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60 新型シューズを譲られました

「おかしいですわ」


冷泉院さんが頭を傾げています



本人は必至で悩んでいますが本職アスリートからすると思いっきり勘違いをしています


ですから思わず言ってしまいました




「(あなたは)間違っていますよ」


<シーン>


空気が凍りました





クラスメートからは『どうしてくれるんだ』といった目で見られました


どうやら私は失敗したようです






はじめまして、ではなく、ごきげんよう


中沢勇です


高校から入学の陸上の特待生です


未だにセレブの挨拶はなれません




いままで挨拶といえば


こんちはッす


ザーッす


とか思いっきり体育会系でしたから



慣れるのには時間がかかりますね


私はガサツですからね





こほん


ここからは(エセ)セレブモードです





今は体育の時間です


種目は短距離走です


100mのタイムを計っています





そこで冷泉院さんはあのシューズを履いていました


履くだけで早くなるというドピンクのヤツですね


世界陸連からもそのうち禁止されるかもという逸品です





でも残念なことに冷泉院さんのタイムは全然よくなりませんでした


そこで「おかしい」を連発していました





そりゃそうです


反発力を強化するものですからね


足の力が強くないと効果がありません



早い話、足の筋力が強い男子限定というわけです






そう言うと


<ガーン>


っと世界が滅んだような顔をしていました


まあ、ある意味、世界じぶんにつごうのよいストーリーが滅んだようなものですから当然ですね





「女子には無駄なものでしたわ」


悲しげに言うのでつい絆されて言ってしまいました


「私のように足の力が強ければ女子でも効果がある」






無謀だったのかもしれない


無茶だったのかもしれない


でも無駄ではなかった


だってこれから足の筋肉を付ければ良いのだから





目標が出来ればそれに向かって走り出せば良い


努力すればいつかはたどり着く


脳みそまで筋肉で出来ていると言われる私の言葉に



「それはちょっと・・・」


とやんわりと拒絶されました






おまけに


「足が太くなるのでお誘いはなしということで・・・」


あのドピンクのスペシャルなシューズが献上されてきました





「使い古しですみませんが」


と恐縮されましたが全然問題ありません





セレブなら気にして履かないでしょう


でも自他ともに認める脳筋わたしには


「なにそれ?おいしいの」


です


人の食べているアイスを一口貰うのだってウエルカム


物欲と食欲の前にはなんの障害もありません




いや靴は食べないですけどね


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