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20 師匠3
「では交代で毎日一人が牧場の世話をするということで」
おかげで職人二人が辞めていった
・・・あの女、オヤジの店を潰す気か?!
ことの起こりはオヤジが弟子に無心したことだった
一度ならば良かっただろう
二度目ならばにが笑いで済んだだろう
ところが3度4度と重ねると難色を示していったようだった
聞こえてきた電話の対応でわかった
そこで突然お嬢が訪ねてきた
「売られた喧嘩を買って差し上げますわ」
意味がまったくわからん
オヤジも心当たりがないようで「何言っているんだ」という顔をしていた
聞いていみるとオヤジが最上級の材料を「高いから」といって値切っていたそうだ
今まで仕入れて普通の業務用の値段しか払わなかったそうだ
オヤジ!
何やってやがる!
思わず怒鳴ったな
そりゃ儲けが出るわな
行列ができた上に支払いを低く抑えたのだ
「きっちり払って頂きますわ」
「ではお金以外ということですわね?」
思わずうなずいた
かくして朝の6時から扱き使われる人生が始まった




