で過労させるな》《子供と夕飯を食わせてくれ》
⸻
王子「ぬぅぅ……!だが国王は誇り高く戦い続けるのだ!」
リエル「ちなみに本日の国王陛下、定時で帰宅して趣味の“釣り”をしてますわ♡」
⸻
王子「ギャフン!!!」
⸻
俺は断言した。
「この国の労働文化、美談じゃなく“健康と家族”を守るものに変える!」
王子撃沈──残業ゼロ党、また勝利!
⸻
リエル「次回は“異世界選挙制度”の“選挙カー爆破案件”ですわ♡」
俺「どこまでも爆発だな……異世界!」
⸻
次回、「第12話:選挙カー爆破大作戦!静かな選挙を取り戻せ!」へ続く!




