56.奇妙な関係⑤
ひっさびさのラブコメ回!!楽しい!!
桐華サンちゃんとヒロインしてますねーwwwwいいですねーwwww。
本当のヒロインがなかなか出てきてくれないので良かった(⌒∇⌒)
おかしいなあ、この話のヒロインは結構設定している筈なのに。清藍とはまた違った雰囲気の桐華さんです。まだ、陸とも徹とも顔を合わせてはいないんですよね。
最初から正樹の思い人設定でしたが、その後くっつくかどうかはまだ決めておりません。吉良とくっつけるのもありかも(笑)
マッチョ好きだから徹に会ったら正樹君ヤバイよ。徹君に勝てる要素が思い付きませんYO!!
急に大音量で電子音が鳴り響いた。静かな病室で声を潜めるように会話していた吉良と桐華はビクッと肩をそびやかした。
「うわぁっ!」
それ以上に眠りこけていた正樹がびっくりして危うく椅子から転げ落ちそうになる。
電子音に気付きわたわたとポケットを探り、スマフォを尻ポケットから取り出して音を止めた。
「あーごめん、おはよう。もう行く時間?」
そこまで言ってから正樹は自分が今いる場所が病院だったことを思い出す。
「あっ……」
心なしか息を切らせているように見える。今まで眠っていたというのに。
吉良と桐華は一度顔を見合わせ、たっぷり10秒程見つめ合ってから正樹の様子を見直した。更に吉良は何故か悪いことをしていたような罪悪感を覚えて正樹から目を逸らした。
「大丈夫?寝呆けてた?」
体勢を戻して腰を擦っている正樹に声を掛けたのは桐華だ。
「うん、大丈夫。変な態勢で寝てたから腰痛くなっちゃった」
「あーねぇ。あるある、それ。でも大丈夫?さっきの電話、お友達からじゃなかった?」
電話を止めて腰ポケットに戻した事自体を忘れていたらしい正樹は、慌ててもう一度スマフォを取り出して画面を確認した。
「げ、やばっ」
と、言いながら席を立つ。そのまま、スマフォを操作し耳に当てながら病室を出て行く。
正樹が出て行く背中を見送りながら、桐華は小さく吐息をつく。コメディのような展開だというのに笑う暇もなかった。そう思って、今更くすりと微笑む。
「新汰君から電話来たかな?」
「あー、あの眼鏡八重歯の人か」
「眼鏡八重歯……ぶぶっ」
言い得て妙な桐華の台詞に、吉良が盛大に爆笑した。自分でもなかなか的を得ていたかと思い、それにつられて桐華もくすくすと笑う。先ほどの正樹の様子もあったのだろう。
「あれは、八重歯と言うより歯並びが悪い感じじゃない?」
「あら辛辣。結構、私はイケメンだと思いますよ?」
「へぇ、ああいう感じの男が好み?」
「顔だけなら私は面食いです。けれど、マッチョが好きなので……」
「マッチョ?!意外!!」
と言った風に、暫くして正樹が戻って来るまで、二人は和やかに雑談を交わした。
正樹は欠伸をしながら戻って来て、桐華の隣のパイプ椅子に腰かけた。手に持ったスマフォをポケットに入れる。
それから二人の様子を伺い、雰囲気が和やかになっていることを確認して微笑んだ。
「良かった仲直りしたんだね」
「別に元々喧嘩なんてしてないよ」
「……あ~、まぁ。うん、そうね」
二人の微妙な返事が戻って来る。
「あのさ、今電話があったんだけど」
場の空気が先刻の冷たい雰囲気に戻らないうちに、正樹は二の句を継いだ。
「俺、今日夕飯家で喰うって約束しちゃってさ。うち来ない?二人とも」
「え?」「へ?」
吉良と桐華は同時に聞き返した。