第93話 家族会議
宿に帰り、私達3人で話し合いを始めた
アーマーと2人だけにしようかとも考えたけれど
当事者のグレイの意見も聞かないとダメかなと思ったので
3人で話をする
「ねぇ。私はこうなったら権力で黙らせるからって言ったよね?アーマーはなんで魔法使ったの?」
「正体バレずに解決した方がいいから。」
「こんなことしたらグレイの印象が悪くなって、サーラン街でグレイは歩けなくなるわよ。」
「どうせあと2ヶ月ぐらいで別の街に移動するんだ。そんなの問題にならないだろう?」
「…。」
「殺さずに解放したんだ。ルナの言う通りにした。」
「明日またグレイを探しに来たらどうするの?」
「同じことをするよ。全員重力で押し潰して気絶させる。そのうち諦めるだろ。」
「グレイが外に歩けなくなるわよ。」
「宿で過ごせばいいだろ。後2ヶ月ぐらい。」
「グレイは嫌じゃないの?」
「僕は気にしないです。街で何を言われても関係ないです。ルナお母様とアーマーお父様がいてくれるなら僕は他に何もいりません。」
「楽器店の店長にも会いに行けなくなるわよ?ベース教えて貰うんでしょう?」
「少し残念ですが、ジャッカルさんにもベースは教えて貰えますから問題ないです。」
「私はこんなこと良くないと思う。グレイを守る為とはいえこんな…武力的な解決は良くないと思う。もっと平和に解決したい。」
「無理だよ。ああいうやつらは話が通じない。そうだろ?グレイ。」
「はい。殺してもいいですよ。」
「アーマーは行かなくていいから。私だけ話し合いに行く。それなら正体はバレないでしょう?」
「絶対ダメだ。王家の紋章があるとはいえ小さな小娘1人ぐらい黙らせて監禁して虐待するなんて造作もないことだ。1人で行くなんて絶対にダメだ。」
「そうですよ。あんな頭のおかしいやつらに話し合いなんて無駄です。1人で行くなんて…危険すぎます。絶対反対です。」
「お願い行かせてほしい。絶対帰ってくるって約束するから。」
「ダメだ。どうしても行くというならここで俺が監禁する。」
「ルナお母様。やめてください。お願いしますから。」
「…私の命は1度死んだの。今はラッキーで生き返ったの。せっかくラッキーで生き返った命を私は後悔しないように使いたいの。」
私がそう言うとグレイが突然泣き出す
「えっ…ちょっと…」
「絶対嫌です!あの家にルナお母様を関わらせたくありません!!」
「だ…大丈夫だって。私結構強いんだから。だから泣かないで?ね?」
「いやです!いやです!行かないと約束してくれるまで涙は止まらないですから!!」
「えぇ…」
「グレイを泣かすなよ。ルナ。諦めろ。平和的な解決なんて求めていないんだ。グレイは。」
「親としてこんなやり方で解決するなんて…良くないよ!!」
「ルナの優先度はなんだ?ルナの理想的な解決法より、グレイの気持ちなんじゃいのか?」
「子供を正しい道は導くのが親でしょう?」
「俺のやり方が間違ってると?」
「そうよ。」
「俺はグレイの気持ちを尊重しているぞ?違うか?」
「破滅行動する子供を止めてあげるのが親じゃないの?」
「別に殺しはしていないんだ。問題ないよ。そっちこそルナの理想の押し付けだろう?俺達の気持ちも汲んでくれよ。」
…そうなのかな
そうなのかも
私に味方がいなくて
2人が結託して私を説得するから
私が折れるしかなかった
「…絶対に殺すことはしないで。どんだけ恨みがあっても殺すことはしないで。わかった?」
「わかった。」
その後、またグレイの捜索に来たがアーマーが魔法でまた全員気絶させた
誰が魔法を使っているのかわからず
全員毎回気絶するほど重力の圧力に押しつぶされているので
グレイのことは諦めてその後捜索に来ることはなかった
「僕は世界一幸せな子供です。」
そう笑顔で話すグレイを見て
少し複雑な気持ちを抱えてながらも
この笑顔を守れてよかったとそう思えた




