おっぱいホームズの事件簿05~マッチョがウリの少女~
waterwolf様からのリメイクオーダー「マッチョが売りの少女」
入れ子構造にしてみましたが、いかがでしょう。
「ワトソーン♪メシいこうぜ。メシ」
犬養 柴五郎、又の名をおっぱいホームズが、私を昼食に誘ってくる。そして、いつの間にかワトソンと呼ばれるのに慣れてしまった、私、孫和登子だったりする。
「わかった……わ?」
と、答えようとすると、一人の女子生徒に遮られた。
「ごめんね。ホームズ君、ちょっとワトソンさんに相談したいことがるの」
「姫川さん?」
「げっ演劇部の姫川かよ。もう、俺の股間を蹴らないでくれよ」
「あ、あの時は助かったわ。もう蹴る練習もコリゴリだから、大丈夫」
「ん~そっか、じゃ、俺は凛古風達の邪魔でもしてくるよ」
そう言ってホームズは去って行った。
「また、『紅蹴尿』の時みたいに、ホームズを実験台にするのは、反対だなぁ。こないだ別男子のを蹴りつぶしちゃって、大変だったんだから」(事件簿02参照)
紅蹴尿、それは紅く染まる黄金の水。怒り狂った女子生徒が男子生徒が血尿を流すまで金的蹴りをするという衝撃的なリアル放尿舞台だった。その舞台を見た男は全員……股間を押さえて震えあがったという。
「前のとき教えてもらった内臓破裂直前の力加減は、本当に参考になったわ」
「ホームズが悶絶してたけどね。ちゃんと、エアーサロンパスかけて治療しといたわ。凄く沁みるらしいけど」
「そこまで虐待して……よく別れ話が出ないわね。紅蹴尿の男役なんて、部活辞めちゃったわよ。男はやめなくて済んだみたいだけど、私の姿を見ただけで、奥歯をガチガチいわせて、股間を押さえて震えるようになっちゃったのよ。実質、廃人ね」
「科学部の凛古風部長なんて、彼女の葵さんにスタンガン当てられたり燃やされたりしてるし。こんなもんじゃない?」
「悪い例を見過ぎて、麻痺してると思うわ」
ホームズが痛めつけられてる程度なんて、爆殺までされたリンコフに比べたら全然だよね?(事件簿01参照)
「それで、相談って何なの?」
「演劇部の次の演目なんだけどね、こんなの出来そうにないのよ」
「どれどれ?」
私は舞台用のシナリオを姫川さんから拝借する。
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『マッチョがウリの少女』
2020年の12月下旬は、とても寒い日でした。
そんな寒い日の街中を、少女がカゴにプロテインを詰めて、売り歩いています。
「マッチョ、マッチョになりませんかぁー。プロテインいかがですかぁー」
今年は新型コロナの影響で、少女の両親が経営するフィットネスジムからお客さんがほとんどいなくなってしまい、ジムは倒産しました。
少女は、自慢の筋肉をアピールしながら、ジムの在庫のプロテインを大カゴに詰めて売り歩いています。
さがしても、さがしても、プロテインを欲しがるお客さんはみつかりません。
「っつたっく、一人一人に勧めても、プロテイン欲しがる客なんて、そうそういねーんだよなぁ」
ほとんどが筋肉となった頭蓋骨の中身で、彼女は必死に考えました。
「そうだ、私が、注目されたら、いいんじゃねーか?」
少女は上着を脱ぎ、自慢の筋肉を、ビクンビクンと動かします。
フロントダブルバイセップス
フロントラットスプレット
サイドチェスト
バックダブルバイセップス
バックラットスプレット
サイドトライセップス
「す、すげーよ、あの娘」
「筋肉わっしょい」
マッチョ少女の筋肉ポージングにつられ、人々がわらわらと寄ってきました。
「クリスマスは、筋肉だぁーッ。モストマスキュラー!」
最高の筋肉ポージングを決めてから
「プロテイン飲もうよ。」
と、少女が勧めたら。
カゴの中のプロテインは、どんどん売れて、なくなってしまいました。
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……酷いシナリオだ。小説家になろう企画の「冬の童話」下位ランキング作品みたいな童話だ。実際にそうっだったと、天から作者の声が聞こえる。
「ナニ?コレ?演劇?」
「もう、ほとんど、ボディービルの舞台ね。女子ボディービル部の北島さんに頼むつもりだったんだけどね」
「なら、それで、いいじゃない」
「ダメなのよ。彼女が演劇の舞台に来ると、私の存在を脅かすわ。あの子はダイヤの原石よ。おっ恐ろしい子。って、白目?剥いちゃったもの」
「それで、自分の筋肉で、コレを演じたいと?」
「そうよ。役者がマッチョになるのも、マッチョが役者になるのも、同じようなものだわ」
「凄い理屈ね……でも、まぁ科学部に相談したらどうかしら」
「科学部って、そんなこともしてるの?」
「なんだか、怪しい物ばっかり作ってるわ。今多分ホームズとご飯食べてるんじゃないかなぁ」
「わかったわ。ホームズ君を追いかけましょう」
そうして、私達は、凛古風部長と葵さんのいる科学室に向かった。
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私達が科学部に到着すると、ホームズがしかめっ面で弁当を食べている。
その原因は、
「はぁい、リンコフちゃん。あぁ~ん♪」
「あぁ~ん♪パク。ん~おいちい♪」
凛古風&葵バカップルの扱いに困っていたようだ。
「わ、ワトソン。俺も食べさせて欲しい。あ~、グヘァ」
ホームズが泣きついてきたので、鉄拳を喰らわせてしまった。
「お口の中は、鉄の味……しくしく」
どうやら、口の中を少し切ったようだが、いつものことなので気にしない。
「ほら、そういうトコ治さないと、ホームズ君に愛想尽かされちゃうよわよ」
「ん~。もうコミュニケーションになってるから」
「肉と肉がぶつかるコミュニケーションから血が。今日もベッドの上で。うぎゃ」
アホな事を口走るホームズを蹴り飛ばした。血が出る日はしないっつーの。
「そっか二人はもう、一緒にベッドに入る仲だったんだ。へぇえええええ」
姫川さんにくいつかれた。話題をかえないと。
「それよりホラ。筋肉の話でしょ。」
「そうだった、そうだった。まぁ、私達も昼ご飯食べましょうか」
私達3人は、凛古風&葵バカップルの、あまぁああああい空気に耐えながら、昼食を終えた。
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「と、いうことで。姫川さんをマッチョにして欲しいの」
私は聞いた話を、凛古風&葵の二人に伝える。
「え……と、マッチョになるってことは、柔らかおっぱいが大胸筋になるってことだから、僕の身上としては、チョットできな……」
「ちょうど良い筋肉増強剤の在庫があるわ」
凛古風が答え終わる前に、葵さんが話をかぶせた。
「え?何ソレ?」
「リンコフちゃんが、他のボインに誘惑されたら、その胸を筋肉にしてやろうと思って、準備してあるの」
フフフと黒い笑いを浮かべる葵さんがコワイ。嫉妬深いのよねぇ、この人。見境なくボイン女性と肉体関係を持つ凛古風もかなり問題だけど。
「と、いうことで。解決できますが、柔らかおっぱいが大胸筋になって欲しくないと僕は思っています」
さすが、おっぱい星人の巨乳派筆頭「ボイン帝」と言われているだけある。固いのは嫌のようだ。ペッタンコで柔らかさのない私はどうすりゃいいんだ。
「リンコフ。ぺったんこで柔らかくないのもいいぞぉ~♪」
最悪のタイミングで、ホームズがいらんことを言う。この男は、おっぱい星人貧乳派筆頭「ヒンヌー教皇」と言われるだけでなく、その目に映る女性の胸の大きさを言い当てるという特技を持つ。かつて私の胸もパッド入りを見破られたのだ。
「大きい声で、そんなこと言うのは、このクチかぁ」
とりあえず、私は両手でホームズの両頬をつねって引っ張ってやった。
「ひりょくてき、ひゃっへ、ひっへんひゃよ~」
ちょっと何言っているか全然わかんなぁ~い♪
「いちゃいちゃ、イチャイチャ……バカップル×2め。見せつけてくれちゃって、まぁ」
姫川さんが、ダークサイドである一人身の世界に堕ちようとしていたところ。葵さんが上手く流す。
「私達は、これが通常運転だからゴメンね~。それで、この『筋肉増強剤含有ハイパープロテインMAX』を飲んでみる気はあるの?飲んだら、1週間くらい、ムッキムキのはずよ」
「……ハズ?」
「先週作ったばかりで、治験がまだなのよねぇ」
「僕は、葵ちゃん一筋だからさ♪」
「1週間は持ったけど、1ヶ月になるとどうかしら?治験対象の女性が見つかると思うわぁあああああ」
「…………ひでぶ」
ボインあばんちゅーる活動を控える気はないらしく、黙り込んだ凛古風部長は秘孔電気針の餌食になった。こういうところ正直で憎めないんだなぁ。
「あの?それで、命に別状は?」
秘孔に電気ショックを受けてくたばった凛古風部長は、上手くスルーされた。
「ないわね。個人差とかまでは、わからないのよ。それと、胸の無い人への効果とかも」
チラリを私に視線がくる。
「の、飲んだら、私も胸が大きくなるのかしら」
「大胸筋の急激な発達という意味で、可能性は否定できないわ。元になる脂肪成分を置換して筋肉にするから、正直どうなるかわからないの」
「よ、よせ、ワトソン。っていうか、葵さん、自身で試さないのか」
「そうねぇリンコフちゃんをお仕置きする時に大胸筋たっぷりのパワーでボコボコにしようかしら?」
葵さんの爆乳が、筋肉になったら、パンチを喰らうリンコフ部長は天に召されると思う。
「もう、脱線ばっかり。私、その薬『筋肉増強剤含有ハイパープロテインMAX』?……飲むわ。今回の舞台を成功させたいもの」
「そう。無料提供する代わりに、症状は観察させてもらいわよ」
「わかったわ」
そうして、『筋肉増強剤含有ハイパープロテインMAX』は、姫川さんの手に渡った。
「は、早まるな、、、その前にひと揉み。がはっ」
去っていく姫川さんを止めようとした凛古風部長が葵さんに踏まれていた。
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そうして、月日は過ぎ『マッチョがウリの少女』の舞台の当日になった。
主演女優の姫川さんに声をかけられた。
「え?だれ?」
ムッキムキになっていたので、ちょっと分からなかったのだ。
「この通り、マッチョになったのよ、ホホホホーーーっ」
ビクン、ビクンと、全身の筋肉が躍っていた。もちろん、胸も。
「薬は、思った通りの性能のようね……こらぁ、リンコフちゃんったら」
「おっぱいは、僕の手で動かすのがいいんだい……」
すこし離れたところで、凛古風が、葵さんの、おっぱいを揉んでいた。いい加減、公序良俗違反で、怒られると思う。
「すげーなー、ムッキムキだなぁ。胸も大きくなったんじゃないかなぁ」
呑気な感想を述べるホームズ。
「私も飲んでみようかしら」
「……大きくなるから、ヤメテ」
ヒンヌー教皇はブレないのであった。
「もうすぐ、開演時間だ。行こうワトソン」
そうして、ホームズに私は手をひかれて、演劇が開催される講堂へと移動して、着席する。
開演され演劇の最中。
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フロントダブルバイセップス
フロントラットスプレット
サイドチェスト
バックダブルバイセップス
バックラットスプレット
サイドトライセップス
…………
「う、うぅ」
ドサリ。
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姫川さんが苦しみだして、倒れた。
「葵ちゃん。脳味噌って……約60%が脂肪分なんだけど」
「……あっ、私やらかしたわ」
後ろに座っていた、凛古風&葵さんが不吉なことを言っている。
つまり、脳みそ筋肉ってこと?
「葵ちゃん、いそいで生徒達を避難させようか」
「わかったわ……って、もう遅いわ。リンコフちゃん、観測手をお願い」
葵さんは、手持ちのスタンガンやら何やら物騒な物品をカチャカチャと組み立てはじめた。
狙撃手と観測手だろうか?そして、舞台の上では。
「ウガァアアアアアアアア」
全身をビクビクさせながら、姫川さんだったモノが筋肉モンスターとなって動き出した。
「みんな、落ち着いて退場してくれ。ここはボイン帝とエンプレスが、何とかする」
「「「おおー。押さない、かけない、しゃべらない」」」
よく分からない人望が、この二人にはあるんだけれども、火事の避難訓練かよ。
「敵影接近………、いまだ、撃て」
「目標をセンターに入れて、スイッチ」
葵さんがスタン・ライフルを発射した。
……がしかし、筋肉モンスターの速度は、半端なく、ヒョイっとかわす。
「く、速い。狙撃手を守れ、ワトソン君。一般生徒が犠牲になるぞ」
どこの司令官だよ。って、私、あの筋肉の化け物と戦うのかよ。
「ワトソン、2時方向を蹴って」
ホームズの声がする。とりあえず蹴った。
「がはぁ、私に追いついただと」
そこに、筋肉モンスター元姫川さんがいたのだ。正確には、姫川さんの胸があるのだ。
「俺には、見える、見えるぞ、次に胸がどこに移動するか」
ホームズの神眼が、大きさを見抜くだけでなく、未来予測ができるようになるまで進化したというのだろうか?おっぱい限定だけれども。
「ワトソン、後ろ。跳び後ろ横蹴り」
「オッケー」
尊師のタマタマを蹴り潰した、私の必殺技を放つ。
「ぐほぁ」
本気の蹴りがヒットした。
舞台側に筋肉モンスターを押し返すことができたが、姫川さんには潰すタマタマが存在しない。
「御本尊ワトソン様、バンザーイ♪」
「はやく、逃げろって」
ヒンヌー教徒から声援をもらえた。
「いまだ、ホームズ君、近未来予乳で位置を特定、その後、葵ちゃんのスタン・ライフルを発射」
近未来予知、じゃなくて、近未来予乳、なのね。さすが、ボイン帝www。とか、笑ってる場合じゃなかった。
「3時の方向に、回り込まれる。撃って」
「ターゲット・ロック、発射!」
葵さんのスタン・ライフルが、筋肉モンスターを捕らえた。
「ぎぃいいいい、やぁあああああああ」
断末魔の悲鳴を上げながら、筋肉モンスターがうずくまった。
「今のうちだ、みんな逃げろ」
凛古風が叫ぶ。
「さすが、エンプレス様、わっしょい♪」
ボイン帝国民の生徒が盛り上がっている。
そうして、講堂からの非難が生徒全員完了した頃。
「ウォオオオオオオオオオオオ」
筋肉モンスターが起き上がって走り出した。
ホ「くっそ、回復が早いなヲイ」
リ「避難は完了した、運動場で迎え撃つよ」
ア「了解。次弾、装填完了」
ワ「ホームズ、位置予測」
ホ「オッケー、乳予測」
↑〔ホ:ホームズ リ:凛古風 ア:葵 ワ:私〕
私達4人は、筋肉モンスターをひきつけながら、ドタドタと運動場に移動した。
「あー、はっはっはっは」
筋肉モンスターが高笑いをあげる。
「何がオカシイのよ」
葵さんが、スタン・ライフルを構えた。
「機動力で劣る貴方達が、運動場に誘いこむなんて、おかしくてねぇ」
「……知性がある、だと?脳みそ筋肉じゃないのか?」
「ひゃーひゃひゃひゃ。前人格の脳みそじゃ、筋肉でなくても言わないでしょうね」
「……マッスル・ゴースト現象か、筋肉に人格が宿るという」
「そこまで知ってる貴方は、危険ね。とりあえず、死ね」
筋肉モンスターが凛古風に襲い掛かる。
「危ないっ」
私は凛古風を葵さんの所へ突き飛ばした。
「……貴方、いいわね。薬無しでも、体脂肪率1ケタだなんて。胸は当然ペッタンコだけど」
「ワトソン、9時方向、かわす」
左から、ムキムキの足の蹴りが飛んできた。ホームズの予測が無いとヤラレル。
「へぇええ。かわすんだ。じゃぁ、こうするわね」
「正面だ、ワトソン。ブロック」
私は、腕をクロスさせて、衝撃に耐える……
「ぐわぁ」「きゃぁ」
真後ろにホームズがいて、一緒に吹き飛ばされた。
「ほら、もう一撃」
またくる。カウンターを狙うしか。
「ワトソン、危ない。ひでぶ」
馬鹿ホームズが、敵の一撃と私のカウンターの両方をくらった。
「ほ、ホームズぅううううう」
「さて『目』は、封じたわね。次は、ちぃい。足が」
葵さんが、スタン・ライフルで、モンスターの足を撃っていた。
「よせ、葵ちゃん」
「これで、トドメよ。キャっ」
凛古風の制止もきかずに、葵さんは、筋肉モンスターにトドメを刺そうとする。
しかし、筋肉モンスターは、まだ動ける上半身を駆使して、葵さんを地面に叩きつけた。
その時、空気が震えた。
「よ……よくもっ葵ちゃんを」
凛古風部長が、格闘技の構えをとる。
「逃げて、リンコフ部長、頭脳労働者でしょ」
私は叫ぶが、彼には聞こえない。ホームズは、足元でくたばっている。
「 天の波動
乳の揺動
地の脈動 」
日本舞踊のような武道の型のような、
そんな動きを凛古風が体を駆使して描きはじめる。
「駄目よ、リンコフちゃん。その技はダメ……」
地面から、起き上がった葵さんが叫んだ。
が、凜古風は聞かない。
「天、乳、地。全てのうねりを干渉させ、ラプラス方程式を3次マトリックスとして算出する……」
凛古風は天に右手を掲げて何かを受け取り、左手を下から持ち上げて何かを掬い取った。
「ぐ……筋肉が訴えている。アレはヤバイ」
痺れる足に喝を入れて、必死に逃げようとする、筋肉モンスター。
「逃がさないよ・・・」
すごく、冷たい声を凜古風は発した。
「に、にげ・・・」
「奥義 π動拳ッ!」
その技は、噂でしか聞いたことがなかった。自身手を媒介として、天の波動と地の脈動を、乳の揺動に変換する、ボイン帝の奥義。π動拳。
「ぐ、ぐぉおおお。私の胸が、筋肉で制御できない。ああ、揺れ動く。限界まで」
動き回る胸に悶え苦しむ、筋肉モンスター元姫川さん。
「俺のこの手が掴んで揺らす、お乳を触れと轟きさけぶ……。
ひぃいいいいさつ、パイピング・フィンガァアアアーーーーッ」
必殺技っぽいことを凛古風は言っているが、動きに合わせて揉んでいるだけのようだ。
「ヒィイイイイト・エンド」
……どういう原理か良く分からないが、おっぱいが爆発した。
「ワトソンさん、葵ちゃん。わるいけど。皮膚関係を集めて、姫川さんを病院に連れってってください。僕は少し休みます」
そうして、力尽きた凛古風は、横になった。
ゲシっ
凛古風に蹴りを入れる葵さん。
「あの、揉みしだく技は、駄目って言ったじゃない」
「あ、あの……とりあえず、姫川さんを」
「しょうがないわね」
葵さんがスマホで連絡をするやいなや、篠田技研と書かれたワンボックスの車がやってきて、
、飛び散った胸の肉片と皮を回収し、倒れている姫川さん担架に乗せて運んでいった。ワンボックスの車は、どこかの施設へ姫川さんを運んでいくのだろう。あの時みたいに(事件簿02参照)
そうして、私が、グランドから校舎を見ると。
「御本尊ワトソン様、バンザーイ♪」
「エンプレス様、わっしょい♪」
「ボイン帝♪あっそれ♪ボイン帝♪」
戦闘を見ていた生徒達が、勝利に盛り上がっていた。
「俺、頑張ったんだけどなぁ」
意識を取り戻した、ホームズがぼやく。
「現場にいた私達は、アンタの活躍をしってるわよ。ほら、私は葵さんに肩を貸すから、凛古風部長を運んであげて」
「へいへい…」
ホームズが、凛古風を抱き上げると。
「きゃー、りん×ほむ よ~。腐女子からの歓声が沸いた」
「捨てていこうかな。コイツ」
ホームズがそう言うと。
「覚悟はできてるの?」
葵さんが、何か(多分、武器)をホームズに突き付けていた。
とりあえず、学校の平和は保たれた……と、私は思う。
「乳神様。2人目が覚醒しましたな。1人目も次の段階に進んだようです」
「神眼の次か」
「が、しかし、2人目は才なき身を、計算づくで神の領域に踏み込んだようなものですが」
「くっくっく、面白いではないか。神眼が愛と欲望を備えた天才ならば、2人目は怒りと憎悪でヒトたる知能の臨界をもって我らの領域に踏み込むとはな。愉快、愉快」
そんな話が、天界でされているとか何とか?