第3話「予算爆破魔法vs帰宅ポイント爆裂術」
副魔王省・特別審議室──
俺、シン=カグラは、議場という名のコロシアムに立っていた。
観客席には役人たちの冷めた視線、頭上には“予算爆破マジックフィールド”がきらめく。
「シン様、お気をつけて。討論次第では物理的に爆発しますわ♡」
「ここまで来ると、“爆発”が何の比喩でもなくて震えるわ!」
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対面に立つのは、副魔王省 総務調整局長──カゲカツ=クロガネ。
筋肉スーツがバキバキに光り輝いている。
「さぁ、貴様の“帰宅応援ポイント”政策がいかに愚かか、我が“予算爆破魔法”で粉砕してやろう!」
クラリスが俺の耳元でささやく。
「この男、“討論しながら爆破”が得意分野。過去5回、相手は全員“予算焼失”してるわ」
「焼失どころか“業績全消滅”したケースもあります♡」
リエルが無邪気に追い打ちをかける。
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審議開始の鐘が鳴った。
カゲカツがまず叫ぶ。
「焼きそば券は幸福度向上政策!国民の胃袋満たして心も満たす!
焼きそばなくして国民満足なし!!」
光の魔法陣が天井から発動される──
「炸裂──予算爆破魔法《幸福捏造ボンバー》!!」
ズバァァァン!!
空中に巨大な焼きそば券が爆誕し、俺たちの方に爆裂音が襲いかかる。
「やめろォォォォォ!!脳が炭水化物で支配される!!」
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俺も負けじと拳を握る。
「働く人は、もっと大事な“帰宅時間”を失ってるんだよ!!
焼きそばなんて、帰ってから食えばいいんだろうが!!」
発動──
「帰宅促進爆裂術《ノー残業フィナーレブレイク》!!!」
ズドォォォン!!!
巨大な“帰宅ポイントカード”が空中に現れ、副魔王省の魔法陣と衝突する。
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「くっ……この、異端の政策が……」
「異端じゃねぇ!!俺たちの生活だ!!」
ミャウルが一句。
「残業と
焼きそば天秤
答えは家」
観客が一瞬ざわつく。
クラリスが冷静に畳みかける。
「残業ゼロはGDPのマイナスじゃない。“幸福効率”はプラスになるのよ!!」
「黙れ小娘!!それは理論上──」
「理論?なら、理論で上回ってみなさい」
クラリス、冷徹なデータ魔法発動──
「《幸福効率最大化・論破砲》発射」
ズバババババ!!
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カゲカツのスーツが破れ、焼きそば券が燃え上がった。
「な……なぜだ……我が“焼きそば券政策”が……!」
俺は静かに言った。
「焼きそばは副菜だ。メインは、働く人の生活だろ」
「ギャフン……」
その瞬間、副魔王省第一ラウンド──勝利!!
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リエルが跳ねるように喜ぶ。
「シン様の“帰宅ポイント爆裂術”が勝ちましたわ♡」
ミャウルが一句。
「定時なら
焼きそば冷めぬ
帰り道」
「……地味に詩の破壊力も高いな」
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こうして、異世界の政治改革は一歩進んだ……ような気がした。
だがリエルは不敵に笑う。
「ちなみに次回は“省庁横断爆裂会議”ですわ♡」
「まだ爆発すんのかよぉぉぉ!!」
次回、「第4話:省庁合同!焼きそば派vs帰宅派全面戦争!」
戦いは、まだ続く──!




