14話 エルちゃんといちゃいちゃしたりする
「·····あっ、見えてきたよー!」
海の上を高速で飛翔する二つの物体。
それは紛れもなくリリーとエルだったのだが、端から見れば目で追えないほど速い何かとなっていた。
二人の向かう先には、小さな孤島。そこに小さな家が建っていた。
「····まさか、ここ?」
「うん、そうだよー?」
エルは一瞬戸惑ってしまったが、リリーは幸い気づかなかった。
◆◆◆
「うーん、久しぶりだなー。ママー、ただいまー!」
リリーが家にそう叫ぶと、家の中から凄まじい物音がしてきた。
暫くするとその音が収まって、中から温厚そうな女の人が出てきた。
「おかえり、リリー。あと、アスターレイさんもいらっしゃ~い。」
───とりあえず中で何が起こったのかは触れないようにする二人だった。
とりあえずこの女性────マリアが手招きをするので、二人は大人しく従うことにした。
「ママ、ただいま!久しぶり!」
「·····おじゃまします」
「学長先生から話は聞いてるわ。何も無い所だけど、ゆっくりしていってね、アスター····いや、エルるん☆」
マリアにはどうやらネーミングセンスが無いらしい。正直どうでもいいが。
それぞれが一言ずつ話し終わると、マリアがリリーの全身を舐めるようにじっくりと観察しだした。もっと言えばエルの方もだ。
「エルるんが天才だってのは聞いてるんだけど、リリーの話になるとどうもはぐらかされるのよねぇ~。ねぇねぇリリー、ちゃんと強くなれた?ママ心配で」
するとリリーは無い胸を張り、堂々と答えた。
「ふふーん。なんと才能は世界最強なんだよ!もう杖も持ってるよ!」
そうリリーが言うが、マリアは対して驚きもせずに喜んでいた。
「ふふふ、やっぱりあなたはパパの子ね。それにしても、杖って?」
マリアも当然杖が高級だということは知っていたので、興味津々といった様子でリリーを見つめる。
リリーは懐から杖を取り出して、じゃじゃーんとマリアに渡す。マリアはこれを見て、
「·····あぁー、なるほどね。もう時期って事かしら。」
マリアは一人でうんうんと頷くと、エルの方に向きなおした。
「エルるん、これからもリリーの友達でいてあげてね?」
「······はい」
どこか違う意味も籠ってそうな言葉に違和感を覚えるが、とりあえずはいと答える。
するとマリアはにこにこ笑顔になって、
「明日は大切な話をするから早めに寝てね。あ、お風呂沸いてるわよ。」
「えぇっ!?まだ多少明るいよ!?」
ここに来るスピードは圧倒的だったが、距離が距離なので相当時間がかかっていたらしい。
もう空は薄いオレンジになってきていた。
「夜更かしは明日から。ね?」
「うぅ····わかった」
◆◆◆
「···ふふ、いいお母さんだね」
「優しいんだけど、たまにお節介なんだよねー···」
リリーとエルは、ただいま絶賛お風呂中である。
以外とリリーの家の風呂が大きく、二人なら余裕で入れた。
「それにしても····」
リリーはエルの隣、というか後ろにスタンバイした。
そして、エルの脇の下に手を伸ばしながら、言った。
「エルちゃんって·····以外と大きいね?」
「にゃっ!?」
いきなりリリーがエルの胸を鷲掴みにしたので、エルは思わず変な声が漏れてしまった。
そんなエルに構わず、リリーはそれを揉みしだく。
「うーん、以外と着痩せするタイプなのかー。ちょっと羨ましいなー。」
「リリーも、いつ、か、大きくなる。だから、大丈夫·····んっ」
エルは平然を装っているが、少し言葉が途切れ途切れになっている。
だが、それに気付かないリリーは、
「そっかー····いつかかー····」
と言って揉むのを止めた。エルが少し残念そうなのは気のせいだろう。
その後、髪の洗いっこなどをしたがエルの顔は終始紅く染まっていた。
◆◆◆
夜、リリーとエルは同じベッドの中にいた。
リリーはベッドに入るとすぐに寝てしまった。
「·····寝てる、よね?」
エルは、リリーが寝ていることを確認し、リリーの頭を撫でた。
さらさらとしていて撫で心地が良い。
「······♪」
エルはとても幸せそうだったが、途中で風呂場での事が脳裏をよぎった。
「····ちょっとだけなら、いい、よね?」
エルはそう呟くと、リリーを抱き寄せた。
そして、リリーの顔に顔を寄せていく。
そのまま、エルの唇とリリーの──────
ちなみに、この光景は隠しカメラでしっかりとマリアに見られていた。




