表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/148

第92話 子育て

私とグレイとアーマーはどこのお店で食べるか話し合う

「何食べよっか。」

「僕はなんでもいいですよ。」

「グレイは痩せすぎだからもっと骨になる物を食わせた方がいいんじゃないか?肉食え肉。」

「若いうちに贅沢覚えたら良くないよ。」

「ルナはケチすぎる。お金たくさん稼いだくせに全然使おうとしねぇな。グレイの食事ぐらい少し贅沢してもいいだろう?今までろくなもん食ってないんだからちゃんと美味しい物を食べさせてあげるのも親の役目なんじゃないのか?」

「むー…たしかに。」

「じゃあ今日はここに行くぞ。」

アーマーが連れてきたのは明らかに敷居が高そうなレストランだった

「ここ?ドレスコードありそうだけど。」

「ランチタイムは普通に入れるぞ。」

「まぁ…たまにはいいか。」

私達は高級レストランに入店をして注文をする

ランチコース料理メニューを注文して待ち

前菜が届いたので食べようとすると

「ルナお母様。これはなんですか?」

「前菜だよ。」

「前菜?」

「コース料理だから前菜、パン、スープ、メインディッシュ、デザートを食べるのよ。」

「これは野菜なんですか?」

「うん。」

「何の野菜ですか?」

「よくわからない。美味しいから食べてみたら?」

「わかりました。」

グレイは前菜を口にする

「よくわからない食べ物ですけど、美味しいです。」

「おしゃれすぎて謎の食べ物になってるからね。」

「これはアンティーブの柚子ビネグレッド和えだ。」

アーマーが答える

「だって。わかった?グレイ。」

「全然わからないです。」

「私も。でもいいのよ。美味しいから。」

「ルナお母様は嫌いな食べ物はないのですか?」

「ないわね。基本的に全部食べれるわよ。しいていうなら油っぽいのは苦手かな。」

「揚げ物とかですか?」

「うん。」

「ルナは貧乏舌だから。肉とか揚げ物を好んでは食べないんだ。」

「貧乏舌じゃない。好んで食べないだけ。」

「僕は食べたことないですね。」

「じゃあこれからのメインディッシュは肉料理だから楽しみだね。」

「はい!」

パンとスープを飲んだ後にいよいよメインディッシュの肉料理が届く

牛肉のフィレ肉ステーキだ

グレイは初めてステーキを1口食べる

目をキラキラと輝かせて

「…美味しい。」

と呟いた

その姿があまりにも可愛くて癒された

「そう。よかった。」

アーマーの言う通りお肉を食べに来てよかった

こんなにも喜んで食べてくれるなんて

グレイは美味しかったのかぱくぱくとあっという間に食べてしまった

「私のお肉あげる。」

「えぇ!?そんな…いいの?」

「うん。私はあまり好きじゃないし、グレイが気に入ったならあげるよ。」

「わーーーーい!!ルナお母様ありがとう!!」

私は余っていたステーキの半分をグレイあげた

子供らしくはしゃいで喜ぶ姿は

永久保存したいぐらい可愛かった

デザートのモンブランもグレイは初めて食べたようで

「美味しい!こんな甘くて美味しい食べ物がこの世にあったなんて!!凄い!!」

と大はしゃぎをしていた

その後の食後のコーヒーを飲んで

「苦い。まずい。こんなものを好んで飲む人がいるの?」

と言っていた

初めて口にする料理がたくさんあって

グレイはとても楽しかったようだ

贅沢はあまり覚えさせたくないけれど

こんなに喜んでくれるなら通ってしまいそうだ

会計はアーマーがしてくれて店から出ようとすると



「行方不明の子供の捜索をしている!!銀髪にグレーの瞳をしている10歳ぐらいの男の子だ!見つけたらすぐにこちらに引き渡せ!!」


外はいつの間にか警備隊やおそらくバクフート家の騎士達がサーラン街を捜索していた

行方不明の子供を見つける為に

グレイを連れ戻す為に


「子供を保護している者は大人しく出て来なさい!隠れても無駄だ!!意図的に子供を隠すなら誘拐事件として処刑する!!」

騎士団は捜索しながら叫んで威圧している


グレイを見ると怯えて震えていた

「どうして…僕なんて…探しにくるわけないと思っていたのに…」

震える手を私は強く握る

「大丈夫。絶対にあいつらにグレイは渡さない。」

「…ダメだよ。ルナが殺されちゃうかもしれない。」

「そんなことにならない。私を信じて。絶対に生きて帰ってくるから。」

「…ルナお母様の手も震えています。こわいんですよね。もういいんです。僕は逃げますからルナお母様は僕のことを匿ったりしないでください。」

「そんなこと出来るわけない!私はグレイの母親だもん!」

「お願いします。このままではルナお母様に危険が及ぶかもしれません。ここで親子関係は解消します。ルナお母様の子供に2週間もなれて僕は本当に幸せでした。大好きです。僕の人生はルナお母様に会う為にあったのだとそう思いました。本当にありがとう。」

「何言ってんの!本当に大丈夫だから!アーマー!グレイを頼んだわよ!私は話合いをしてくるから!」

「そんな!無茶です!ルナお母様!」

私は恐怖心を押し殺して店の外に出る

私には王家の紋章があるから大丈夫

そう言い聞かせてバクフートの騎士団に近づくと


ドサッ


目の前でバクフートの騎士団は倒れる


「うわあああああああああああああ!!!」

苦しそうな悲鳴と共に

サーラン街中を歩いていた騎士団と警備隊全員が立てなくなり地面に這いつくばっていた

「死にたくない!助けてくれ!」

目の前の騎士は私に助けを乞う 

しかし悲鳴をあげながら苦しそうに気絶をしてしまった

辛うじてまだ生きているようだが…

突然騎士団と警備隊が全員倒れたことによりサーラン街は大パニック状態になった

「きゃあああああああああああ!!!」

「何だ!?何が起こっている!?神の怒りか!?祟りか!?」

「ひっ…死にたくない!死にたくない!!」


こんなことが出来るのはこの世でただ1人しかいない

全ての魔法が使える

大魔法使い

「探しに来たやつら全員海に還すから大丈夫だよ。」

グレイに優しい笑顔でアーマーはそう言う

グレイは嬉しそうに泣いて

「アーマーお父様。ありがとう。」

と言っていた

グレイはこんな大量の人間が死ぬことを

何とも思わないのだろうか

虐待されて

恨みがあるだろうけれど

目の前で大量殺戮を宣言されて

喜んで泣くなんて

「あの…何も殺さなくても…話し合いで私が解決して来てあげるから。」

「嫌です!ルナお母様が危険ですから!」

「私の身分は高いから大丈夫よ。」

「それでも…ルナお母様にはあんな奴らと関わってほしくないです。」

「俺は正体を明かすより全員海に還す方が効率がいいからな。」

「あんなやつら生きる価値ないですから。全員殺しても構いません。」

子育てに正解はないって言うけれど

これだけは不正解だって

私だってわかる

「わかった。でも殺すことはしないで。気絶させるだけ。宿に帰ったら今後のことを話し合うわよ。」

私はこの2人を説得することが出来るだろうか

それでもやらなければいけない

子育てって大変だ



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ