18話 お買い物
「じゃあね~!!」
リリー達は長い長い修行を終え、海上を滑る様に飛んでいた。リリーもエルも、自分では気づいていないが、相当強くなっている。その証拠に、行きでは音速程度しか出なかったスピードが、光の速さに迫るまで加速出来るようになっている。なお、光になる、という魔法も生み出した為、実質光速で動ける。
ちなみにリリーは創った魔法を全てエルに教え、エルもそれを全て使いこなせるようになっている。
「いやー、楽しかったねー」
「·····リリーの親、両方怖い。別の意味で」
「ははは·····ま、まあまた来てね!いつでも歓迎だよ!」
「冬休みにでも」
·····会話だけ聞けばとても微笑ましいものだが、如何せん光速である。ワイバーンすら凌駕する速度で飛びながらこんな会話をされても、微笑ましくもなんとも無い。
リリー宅から飛び出して3秒。大陸が見えてきた。光速に近い速度で飛んでも3秒かかる距離にある島なんて、何故知っていたのだろうか。
大陸が見えてから0.6秒。学校前に到着した。衝撃波で学校が吹き飛びそうになったので、すかさずリリーが衝撃緩和障壁を張る。余裕の着地だ。
「いやー、残りの何日か、何しよっか」
「買い物、闘技場、あと大陸探検、とか?」
「あぁ、それいいかも!·····あっ、ガルーダ忘れてた」
「あっ」
◆◆◆
「えぇ······」
ガルーダはいなくなっていた。代わりに、ベッドの上に置き手紙が置いてあった。
『暇なんで旅に出ます。使い魔契約は解除しないので安心してください。ある程度したら帰ってきます。お土産は魔物の素材でも持っていきましょう。ガルーダより』
「旅に出たって····どこまで行ったんだろう」
「·····使い魔ってより、友達?」
「ま、まあ帰ってくるって書いてるし!それより、何しようか?」
「······服を買いたい」
◆◆◆
「へぇー、いっぱいあるんだねー。」
「···最近、服が小さく」
「いいなぁ、最近成長止まっちゃったんだよねー、まだ12歳なのに」
「····親が龍だから?」
「あ゛ーっ!!そのせいかーっ!」
リリー達は服屋に来ている。エルの服が小さくなってきたからなのだが、リリーは2年ほど前から全く変わらなくなってしまった。なので、服は必要ないのだが、悔しいからといらない服まで買っているのでクローゼットがパンパンになってしまっている。だがまだ買う。
「あっ!ねぇねぇエルちゃん!これ似合うんじゃない?」
「え、そう?」
「うん絶対似合うって!あっ、こっちも似合うと思うよ?」
「う、うん」
「あ!これもこれも!」
「·····」
エルはリリーの着せ替え人形になっていた。だが、リリーは割と良いセンスを持っているため、選んでくるのは本当にエルに似合うものばかりだった。そして、買うものが決まった。
「エルちゃん、エルちゃん!どうせなら着て帰ろうよ!」
「えっ·····い、いいよ、恥ずかしい」
「良いから良いから~♪」
「わっ、ちょっ、押さないで、歩けるから、ねぇ」
~魔法少女着替え中~
「う、うぅ~、結局着させられた~」
「いいじゃん!似合ってるよ!可愛い!」
確かに、エルが着ている服は、存分にエルの魅力を引き出していた。服屋から出た瞬間ナンパの嵐。時々怖いお兄さんの類いが来たが、その度にリリーが撃退した。エルは怯えた。たまに怖いお姉さんも来た。
「うぅ、リリー、怖い」
「流石にこれは·····よし、部屋まで瞬間移動しよう。エルちゃん、つかまって」
「う、うん···」
エルが相当怖がっていたので、リリーが寮まで瞬間移動をした。移動する直前におっさんが掴みかかってきて一緒に瞬間移動する、というトラブルが発生したが、リリーが純粋な腕力だけでおっさんの頭蓋骨を陥没させたため襲われることは無かった。




