ep3「戦闘!陰野くん!①」
遂に始まった初戦闘。
存在感を消す能力だけで勝つことが出来るのか。
「能力が存在感を消す能力?」
「いやこんなん詰みやんけ」
でも存在感を消して近づけばワンチャン.....あるか?
「てかこの能力どうやって確かめればいいんだ?」
リリーのような"触る”など直接的なモノは確かめるのが簡単だろう。
しかし陰野の能力はかなり曖昧なモノだ。存在感を消すというのは人から見たモノだとしたら、
この部屋には陰野一人なのでその能力を確かめられない。
「てかずっとタイマーが動いてるけどあと2時間で試合って事か?」
「.....一応なんか筋トレしとこ」※彼はバカです。
2時間後
ビーッッッッッ [試合の時間です。参加者は扉からフィールドへ向かってください。]
タイマーが鳴り響くすると突然部屋に妙な扉が現れた。
「....いよいよか。この能力でどう勝つかな」
陰野は覚悟を決め扉を開け中に入った。
そこには広めのオフィス?があった。入ると扉は突然消えた。
そして向かい側には会社員と思われるスーツを着た弱気そうな男が同じように扉から入ってきた。
そしてアナウンスがなる
[一対一。陰野vs吉原での試合を開始します]
[レディー...!ファイト!]
「いよいよか。よし...!やってやるよ」
すると相手の会社員も口をひらいた。
「あ、あの....。ま、負けてください!」
「.....は?」
「いや..あの...調子乗ってる訳じゃないんですけど。僕の能力じゃ..あの人が死んでしまうかもしれないし
僕も死にたくないし....!」
「いやそれは理不尽だろ。俺も負ける気はないよ」
「チックソガキ..!調子乗りやがって....!」
「急にテンション変わるやん。情緒不安定か」
「お、オラァ!」ポチッ
吉原はボタンを押した。すると吉原の手には金属バットが現れた。
「急に...!?バット?」
(相手の能力はバットを出し入れする能力か?こちらに武器はない...けど!」
ポチッ!
陰野もスイッチを押した。
(これで存在感が消えるのか...?)
陰野はゆっくり近づく。
「!あいつどこに消えた?」
(!すごい本当に消えているのか!)
「おーい。吉原さん。こっちだよー」
「ヒッ!今誰かしゃべったか?!どこだ!」
(相手は気づいてない!勝てる!)
そう思ったと同時に陰野は考える。
(まてよ。このゲームの勝利条件って気絶か死亡だよな。つまりいくらこっちの場所が分からないからといってバット持ってる大人一人を拳だけで気絶させる事が出来るのか?)
陰野は勿論喧嘩などしたこともない。運動はいくらかできるが格闘技をやったことはない。
つまり陰野が安全に勝つ方法は....
(相手のバットを奪う!それなら勝てるかもしれない!)
吉原端午
37歳。B型。男 能力。異空間からバットを出し入れできる能力。出し入れしすぎると鬱になる。
情緒不安定な会社員。感情の起伏が激しいことからよく精神安定剤を持ち歩いている。
最近の趣味はsnsで嘘松をすること。