26 モンブランを独占ですわ
「モンブランを買い占めてネットで売る人達がいるんだよね・・・」
苺が悲しげに言っていますわ
・・・わたくしにどうしろというのでしょう?
悪役令嬢にヒロインを助けるなんて選択肢はありませんことよ?
どちらかというと目の前から抹殺したいですわ
目の前のヒロインがいなくなれば悪役令嬢の未来はバラ色ですもの
・・・ファロット一族かゴルゴ13さんの連絡先はどちらかしら?
ごきげんよう
冷泉院雪子ですわ
現在、苺にお見送られ中ですわ
今日は日曜なので苺のお家でおよばれしましたわ
別名、新作スイーツ試食会
なぜだか名誉店長になっていましてよ
おかげで販売前のスイーツが食べ放題でしたわ
おまけに食べたあとに毒(舌)を吐くと苺とパパに喜ばれる始末
・・・こうして悪役令嬢に成って行くのですわ、と内心涙しましたわ
苺はどうやってもわたくしを悪役令嬢にしたいようですわ
たしか食べ過ぎると死んでしまう食材がありましたわ
一服盛ってみたいですわ
いやしないですわ
悪役令嬢のフラグは立てないのが一番ですもの
ストップザ悪役令嬢
わたくし必死でしてよ?
夕方になりわたくしのお迎えの車 ~商店街の外れで待機中~ まで付き合ってくれてくださっているのですわ
暮れなずむ街の光と陰の中、苺がポツリと言ったのですわ
転売ヤーがウザイ(意訳)
・・・絶対に相談する相手を間違えていましてよ?
わたくしはどちらかというと
ブッ壊し屋の雪子ちゃん
あるいは
クラッシャー雪子
ですわ
(嫌ですが)悪役令嬢ですもの
絶対に青色のタヌキのゴーレムや小太りの発明家の博士ではありませんわ
当然ことながら返事は
「問題があるなら(売るのを)止めればよいのですわ」
一択ですわ
余ったものはわたくしがお買い上げしても良ろしくてよ
・・・冗談で言ってみたのですがグットアイデアですわ
アレを独占できるなんて夢のようですわ
そんなことを思っていると苺は目を見開いていましたわ
・・・どんびきかしら?
ひょっとして苺の天敵の悪役令嬢になっている?
そして自動的に断罪イベントが始まった?
ガクガクブルブル
全身が震え、嫌な汗が出てきましたわ
・・・と思っていたら苺がいきなりわたくしの手を両手で握ってきましたわ
<ブンブンブン>
手を凄い勢いで上下にシェイクされましたわ
「そうね、そうだよね!」
満面の笑顔で返事が返ってきましたわ
・・・どうやら正解だったようですわ
これで悪役令嬢は脱却、かしら?




