総解説後編とあとがき
義勇海軍航空母艦「飛翔」級
全長160m 速力20ノット 武装8cm連装高角砲4基、40mm連装機関砲4基、25mm連装機関銃6基
搭載機24機
義勇海軍が主力空母である「白虎」級の損失に備えて建造した軽空母。商船の船体を流用して建造された。速力、航空機搭載能力、武装などは貧弱で、当初から船団護衛空母としての運用のみ考えられて建造された。一応カタパルトを備えていたために重い機体でも運用可能だった。
義勇海軍向けに2隻、その他輸出用に7隻が建造されたが、その他に練習用の「雛鳥」が存在する。
義勇海軍練習航空母艦「雛鳥」
全長160m 速力20ノット 武装8cm連装高角砲4基、40mm連装機関砲4基、25mm連装機関銃6基
搭載機18機
上記の「飛翔」級の順同型艦。空母配備のパイロット養成のために建造された。基本的に同スペックだが、練習生用の講堂を開設した関係で搭載機は少なくなっている。なお、同型艦は存在しない。
義勇海軍フリゲート「新京」級
全長85m 排水量850t 速力24ノット 武装12,7cm連装両用砲1基、同単装砲1基、40mm連装機関砲3基、25mm単装機銃12基、爆雷多数
遠洋での船団護衛用に新規設計されたフリゲート。日本の海防艦を参考にしつつ徹底的な省力化が図られた。ただし、ある程度の対艦戦闘も考慮されたために速力は24ノットが確保された。旅順の大亜細亜造船だけで100隻近くもマスプロされ、日本の海上護衛総隊や同盟国海軍にも輸出された。
戦後、義勇海軍用の多くが退役して売却されたが、使い勝手が良く戦後も小改良を加えられながら建造が続けられた。
各国で使用されたため、欧米の軍事雑誌の中には「アジアの標準型艦艇」と評した。また、武装を減らして海上保安庁の巡視船や、海上警察のパトロール船、気象台の気象観測船に改装されたり、建造を変更した艦もあった。
義勇海軍艦上戦闘機「炎龍」(量産型)
全長9,2m 全幅10,8m 自重2000kg 速力640km 航続力1600km(増槽なし) 武装20mm機関銃2基、12,7mm機関銃2基
発動機「猛虎2型」液冷エンジン1450馬力
満州に移住してきたハインケル博士がHe100を元設計にして開発した。量産性と航続力を上げる事に設計の重点が置かれた。最高速力こそ落ちたが、整備性、生産性、航続力は飛躍的にアップした。また、川西より購入した自動空戦フラップを装備して高い空戦能力を誇った。搭載した「猛虎2型」は輸入したマリーンエンジンのライセンス版。エンジンを出力アップした2型戦闘機も製作されている。
あとがき
この作品は、昨年まで掲載していた「幻艦記」シリーズに続く長編架空戦記として書きました。もちろん、市販の作品に比べれば分量、中身、考証等は及びませんが、それでもかなり資料を調べて書いたつもりです。
一応ここに記しておきますが、作者はこの作品を戦争賛美のために書いたつもりは毛頭ありません。むしろ、作中の数箇所に反戦的なメッセージを込めて書きました。
架空戦記とは、あの長く厳しい悲惨な大戦をシュミレーションする作品のことですが、それを書く意味とは、もちろん歴史にありえたかもしれない流れに興味を持って調べていく事でもありましょうが、それ以外にも戦争の現実や戦争の中にあって忘れ去られた事実、今後も生かしていける事実を人々に知らしめる手段の一つでもあると考えています。
今後は、新たに掲載を開始した「異次元世界大戦」でこの分野の小説を続けていくつもりです。約8ヶ月もの長きに渡っての御愛読ありがとうございました。
平成20年4月11日