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千年竜  作者: ikhisa
第四章
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伝説の儀式

 広い草原で二人の男が向かい合っている。リュウとヴォルスだ。広い草原は、多くのドラゴン達によって埋め尽くされている。リュウと共に来た岩竜も居るし、飛竜たちも居る。いつものように酒も売られ、賭場も開かれている。いつも通りの、ドラゴン達の決闘の場。いつも通りの、神聖なる儀式の場。


 あれからリュウとヴォルスは、二人で話し合った。そして決まった。決闘でリュウが勝てば、ミレリアの元へ行ける。ヴォルスが勝てば、ミレリアと戦う。これで恨みっこなし、と言う約束になった。


 腕を組みをしたヴォルスが、向かい合っているリュウに、言う。

「俺とお前、どちらが勝つのか、俺にも全くわからない。だから今のうちに言っておく」

 ヴォルスが腕組みを解いて、前傾姿勢を取りながら、続ける。

「最後に、お前を喰うのが俺で、良かったぜ!」

 リュウも構えながら、笑って言う。

「どっちが勝つか分からない、とか言いながら、勝つ気満々じゃんか!」


 一瞬の間の後、二人が同時にドラゴンに変化した。


 ヴォルス

 飛竜たち一族の長。その姿は、巨大な青い飛竜


 リュウ

 1000年を越えて来た男。その姿は、天翔ける青い海竜。


 その両者の体躯、かつての竜王、ウロボロスをすら凌駕する。



 二人は凄まじい勢いで飛び立った。これから熾烈な戦いが始まる。

 観客のドラゴン達は、何1つとして見逃すまいと、二頭の青いドラゴンを、その瞼に焼き付ける。

「凄いなーあの二人……」

「ああ、凄いよな……」

 観客が呟きながら、その熾烈な攻防を見つめる。

「でも、なんだろうな?凄い楽しそうだよな」

 誰かが、そう呟いた。それに同意する者も居る。

「ああ。あんなに楽しそうに殺し合うドラゴンなんて、初めて見たよ……」


 その戦いは、遠くからでも見ることが出来た。巨大なドラゴン達の、熾烈で楽しそうな戦い。リュウの水隗が、太陽の光を反射して、宝石のように輝いている。

 ドラゴン達だけではない。帝都の小高い丘からも、眺めている人たちも居る。多くの人たちの記憶に残るであろう戦い。

 観ている者は皆、確信している。これは千年語り継がれるであろう、伝説の決闘、伝説の儀式なのだと……


 その戦いは、三日三晩続いた。凄まじい戦い、凄まじい殺し合い、でも、どこか楽しそうな時間。

 決着の後、そこに立っていたのは、リュウだった。

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