悪役令嬢による下剋上奇譚（前半）と悪役令嬢の復讐奇譚（後半）

64 アスリート2

「クックックッ」

嗤い声のした方を見ると特待生の男子生徒が嗤っていましたわ

「なによっ！」

絢子さんが怒りましたわ

「冷泉院さんは何もしないようだよ？」

あえて絢子さんの問いには答えずに自分の意見を主張して主導権を獲ろうとしましたわ

むむっ

できますわ

＜キラーン＞

雪子（わたし）の中で何かがはじけましたわ

悪役令嬢モード覚醒？！

「な、なによっ！」

先手を盗られて狼狽する絢子さん

「冷泉院さんは怒ってないように見える

その態度を見ると待ちかな？」

コールドリーディングね

男子生徒の行動を見抜きましたわ

悪役令嬢モードになった雪子（わたくし）の知力は300％アップ＠当社比、でしてよ

さしずめゴールデン雪子ですわ

「相手に合わせてその都度戦力を出すのは愚の骨頂

相手の戦力を見極めたのち「せん滅ですわ」・・・その通り」

男子生徒が謳うように自分のセリフを言っていたので最後の部分を先取りして言いましたわ

男子生徒は一瞬驚いたもののすぐに元に戻りましたわ

さすが学年2位の特待生

頭の回転が速いですわ

将来の東大王かしら？

でも悪役令嬢（わたくし）も負けていなくてよ？

「お父様は何も言われなかったので、いい機会だから「膿を出し切ろう」・・というわけですわ」

逆に男子生徒に後ろのセリフを盗られましたわ

やられたからやりかえす

祝砲返しとはやりますわ

「つまりは準備が終わるまでなにもするな、というわけさ」

男子生徒が自分のセリフを言いきると驚きの視線を雪子（わたくし）に向けてきましたわ

さしずめ、自分のセリフを獲ると思っていたのに盗らなかったことに驚いた？

そんな所かしら

雪子（わたくし）は顎をクイッとして続きを言うように促しましたわ

自分の実力を見せろという意図をしっかりと受け取った男子生徒　～名前はたしか白瀬くん～　は続きを言った

「教室には特待生のアスリートもいる

そんなスパイが居る中で喋ったということはバレ手も仕方がない？

いや違うな、

バレることによる分裂を狙っているかな？

忠誠がるかどうかを見ているかな？

どっちみち破滅するけど最大限の利益を得ようとする？」

雪子（わたくし）の方をチラチラ見ながら白瀬くんが話していますわ

わたくしの反応をみて会話を進める？

さしずめコードリーディング・フラッシュ、かしら？

ホームズまっ青ですわ