殺人鬼
快楽に溺れた。
その結果が、これだ。
幼い首筋には赤黒い痣が刻み込まれている。
抵抗して私を引っ掻いたその子供の爪は、剥がれかかり血に染まっている。
引き裂かれた衣服がそこかしこに散らばっている。
私は、まだ快楽の余韻に浸りながらその散らばった衣服を拾い出す。
ふと見ると、床に小さなボタンが転がっていた。衣服を引き裂いたときに、ボタンがちぎれたのだろう。小さなボタンを拾い上げ、私はそれを飴玉のように口に放り込んだ。
痺れるような快感が背骨をつたい全身に伝わる。
下腹部に苦しいほどの甘い感覚を覚えた。
私はボタンを舐めながら、死体となったその子を眺めた。
ボタンを舌で転がしながら、さてこれからどうしたものかと思案する。
死姦には興味がない事を、遺体を見ながら確信する。
この遺体をどこかで始末して、私は新しい獲物を得るためにまた危ない橋を渡るのだろう。