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恐らく、この物語に名前はない  作者: パブリッククレイン
8/8

日々8

その日、明らかに夏だろと言わんばかりの熱気が街を襲った。





気温は確実に30度を超えたはず。

季節とは一体なんなのか、気まぐれにもほどがある。

日本もとうとう夏と冬しかなくなってしまったのか。

いつか花見か海水浴かどっちに行こうかと悩む時期が来るのだろうか。


雪の降るなか、ハロウィーンの仮装をするのはある意味妥当な考えなのかも…なんて考える日が来るかもしれない。

そんなこと言ったらすべての人がミイラ男を選んでしまうかも…。




一一一一と、汗だくのなか登校をするユージロウ。

ハルリは既に日直当番で先に行ってしまった。

坂を登り、上を見れば山の上にそびえ立つ白い校舎が視界に入る。

うだるような暑さと熱気で整備された道路は完全に熱を帯びていた。


今、ユージロウの目に映るものは青い空、両端のイチョウ並木、そして下から上がってくる熱で歪んで見える校舎。

後は全て暑い中、愚痴を言いながら通っている同じ境遇の同志逹一一この高校の生徒逹だ。


「おはようございます‼」

朝の挨拶運動で早くから校門に立つ生徒会。

御立派なことだ。しかし、流石にきつそうだ。





そう思うとただ挨拶を返すだけでは割りに合わないだろう。

皆、軽く会釈する中でユージロウは一人だけ立ち止まった。


「ご苦労様です‼」

「えっ?あ、ありがと」

それだけ言ってまた歩き出す。



満足気に笑顔で校門を通っていく少年を不思議そうに見るのは当然だ。

そんなことも知らない陽気なユージロウはずれ落ちるリュックを担ぎ直し、鼻唄混じりに下駄箱まで歩いていく。




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