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恐らく、この物語に名前はない  作者: パブリッククレイン
6/8

日々6

「ただいま~疲れた~」

玄関の扉をを開け、帰ってきたのは母だった。

仕事帰りに買い物をしたのだろう。両手にビニール袋を持って重たそうにしていた。


「お母さんじゃない?」

居間の扉の向こうからひょっこりと顔を覗かせるモナ。


「あら~モナちゃん。お姉ちゃんにお迎えに来てもらったの?良かったね」

「お兄ちゃん何にもしてないよ」

「え~ウソ~酷いお兄ちゃんだね」

「さっきまで遊んでやったろ」

「違う、お兄ちゃん寝てた。見てたもん」

「嫌なところで気が付くよな……」



母が手荷物を寄越してきたので、手を伸ばした。

無意識に行動に移したため、重さも何も考えていたかった。お蔭でズシンと大きい重圧が腕にのし掛かる。


「なに買ってきたんだよ?」

「今日肉が安かったから。すき焼きにでもしようかなって」

袋の中身はぎっしりと牛肉のパック詰めが重なっていた。

ふと、どうでも良いことを考えた。袋から飛び出している長ネギについてだ。恐らく、武器にできる。単純にそう思った。



「なにボ一っとしてんの?早くいきなよ」

背後にはユージロウの背中が邪魔だと主張するハルリの姿があった。

「ああ。ハルリ、部屋で何してたんだ?」

「勉強以外何があんの?そっか、お兄ちゃんじゃあ思い付かなくて当然か、何かごめん。」

「貶された挙げ句、謎の謝罪を受けてるんだけど?」

「かたじけない。かたじけない」

ユージロウは複雑な念に襲われた。

弄っているのか、真面目に貶してるいるのかわからなかった。それどころか、ユージロウが帰宅して話した進学の件についてが頭を過り、上手く話せなかったのだ。



「次期にお父さんも帰ってくるから、家事手伝ってよね」

玄関から居間までで母とモナの声だけがト一ンが明るかった。


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