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恐らく、この物語に名前はない  作者: パブリッククレイン
1/8

日々1

不馴れですが宜しくお願いします。

存分に面白味ある作品にしていけたらと思います。

一生懸命頑張ります。

身長は160センチ アライ ユージロウ。十五歳。中肉中背。成績はクラスで中間くらい。夏頃まで野球部に所属していたため、今だ髪が微妙な長さだ。

もう一度言っておく……身長は160センチだ。背の順は前から二人目だが、まだ中学三年の冬!これから巻き返すと淡い期待を抱いておりますとも。


よく食ってよく寝て、また食べて寝る。


人間の成長にはこれが一番だ。早く効果が出るように授業中も寝るようにしている。罪悪感はあるが、致し方無い。俺の高身長イケメンのモテモテハイスクールライフを送る為に必要な工程なのだ。



花の高校生活を実りあるものにする為ならば努力は惜しまないぜ‼

彼女作って、彼女作って、彼女を作る。頭の中はそれしかない。

放課後に二人で喋ったり、手を繋いで帰ったり、一緒に夕日みたりしてさ。

あっ、ペアルルックも良いなぁ。楽しみでしょうがない。早く春にならないかなぁ。



一年で最も寒い時期である冬。片手に受験票を持って白い息を吐きながら、少年は校門を通り抜けていく。

人生の命運を懸けた戦い。少年にとってはそう言っても過言ではない。

県内でも屈指の野球の名門校を受験するのだから。

偏差値も高く、倍率も高い。相手に不足なし。寧ろ窮地である。



玄関は多くの受験生で覆い尽くされていた。


「めっちゃ緊張してきたわぁ~」

「全然受かる気しねぇ」

「いやお前、模試A判定だったろ」

「ぶっちゃけ、ここ……滑り止めだから」

「さすが国立志望‼」


少年の前で喋っている二人の一言一言が心を掻き乱してくる。



落ちれボケッ一一一一!!!!

心の中でそう叫んだ。


教室の内装が良すぎて思わず釘付けになる。

中学のおんぼろ教室とは比べ物にならなかった。黒板がタッチパネルで出来ているなんて軽いカルチャーショックに見舞われた。

机は木製と思いきや、タブレットが内蔵されている。

ここで勉強出来たらどれだけ幸せなことか一一一一。

学生生活を有意義に送っている自分の姿が頭に思い浮かぶ。何もかもが夢のような日々だろう。



「絶対、俺は行く‼」



先の尖った鉛筆を並べ、愛用している黒の消しゴムを机に置いた。

大丈夫、大丈夫さ、きっと……。

胸に手を当てて大きく深呼吸をし、合図を待った。


過去問を解きまくり、狂ったように勉強した。分からないところは先生に質問もした。逆にし過ぎて顔見た瞬間逃げられるくらいだ。色恋沙汰を絶ち、余計なことを考えないように下を向いて歩くように心懸けまでした。お陰様で学校一のコミュ障になれた。



失うものは何もない。



後は自らの力を存分に発揮するのみ。

頭の中で覚えた公式を反芻して、時間を潰す。最後まで苦戦した太陽の動く向きや地球型惑星と木製型惑星の違いなんかを思い出せる限り思い出す。


試験官を見て、合図を待った。

いつでも問題用紙を引っくり返せる準備は整っている。

時計見ながら、今か今かとプルプル唇が動いていることに思わず笑ってしまった。

それに試験官は女性な為、チェリーボーイ一一一一リサン ユージロウには刺激が強かったようだ。



再び、深く呼吸した。


「始めっ!!!!」

人生のゴングが鳴り響いたようだった一一一一


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