24 白霧牧場を買ってみましたわ
モー
牛さんの鳴き声がどこからか聞こえてくるという、のどかな風景が広がっていますわ
良い牧場が買えて嬉しいですわ
ごきげんよう
冷泉院雪子ですわ
現在、わたくしが所有する白霧牧場にいるのですわ
悪役令嬢といえば断罪
断罪といえば庶民への転落
つまりはお家とお金がなくなるという訳ですわ
そうなった時のためにわたくしはポケットマネーで牧場を買ってみたのですわ
もしものための避難先ですわ
人間住むところとお仕事があれば生きていけるのですわ
もちろん没落した時に没収されないように所有権については色々と配慮しましてよ?
法律は守るためにあるのではありませんわ
破るためにあるのですわ
自分に有利な状況を勝ち取るための便利な道具でしてよ?
そこそこ家からも近くて、静かで、汚染がない条件で探しましたわ
令和になるとイロイロな所が潰れまくりですわ
ですから丁度わたくしのポケットマネーで買えた上、有望な牧場を見つけましたわ
・・・条件に合う牧場が結構あったのには驚きましたわ
この国が末期なのを実感しましたわ
当然買ったからには将来的に住めるように整備が必要ですわ
ついでにお仕事も
そんなわけで土日は白霧牧場のマイハウスで過ごしましたわ
ちなみにマイハウスは時として『古民家』と呼ばれるものですわ
縁側と土間と畳の和室が数部屋ある広いところでしてよ
これでいつ断罪されても問題がありませんわ
ってノーモア断罪!、ですわ
次の問題はお仕事ですわ
とりあえず牧場を手に入れたので牧場仕事とやらを憶えることにしましたわ
・・・ちなみに元の牧場主の家族と近所のパートのおば様はそのまま残留でしてよ?
だってほら、わたくしに牧場の仕事を教えるという大役がありましてよ?
もちろん憶えた後も牧場を維持管理する大役がありますわ
断罪後の居場所確保は必須ですわ
ですから少しでも高感度をあげておくために居残りですわ
さあ庶民の皆さま、わたくしにおしごとを教えなさい!
わたくしの明るい未来のために!




