第80話 ラッキーガール
今日はサーラン街で初めてのライブ
この街の町長がリリーのファンだから
宣伝もめいいっぱいして貰えており
初ライブにも関わらずたくさんの観客が来てくれていた
「初めまして。サーラン街の皆さん。」
「私はアース音楽団のルナです。」
「よろしくお願いします。」
「天気は快晴。最高の気分でライブするには絶好の天気に恵まれて私は神に感謝します。」
「うふふ…実は今、私が生まれてきて1番最高に気分がいいんです。」
「この街に来て。」
「とてもいいことがあったんです。」
「最高に気分がいいのにも関わらず。」
「私は一抹の不安を抱えているのです。」
「今までは…みんなと同じ庶民で。」
「世の中理不尽なことばかりで。」
「ふざけんなって。」
「こんな世界クソ食らえだって。」
「そう思っていたんです。」
「私は上手な演奏をするタイプではないけれど。」
「みんなの気持ちに寄り添える歌い手ではあったんです。」
「何も希望なくて。」
「何のために苦しい思いをしないといけないといけないのかわからなくて。」
「生きてるのか死んでるのかわからないような日常を。」
「私は理解しているから。」
「心に寄り添って。」
「今だけは全てを忘れて。」
「私の曲の間だけは最高の気分にさせてやろうって。」
「そう言う思いでずっと歌ってきました。」
「でも…」
「私は出会ってしまった。」
「“希望”に。」
「明日死んでも構わないと。」
「この世に未練なく好き勝手生きてやることしか脳がなかったのに。」
「欲が出ました。」
「もっと生きたくなりました。」
「守ってあげたい人が出来ました。」
「この世の中は理不尽で。」
「どんなに努力をしても関係なく地獄に堕とされました。」
「でも…」
「どんなに努力しても関係なく救われることもあるのだと知りました。」
「私は幸せ者になってしまいました。」
「今とんでもなく浮かれています。」
「フフッ。皆さんの目に私はどう映っているのでしょうか。」
「他人の不幸は蜜の味と言いますが。」
「辛くて苦しくてもがいて歌っていた私はいなくなり、蜜をなくしてしまったようで。」
「幸せな私には何が残っているのでしょうか。」
「皆さんにはどう映るのでしょうか。」
「…一抹の不安を抱えています。」
「でもそれ以上に。」
「今の私を見てほしい。」
「たまたま幸せになっただけのラッキーガールでしかないけれど。」
「ラッキーはどこにでも落ちているものだと。」
「どんなにどん底にいても。」
「生きていればなんとかなるものだと。」
「“希望”を。」
「私は初めて歌いたい。」
「みんなに届けたい。」
「世の中何が起こるかわからない。」
「“奇跡”なんて意外と近くにあるかもしれないと。」
「“希望”を持って。」
「なんとなく気楽に生きていこう。」
合図して私は演奏する
自分が上手く歌えているか
自分が上手く演奏出来ているか
そんなことは今どうでもいい
私は今、最高に気分良く歌えている
最高に気分良く演奏出来ている
気持ちいい
気持ちいい
気持ちいい
最高の気分だ
演奏を終えて私はテンションが上がりそのまま観客へとピックを投げる
観客は大いに沸いている
その姿を見て更にテンションが上がり私は観客に乱入して
そのまま一緒にジャンプした
「FOOOOOOOOOOOOOOOOOOO!!!」
と声をあげて一緒にジャンプを続けていると
ぐいっとジャッカルに引っ張られて無理やりステージに戻されてそのままステージ袖へと追い出された
「ふ・ざ・け・ん・な!!!!」
小声でそうキレるジャッカルを見ても
私の気分は絶好調によかった
あぁ〜楽しかった!!!




