第84話 とにかくやれ
「ね!ね!私もピアノがあるからリリーと同じ舞台で演奏できるよね?」
私はジャッカルに期待の眼差しで話す
リリーの歌う舞台では私だけいつも除け者にされていた
私のギターがお粗末だから仲間に入れてもらえなかったのだ
でもピアノは幼少期から練習してきたので
ピアノは技術的にも問題ないはず
「いいよ。」
「やったーーーー!!これでやっとみんなと演奏出来る!!嬉しい〜!!!」
「それより自分の曲のピアノパートの楽譜と新曲の楽譜を作れよ。」
「めんどくさいなぁ。アーマーなら私の曲聞いたら自分で譜面書けるでしょ?アーマーに書かせよう。」
「ダメだ。自分で書け。音が違ったらどうすんだよ。」
「ちょっとぐらい違ってもいいよ。私だってほぼ即興で弾いてるんだから毎回全く同じようになんて弾けてないし。」
「それでもルナが書け。プロなら1音1音こだわってちゃんと完成させろ。」
「こだわりだすと沼にハマって抜けれなくなるからやだ。」
「アホか。どっぷり浸かって時間かけて楽譜書けばいいだろう?プロならこだわっていけよ。音に。」
「なんかかっけぇこと言ってる。」
「かっけぇからな。」
「でも嫌だ。やること多すぎてパンクする。私が弾いたやつをアーマーなら譜面書けるからそれでいいじゃん。ねぇアーマー。私達の初めての共同作業やりたいよね?愛の結晶の楽譜作りたくない?」
「俺はルナの頼みならなんでもやるよ。」
「なんていいこなの〜。」
私はわしゃわしゃとアーマーの頭を撫でてあげる
「めんどくさいことを全部アーマーに押し付けるな。アーマーを便利屋扱いするのはやめろ。」
「だって私はみんなと演奏するピアノの練習を猛特訓しないとダメだし。時間は有効に使わないと。」
「は?何言ってんだ?ピアノで舞台に上がってもいいがルナは脇役なんだからそんな本腰で練習しなくてもいい。ルナは自分の曲を最優先に作ることを考えろ。」
「じゃあこの街は私の曲はやらなくてもいいや。私はみんなと一緒に舞台に上がりたいもん。」
「なんでそうなる!ルナの曲を疎かにするならリリーの舞台には上がらせないぞ!!」
そうだ!そうだ!とカイのヤジも聞こえてくる
「傲慢すぎない?」
「ルナが我儘すぎるんだよ!!」
「わかったわよ。やればいいんでしょう?」
「ダルそうにするな!自分の曲をもっと大事に扱えよ!!」
「めちゃくちゃ大事にわたしの曲は抱きしめているわよ!まぁ今日は疲れたから宿に戻ったらお風呂入って寝よう。」
「何言ってんだ?帰ったらピアノの楽譜作りだろう?」
「むり。今日6時間弾いたんだよ?指動かない。」
「ピアノは弾けなくても楽譜は書けるだろう?明後日ライブだぞ?アーマーが弾けるように準備しろよ。」
「は?明後日のライブまでに用意させるつもりだったの!?絶対無理だから!!書けたとしてアーマーの練習時間だって少ないのにそんな状態で演奏させるつもり?」
「アーマーなら大丈夫だろう?」
「ねぇ。アーマーのこと便利屋扱いしてるのはジャッカルじゃないの?」
「俺はいいんだよ。団長なんだから。」
「権力ある人間がこの世で1番嫌い。」
「帰ったら楽譜書くまで寝かさないからな。」
「アーマー助けて!!ジャッカルが私をいじめるの!!」
私はアーマーに抱きついておねだりをする
「ルナは疲れていると言っている。無理やり働かせるなら俺がジャッカルの息の根を止める。」
「アーマーを盾にするのは卑怯だぞ!ルナ!!」
「ジャッカルだって権力振りかざして言うこと聞かせようとしてるのだって卑怯じゃん!!」
「俺はアース音楽団の成長の為に言ってんだよ!!ルナはめんどくさい作業をアーマーに押し付けてるだけだろうが!!」
「明日から!!明日から本気出す!!」
「それ怠け者代表の言葉だぞ!!明日から本気だすなんて言ってたから一生出来ねぇからな!!」
「それでも1日猶予空けてくれたっていいじゃんか!!」「そんなもん待てねえよ!とにかくやれ!やるんだよ!!やる気は後からついてくるから!!
「もうわかったわよ!!ご飯がまずくなるからこの話はもうおしまい!!」
アース音楽団のみんなで食事をして宿に帰った後
私は本当なジャッカルに見張られながら
楽譜の作成をした
やる気は後からついてくるというのは本当だったようだ
私は楽譜作りにのめり込んで
そのまままた4時間楽譜を書き続けた




