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『異世界議員はつらいよ』  作者: カリア
第2部《改革の壁編〜副魔王省と予算バトル〜》
13/23

第3話「予算爆破魔法vs帰宅ポイント爆裂術」

副魔王省・特別審議室──


俺、シン=カグラは、議場という名のコロシアムに立っていた。

観客席には役人たちの冷めた視線、頭上には“予算爆破マジックフィールド”がきらめく。


「シン様、お気をつけて。討論次第では物理的に爆発しますわ♡」


「ここまで来ると、“爆発”が何の比喩でもなくて震えるわ!」



対面に立つのは、副魔王省 総務調整局長──カゲカツ=クロガネ。

筋肉スーツがバキバキに光り輝いている。


「さぁ、貴様の“帰宅応援ポイント”政策がいかに愚かか、我が“予算爆破魔法”で粉砕してやろう!」


クラリスが俺の耳元でささやく。


「この男、“討論しながら爆破”が得意分野。過去5回、相手は全員“予算焼失”してるわ」


「焼失どころか“業績全消滅”したケースもあります♡」


リエルが無邪気に追い打ちをかける。



審議開始の鐘が鳴った。


カゲカツがまず叫ぶ。


「焼きそば券は幸福度向上政策!国民の胃袋満たして心も満たす!

焼きそばなくして国民満足なし!!」


光の魔法陣が天井から発動される──


「炸裂──予算爆破魔法《幸福捏造ボンバー》!!」


ズバァァァン!!


空中に巨大な焼きそば券が爆誕し、俺たちの方に爆裂音が襲いかかる。


「やめろォォォォォ!!脳が炭水化物で支配される!!」



俺も負けじと拳を握る。


「働く人は、もっと大事な“帰宅時間”を失ってるんだよ!!

焼きそばなんて、帰ってから食えばいいんだろうが!!」


発動──


「帰宅促進爆裂術《ノー残業フィナーレブレイク》!!!」


ズドォォォン!!!


巨大な“帰宅ポイントカード”が空中に現れ、副魔王省の魔法陣と衝突する。



「くっ……この、異端の政策が……」


「異端じゃねぇ!!俺たちの生活だ!!」


ミャウルが一句。


「残業と

焼きそば天秤

答えは家」


観客が一瞬ざわつく。


クラリスが冷静に畳みかける。


「残業ゼロはGDPのマイナスじゃない。“幸福効率”はプラスになるのよ!!」


「黙れ小娘!!それは理論上──」


「理論?なら、理論で上回ってみなさい」


クラリス、冷徹なデータ魔法発動──


「《幸福効率最大化・論破砲》発射」


ズバババババ!!



カゲカツのスーツが破れ、焼きそば券が燃え上がった。


「な……なぜだ……我が“焼きそば券政策”が……!」


俺は静かに言った。


「焼きそばは副菜だ。メインは、働く人の生活だろ」


「ギャフン……」


その瞬間、副魔王省第一ラウンド──勝利!!



リエルが跳ねるように喜ぶ。


「シン様の“帰宅ポイント爆裂術”が勝ちましたわ♡」


ミャウルが一句。


「定時なら

焼きそば冷めぬ

帰り道」


「……地味に詩の破壊力も高いな」



こうして、異世界の政治改革は一歩進んだ……ような気がした。

だがリエルは不敵に笑う。


「ちなみに次回は“省庁横断爆裂会議”ですわ♡」


「まだ爆発すんのかよぉぉぉ!!」


次回、「第4話:省庁合同!焼きそば派vs帰宅派全面戦争!」

戦いは、まだ続く──!

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