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58 クリーニングは大変なんですよ

「おじちゃん、急ぎでお願いします!」


両手一杯に洋服を抱えて飛び込んできた




「おうまかせておけ!」


返事が終わることにはすでに店を飛び出していた




変われば変わるものだ


そう思った




ちょっと前までは寂れた商店街だった


シャッターを下ろしている店が多いといういまどきの風景だ



昔は活気があった


土日どころか平日の夕方でも人が一杯だった




小さい子供と手を繋いで夕飯の買い物をする主婦


学校帰りに参考書を買う学生


買い食いをする大学生


多くの人が買い物に押しかけていた




うちはクリーニング屋なので旦那の背広やらコートをクリーニングに出すとか


冬物のセーターとか家で洗濯できないものを持ちこまれるとかだったな



季節の変わり目は朝から晩まで忙しく働いた



ところがスーパーが至る所に出来始めると商店街から人が徐々に減り始めた


大規模商業施設と呼ばれる駐車場付きの巨大ビルが建つと人がほとんど来なくなった


そして今ではほとんどの店が閉店した





・・・まあそんな大型商業施設もネット通販で潰れる昨今、因果応報だな




ところがここにきて急に商店街に活気が戻ってきた


近所の洋服店に人が集まり始めたのだ



以前は洋服を売る店だった


いまでは洋服を貸し出す店になった


時代は変われば変わるものだ




洋服を貸し出すとなれば当然、選択が必要になる


そこでクリーニングうちの出番になった



洋服を痛めることなく汚れだけを落とす


それだけでなく他人が着た洋服を綺麗にする証明みたいなものだ


おかげで土日になるとひっきりなしに洋服が持ち込まれる


綺麗になった途端、次の人に貸し出すそうだ





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