「本当にあったかもしれない」部分
「本当にあったかもしれない」部分投稿。今回はやや雰囲気が違うかも。残りの部分は来週投稿予定。
「おい、見ろよ、あれ!」
静まりかえった教室の中、素っ頓狂な声が響き渡った。
シャーペンのケツで眉毛をくまなくなぞり続ける、といういつもの「記憶回復法」のおかげで、ようやく答えを思い出せそうになっていたところへ、いきなりの甲高い声だ。
俺は額に皺を寄せた。
なんだよ、思い出せそうだった保元の乱の首謀者の名前、吹っ飛んだじゃねえかよ!
思わず非難のまなざしを向けると、そこにはクラス一の秀才、木下が、仁王立ちで窓の外を指さしている。
おいおい、お前かよ!てか、分かってんのか?今、テスト中だぞ!?
よりにもよって、クラスで誰より「バカなマネ」をしそうにない男がしでかした「あり得ない失態」だ。だから、試験監督のミヤセンも、ちょっと戸惑ったんだろうな、
「こら木下、今はテスト中だ。キミともあろうモノが、一体なにを……」
と、注意の声にもいつもの迫力と怒気が全く感じられなかった。
だからってわけじゃないけど、
「でも先生、だって、あれ……」
なんと木下のヤツ、ミヤセンに口答えしやがった。
いつもびくびくと先生の顔色をうかがい、万が一注意なんてされようものならすぐにしょぼんと小さくなる、小心者優等生代表の木下が、だぜ。
それで、俺も含めたクラス全員が悟ったんだ。
こりゃあ、外であり得ないことが起こってるに違いないって。
ざわつくクラスをウザそうに一瞥すると、ミヤセン、一つため息をつき、
「静かに!何度も言うが、テスト中だ!」
と一喝。
オレ達が怯んだスキに、
「一体なにがあったって言うんだ?まった……」
窓の外、木下が指さす方を見た瞬間、言葉を失い、棒立ちになった。
こうなったら、もう止まらない。
俺たちは先を争って窓際に走り寄り、目をこらす。
と。
そこには、渡り廊下のど真ん中の屋根の上、スカートを風になびかせながら、一人の女の子が、すくっと立っていたんだ。
□ □ □ □ □ □
私立R学園高等学校。
厳しい受験戦争を勝ち抜いてきた秀才・才女が集う――と世間一般には思われている――私立進学校だ。
ここは、よく似た4階建ての四角い建物が2棟、北と南に並び、それぞれの両端近く、階段がある位置に合わせて、二本の渡り廊下がつないでいるという造りになっている。渡り廊下は二階、三階もあり、昼休みにはパン売り場になったり、文化祭の時にはさまざまなパネル展示がされたりもする。校舎自体も、渡り廊下も、その屋上に出るための扉はあるが、ろくに危険防止措置がされていないため、普段は施錠されている。けれど、渡り廊下は南北の校舎より1階分低いので、その気になれば、3階と4階の間の踊り場の窓から飛び降り、屋上に出ることができる(そんなバカなこと、普通は誰もやらないけれど)。
というわけで、私は渡り廊下真ん中の屋上、もう一歩、いや半歩足を踏み出せば中庭めがけて真っ逆さまに落下する位置に立っていた。
縁にはフェンスはおろか、ちょっとした柵すらない。そのせいもあるのか、やさしい、ふわりとした風にあおられるだけで、普段よりも大きく体があおられる気がする。
気をつけないと。気を強く持たないと。
自分に言い聞かせ、改めて、砂埃でじゃりじゃりするコンクリートむき出しの屋上を、しっかりと踏みしめる。
そして、大きく深呼吸した。
こうするしかないんだ、こうするしかないんだ、こうするしか、こうするしか、こうしなきゃいけないんだ、こうしなきゃ、こうしなきゃ!
目をつぶったまま何度かすがるように同じ言葉を口にし……やがて、目をかっと見開くと、スカートのホックに指をかけた。
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「おい!おい!あの子、なんか変な動きしてるぞ!?」
皆同じ光景を目にしているのだから、いちいち言わなくったって分かるしと、ややうざったく思いながら、なおも俺は、渡り廊下の屋上に立ったまま、腰に手を当ててもぞもぞと動かす女の子を、じっと見守っていた。
次の瞬間、タイミングを合わせたみたく、学校全体が「おお~っ!」とどよめく。
腰の位置にあったスカートをくりくり回すようにしてケツから下ろし、さらに膝下まで引き下げたところで、やや高く上げた膝を片方ずつ足踏みするように後ろにずらし……気がつけば、彼女、スカートを全部脱いでいたんだ。
「あれ……原宮じゃね?2年4組の」
誰かが、押し殺したような声でささやく。
原宮?あの、大人気有名女子の?まさか!?
驚いてもう一度、渡り廊下の上の女子を、じっくり観察する。
シャツの裾からすっと伸びる太ももの白さがまぶしい――じゃなくて。
確かに原宮だった。
ここからだと距離がありすぎてよく見えないけど、でも、両耳がはっきり見えるほどに短い、やや栗色がかったあの髪と、くっきりした太い眉毛は、他の誰かと見間違えるはずもない。
女子の中でもひときわ明るく、男女共に友達が多くて、休み時間はいつも周りにワイワイと明るい人垣ができている、クラスの――学年の中心的女子。思いやりがあってボランティア活動などにも熱心、困っている人がいれば必ず助け、絶大な人望を集める、クラス委員常連の、ショートカットと笑顔がよく似合う女の子。そのくせ奥手で、男女ともに高校生活ではつきものの下ネタ話がはじまると、耳まで真っ赤になってその場から逃げだす純情娘。
その原宮が、露出した太ももを隠そうともせず、渡り廊下の屋上、学園の全生徒、全教師の前にまっすぐ立っているのである。
どうしたんだ?一体、なにがあったってんだよ……
部長会や体育祭準備委員会などで何度か一緒になり、それなりに言葉を交わすことの多かった――そして、学校の男子の大部分と同じく、ひそかに彼女に憧れていた――俺は、顔をこわばらせ、それでも目を離すことができず、ひたすら彼女をじっと見つめ続けていたんだ。
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R学園高校では、採光の問題からか、全ての教室が校舎の南側にある。
だから、南校舎は廊下が、北校舎では教室が中庭に面していることになる。
今、南校舎の廊下の窓には下級生――一、二年生が鈴なりになり、そして北校舎の教室では、クラスメートを含めた同学年のほぼ全員が開いた窓から身を乗り出すようにして、食い入るように自分を見つめている。
それはそうだろう。
たとえ自分が学年で一番目立たないとか、一番太っているとかいう女子だったとしても、立ち入り禁止の渡り廊下の屋根の上、それも、期末テストの真っ最中にスカートを脱ぎ捨て、仁王立ちに立っているとなれば、興味本位で注目しないはずはない。
まして自分は、自分で言うのもなんだけれど、かなり容姿とスタイルに恵まれ、ただ町を歩いているだけでも、多くの男が振り返り、ガン見してくる。その上――自分ではそんなふうに思ったことないけど――性格もよく、面倒見もよく、話してて面白いとくる。学校内の人気を二分する、超人気女子の一人だ。その私が、こんな真似をしているのだから、誰もが注目しないはずがない。
1階にある職員室からは、既に窓から幾人もの先生が中庭におり、皆一様に痛々しげな表情を浮かべ、私を見つめている。かすかにドタバタと走り回る音も聞こえてくるから、きっと間もなく先生が数人、北校舎西階段の、3階と4階の間の踊り場――私が渡り廊下へととびおりた窓がある踊り場に、脚立を持って現れるに違いない。
それまでに、次の行動を起こさなくては。
でも……できるの、私に?
今でももう恥ずかしいのに、これ以上となれば、恥ずかしすぎて、きっと、立っていられない……。
そう思いかけたところで、私は小さく頭を振った。
いや、できるかできないかじゃない。やらなきゃいけないんだ。
顔を上げると、きっと目をつり上げ、目を丸くしたまま私を注視する生徒達一人一人の顔をにらみつけるように、ぐるりと周囲を見回す。
他にどうしようもない。やるしかない、やるしかないんだ。やるよりほかない、やるよりほか、どうしようもないんだっ!
体の内側から響く声に操られるかのように、私は両手をすうっと持ち上げ、胸元に当てた。
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「おい!おいおいおい!ちょっと!ボタン!シャツのボタン外してる!」
またもや誰かが、「いらない実況」の声を上げた。
先ほどの「変な動きしてる!」の時より、さらに大きく甲高い、混乱と恐怖を感じさせる声だ。
なんでそんなふうに感じたかっていうと、俺自身、なんで原宮がそんなことするのか理解不能すぎて、なんだか怖い、と思ってたからだ。
けど、怯えてるのに彼女から目を離すことができない。
多分、全校生徒が同じ気持ちだったんじゃないかと思う。
皆が発する視線に体中を貫かれているっていうのに、原宮はそんなことまるで気にしてないって感じで、ゆっくりだけど着実に、胸元からボタンを外していく。
とうとう最後のボタンを外し終わり、シャツの前がだらりと開いた。
そのすき間から、腕や脚よりもっと白い、あまりに白すぎて透き通っているように見える肌と、胸と腰を頼りなく覆う、輝くほどに白い布地が、目を突き刺す。
原宮本人から特別に許可された人間以外、決して目にしてはいけないはずの部位を自分が目にしているのだ、と思うと、胸の奥底から罪悪感が思ってもみなかった強さで突き上げ、俺は知らないうち、泣き出す直前のような顔になる。
けど、原宮はまだ止まらない。
シャツの両裾をそれぞれ手でつかむと、精一杯胸をはるようにして、一気にはだけ……そのまま脱ぎ捨てた。
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学校中を沈黙が支配していた。
先ほどスカートを脱ぎ捨てた時には、校舎が震えるほどのどよめきが立ちのぼったのだが、今度は、誰もが無言だ。
無言のまま、固唾をのんで、ひたすら自分を見つめている。
風がちょっとくすぐったいな……あ、パンツ、シミとかついてないよね?
五月の空は青く高く、時折白いもこもことした雲がゆっくりと横切っていく。
ブラにパンツ、靴下と上履きという「シンプル」な格好でその心地よい空の下に立っていると、今自分がやっていることや、置かれている状況などもすべて、青い永遠に吸い込まれてしまう気がする。
おかげで、悲鳴を上げて体を隠し、座り込みたいという強い衝動も、やり過ごすことができ、背筋を伸ばして、堂々と立ったままでいられる。
まだかな……やっぱり、「次」までいかなきゃいけないのかな……。
それを思うと、やっぱり気が重い。
今ならまだ、真夏の砂浜でならいくらでも見かける子達と大して露出度は変わらない。けれど、「次」の段階までいくなら――いかなければならないなら、話は違ってくる。
でも、それでも、やらなきゃ。やらなきゃどうしようもないんだから……!
そこへ。
「おい、原宮くん!何をしているんだ!今すぐこちらへ来るんだ!」
ややうわずった野太い声が、真横から聞こえてきた。
倉庫から脚立を持ち出し、踊り場の窓の桟にかけ、ようやく教師が一人、渡り廊下の屋上にたどり着いたらしい。
耳慣れない声からして、普段接点のない、スポーツクラス担当の体育教師の一人、といったところか。
声をかけても一切反応せず、立ち尽くしたまま空を見上げている自分に業を煮やしたのか、教師は「さあ、バカなことはやめて、早く一緒に……」などと口にしながら、こちらに向かって一歩、足を踏み出す。
私は大きく息を吸い込み、ぐっと腹筋に力を入れた。
「来ないで!」
教師は二歩目を踏み出したところで、凍りついたように足を止めた。
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「来ないでください!来たら、ここから飛び降ります!」
原宮の凜とした声に、彼女を保護しようとしていた教師――たしか、清水とかいうヤツで、バレー部かなにかの顧問だったはずだ――は目をひんむいて立ち止まった。
これからどうすればよいか分からないのか、清水は立ち止まったまま、助けを求めるようにあっちを見、こっちを見している。
顧問がこんな煮え切らないヤツだから、ウチの学校のバレー部、弱いんだよな……
そんなことを考えながら、あきれた目線を送ったのを最後に、俺は再び、原宮に目を向けた。
原宮は、ボーイッシュで男勝りでうぶな性格に反して、かなりなナイスバディに違いない……と思っていた。
制服を着ててもはっきり分かるぐらい、胸の盛り上がりはすごいし、そのくせ腕とか脚とかはきゃしゃで、余計な肉もついていない。だから、脱いだらきっと、グラビアアイドルも真っ青、アニメのヒロインのようなプロポーションをしているに違いないと、男子の間で大真面目に噂されていた。
けど、こうして実際に生まれたままに近い姿を目撃すると、その手や足の大きさに比べ、腕や脚は心細くなるほど細く長過ぎる感じだ。ブラに包まれた胸も、かろうじてふくらんでいるかな、といった程度にしか見えず、腰も尻も、頼りないぐらいに細い。アニメヒロインどころか、グラビアアイドルにも全く手が届いていない……ようやく「女」という種族に仲間入りしかけたばかりといった感じの、アンバランスでひ弱な印象だ。
まだまだ未発達なその体の線が分かる姿で、青空を背景にただ一人ぽつんと立っているのをみていると、なんだかただただ痛々しくて、思わず顔がひしゃげ、目に涙が浮かびそうになる。それでも――いや、それだからこそ、彼女から目を離すことができない。
と。
虚空に視線を向けたまま、原宮はゆっくり、流れるような動きで両手を背中に回し……次の瞬間、まっすぐだったブラの肩紐がくたりと力を失い、それまで肌に密着していたカップが、わずかに浮き上がった。
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諦めにも、悲鳴にも似たため息のようなどよめきが、押し包むように響いてくる。
非難してる?それとも……心配してくれてるの?もしそうなら、ありがと。でも、仕方がないんだ。こうするしかない。こうでもして、最後までみんなの目を引きつけておかないといけないんだ……。
背中でブラを支えていた両手の指をゆっくり放し、そのまま胸の前へ。ややうつむき加減になり、肩紐がずり落ちるに任せる。
再び背筋を伸ばすと、ブラは、胸の前にかかげた両手にだらりともたれかかっているだけとなった。
後はこのまま、ゆっくり両手を下ろすだけ……そこまでいかなきゃいけないの?いや、いかなきゃ。間に合わないんだったら仕方ないもの。他にどうしようもないんだ、仕方ないんだから……。
心の奥でカチリと音がしたように感じた。
それを合図に、両手が、自分の意志とは関係なく、ゆっくり下方へと動き出す。
ああ……間に合わなかった……。
その瞬間。
「原宮!」
聞き慣れた声が至近距離で耳を震わせ、バサッとやや重いなにかが両肩にかぶさる。
「先生……!」
安心のあまり、思わずその場にくずおれ、かぶせられた上着をぎゅっと押さえるのと同時に、自分の体自体も宮田先生にぎゅっと抱きしめられる。
「全てうまくいった。もう大丈夫だ」
耳元でそうささやく声を聞いて、私はようやく、こわばっていた頬にうっすら笑顔を浮かべ、全身の力を抜いて、先生にもたれかかった。
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理事会とPTAが全力で走り回り、影響力を発揮しまくって情報を押さえたため、この「事件」は、警察にもマスコミにも漏れることはなく、どうにか学校の名誉は守られた。
とはいえ、在学中の生徒が――それも、成績優秀で先生方からの覚えめでたい、将来を嘱望される生徒が、このようなことをしでかしたインパクトは大きく、理事会は早速秘密裏に調査委員会を設置し、その原因究明に乗り出す。
そこで分かったのが、当時校長であったY氏(退職済み)と数人の女生徒との間の「不適切な関係」だった。
大学への推薦や、成績の水増しなどをエサに女生徒に無理矢理関係を迫り、うまくいけばそのことをネタに脅し、更なる関係を迫る。断る生徒に対しては逆に推薦から外す、成績を落としてやるなどと脅し、なにがなんでも関係を求める。
そういった手段で何人もの女生徒を思うがままに操り、不適切な関係を結んでいたのである。
今回事件を起こしたHさんも、Y氏に狙われたうちの一人で、絶対に関係を結びたくない、と強く断られた腹いせに、「全校生徒の前でストリップするなら許してやる」などといったメールを送りつけられていたことが判明した。
なお、Y氏本人は調査委員会の尋問に対し「複数の女子生徒と関係を持ったことは事実だが、全て合意の上での関係で、脅したりすることはなかった」などと供述していたが、個人所有のパソコンやスマートフォンから嫌がる生徒と無理矢理関係に及んだと思われる多くの写真や、明らかに脅迫と思われる内容のメッセージ等が数多く発見されたため、後にその供述を撤回している。
また、Y氏と不適切な関係にあった女生徒の一人であるS(退学済み)は、成績の水増しによって不当な推薦を受けていた上、他の生徒に対しY氏との関係を強要し、断る生徒に対してはイジメや嫌がらせを繰り返していたことが判明した。
こちらも尋問に対し「セーセキ上げてもらったこととかスイセンもらったのはホントだし、他のコも紹介したけど、イジメやイヤガラセなんてしてねえって!」などと供述していたが、弁護士同伴のもと、証拠となるSNSメッセージのコピーや録音データ等を示したところ、ようやく自分の行動の意味合いを理解したらしく、こちらも供述を撤回した。
主犯格二人に対しては、刑事告訴及び民事告訴を控える代わりに懲戒解雇、退学という厳重な処罰がくだされ、S以外にY氏と不適切な関係にあった女生徒数人に対しても一ヶ月の停学と推薦取り消しという処分が下された。一方で、Y氏やSからの脅し、嫌がらせにも屈せず、今回勇気ある行動によって学内のゆがみを告発したHさんに対しては、事件後心身に不調がみられたため、しばらくの間休学、療養に専念してもらった。
幸いにも不調は一過性のものであったようで、現在は体調も戻り、学校にも復学。年末に控えた推薦入試合格を目指し、日夜忙しい毎日を送っている。
調査委員会は、今後このような不祥事が二度と起こらないよう、学内に業務監査役を新たに設置し、未然に不正を防ぎ、健全かつ公正な学校運営が継続できる体制を早急に構築するよう強く進言する、という形で調査報告書を終えている。
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原宮は今日も元気に登校し、仲のいい友達とつるんで、キャアキャアと笑っていた。その姿からは、あんなことなんかまるでなかったかのようにさえ思えてくる。
エロ校長やイヤミ女の斉藤が学校からいなくなったのは、全部アイツのおかげだ。
うぶで、そっち系の経験どころか、話さえも全部ダメ、っていうアイツが勇気を出して、ああいう事件を起こしてくれたおかげで、学校に寄生していたクソどもはみんな消えて、すっきり清潔、すげえ風通しがよくなった。
やっぱりアイツはすごい。同級生だけど、俺、マジで尊敬する。
ホント、まぶしいよ。