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第98話 運命の出会い

私達アース音楽団はサーラン街を去り、次の街へと移動する

アーマーが移動魔法で飛んでくれるので

次のヤーレン街もひとっ飛びだった

サーラン街ではグレイの追っ手がいるから

次の街へと移動が出来て一安心だ

サーラン街から結構離れた場所なので

ヤーレン街ではグレイと外へ出かけても大丈夫だろう

ヤーレン街の町長へ挨拶を終えた後、私達は宿へと移動していると

「あっ…赤色のギター…」

とおじさんに声をかけられた

私が持っている赤色のギターのことを言っているようだ

「アース音楽団のルナです。今度のライブで演奏しますので是非聴きに来てくださいね。」

「あ…あの…そのギターはグレゴリー・ライトのものでは…?」

「えっ!?貴方ライト師匠を知っているんですか!?」

「やっぱりライトのギター!?うわぁー懐かしい!!このギターは昔俺がライトにプレゼントしたものだよ。」

「そうだったんですね!ライト師匠の親戚の方でしょうか?」

「いや。俺はライトと同じ底辺貴族仲間だったんだ。俺の家は没落して今はもう平民になってしまったけどね。ライトのことは弟のように可愛がっていたよ。」

「そうだったんですね!ライト師匠の昔話とか聞かせて…」

「おい。いつまで話をしてる。荷物もまだ宿に置いてないから後にしろ。」

とジャッカルに言われてしまった

「すみません。また後日お話しを聞かせて頂いてもいいでしょうか?お名前をお伺いしても?」

「トッポリー・ドミノ。今は郵便屋で働いている。」

「ドミノさん!今度のライブ絶対来てくださいね!ライトの曲を披露しますから!!」

私はそう言ってドミノさんに手を振り別れた

そして私達は宿に着いた

「何勝手に次のライブの曲決めてんだよ。」

とジャッカルにやっかまれる

「毎回相談して決めてないじゃん。」

「自分の曲を弾けよ。」

「だってせっかくライト師匠の知り合いに出会えたんだから。ライト師匠の曲演奏したいよ。こんな偶然ないよ?」

「俺はお前の曲の方が好き。」

「じゃあ2曲やればいいじゃん。ライトの曲と私の曲。」

「お前の曲とライトの曲世界観違いすぎるだろうが一緒に演奏すると観客が戸惑う。」

「えぇ!?そんなことないでしょう!?どっちもバリバリロック魂のってるじゃん!!私の曲はライトの曲の影響もろに受けてると思うんだけど。」

「ライトは曲調から明るくて性格良くてキラキラしてる人だろうな予想出来るけど、ルナの曲は陰気で生きるのが下手くそな不器用な曲だから。全然違うよ。」

「ちょっと!!喧嘩売ってんの!?」

「事実を話しているだけだ。」

「事実は人を傷つけるからやめろ!優しい嘘をつくのが大人だろうが!!」

「めんどくせぇ女だな…」

「とにかく次のライブはライト師匠の曲やるから!あー!楽しみだなぁ!!久しぶりにやるぅ〜!!」

「作曲作業サボるなよ。」

「スランプ気味だからなぁ…。気分転換にもライト師匠の曲をやるのはいいと思う!!メンタルリセット!!」

「…久しぶりに元気な姿を見たな。わかったよ。やる曲決まったら教えろよ。」

「はいはーい。」

私はリリーと私の部屋に入り、鼻歌混じりに荷解きをする

「お。鼻歌なんか歌っちゃってご機嫌だね〜。ルナ。」

とリリーに言われる

「運命の出会いをしたからね。」

「えぇ!?まさかアーマーのことを振って運命の人と駆け落ちするつもり!?そんなことしたらアース音楽団は破滅するよ!?」

「そんな恐ろしいことするわけないじゃん。私の音楽の師匠の知り合いに会ったのよ。運命でしょう?」

「何言ってんの。ルナは本当に何をするかわからない怖さがあるからね。人間を拾って私が母親になるとか言い出すんだから。自由に生きるとか言って暴走する姿が目に浮かぶわよ。」

「そんな狂人だと思ってるの?やだなぁ。普通の女の子なのに。

「普通の女の子と主張するルナがこわいわ。」

「なんでよ!?」

「アーマーの前で運命の出会い〜とか言わないでよ。アーマーは冗談の通じない堅物なんだから。嫉妬に狂って暴走するわよ。」

「アーマーだって冗談言ったら笑ってくれるよ?」

「ルナにだけね。私達が言っても笑ってくれたことなんてないんだから。ルナの前だけ大猫被りしてるからね。アーマーは。」

「そう言われてみれば私以外に笑いかけてるアーマー見たことないかも。」

「アーマーの世界はルナで回ってるからね。私もジャッカル中心で回ってるからアーマーの気持ち凄くよくわかる。」

「そんなこと言ってアーマーもリリーも運命の出会いをしたら私達のことなんてすぐ過去の人になるでしょう?」

リリーは目をまんまるくしてキョトンとする

そしてすぐに怒った顔で私を睨む

「ふーん…私とアーマーの想いはそんな軽くみられてたんだ。心外だな。」

「だって…人生何が起こるかわかんないよ?もっと魅力的な人に会うかもしれないじゃん。」

「ありえない。絶対に。私もアーマーも他の人を好きになるなんて絶対ない。」

強い口調でリリーは断定する

「もしもジャッカルが死んじゃって地獄に堕ちたって私は地獄の果てまで追いかける。アーマーだってそう。ルナのこと地獄の果てまでついていくよ。」

「激重のメンヘラ舐めんなよ。どんなに嫌がったってしがみついて手に入れるまで諦めないから。私のこと好きって言うまで愛してくれるまで絶対諦めないよ。他の人間なんて好きになるわけない。私の世界はジャッカルでいっぱいなんだから。他の人間が入る隙間なんてないから。」

私が自由に生きることを人生の指針にしているように

リリーはジャッカルが人生の全てなのだろう

そしてアーマーはきっと

私が人生の全てなのだろう

「激重の気持ちを冷めさせる方法ってないの?」

「ないわよ。諦めなさい。アーマーがルナを好きな気持ちが軽くなることはない。日々想いは重くなっていくだけよ。どんなに辛くても好きな想いを止めることなんて出来ないんだから。」




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