竜王と千年公
二人は長い間、寄り添っていた。この時間がいつまでも続けば良いのに、と。
しかし、感情の潮は、時間と共に引いていく。
リュウとミレリアが顔を見合わせた。リュウとミレリアは、竜王と千年公でもあるのだ。
ミレリアが立ち上がり、踊り場に立つ。
両手を差し出すと、その膨大な魔力を練り上げ始めた。
リュウは、この魔術を知っている。
「これは……反魂の魔術!?」
フローゼが研究しつつも、未完となっていた禁忌の研究。しかし、ミレリアは自身の体を持ってして、それを完成させていた。
リュウは立ち上がり、ミレリアとその魔力に向かい合う。ミレリアが、千年公が、リュウに、竜王に告げる。
「これは私の呪い。帝国を滅ぼす、竜王への罰。貴方はこれを受けて、千年を生きなけばならない」
ミレリアが、いたずらっぽく笑って、リュウに言う。
「貴方は1000年、私を待たせたんだから、ちゃんと……受け取ってよね」
リュウは何も言わない。それは彼が受け入れるべき、彼女の誇りと、彼の贖罪であるからだ。ただ、黙って、ミレリアごと、その魔力を抱きしめる。リュウは、その魔力を、ミレリアの魂を喰らう。
ミレリアが泣いている。幸せそうに。満面の笑みを浮かべて。
リュウも泣いている。やっと見たかった、ミレリアの笑顔がそこにあるのに、涙で歪んでしまう。
ミレリアもまた、リュウを抱きしめて、言う。
「最後に、貴方にお会いできて……ミレリアは、本当に……本当に……」
「幸せでした」
ミレリアの水泡が、弾けた
リュウがミレリアを抱きしめながら、階段を下りていく。大切に、大切に抱きかかえながら……
ミレリアは、幸せそうに微笑んでいる。とても、幸せそうに……
竜王は、その後千年に渡り、君臨したと伝えられている。時代、時代によって、恐怖、安堵、怒り、悲しみ、喜び……様々な感情と共に、彼はその名を呼ばれた。ただ一つの名前を
「千年竜」
[FIN]
これで完結になります。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
ところどころ気になる点などもあるので、ボチボチ修正などはしていこうと思います




