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第78話 過去に囚われず未来に生きる

グレイが起きたので朝食に行こうとするが、アーマーも一緒についてこようとしたので断った

不服そうに文句を言われたが

四六時中一緒にいないと約束したから恋人になったんだけど?と言うと

大人しくなり部屋で留守番をしてくれた

「たのもーーーー!」

私はいつも通りノックもしないでナイルの部屋に入る

「…何か用かな。ルナ。」

もう私がノックして入らないことに怒ってくれないらしい

悲しい

「一緒に朝食行こう!!」

「わかったよ。準備して行くね。」

私はナイルとグレイを連れて近くのレストランで朝食を食べる

「この後、グレイの服がないから服屋に行くけどもちろんついてきてくれるよね?ナイル。」

「はいはい。わかりましたよルナお姫様。」

「おい。お姫様なんて2度と言うんじゃねぇよ。虫唾が走る。気持ち悪いこと言うんじゃねえよ。」

「ルナの地雷がわからなくて恐ろしいよ…」

朝食を終えて私達は服屋へと移動した

グレイに好きな服を選ぶように言うと

服を選ぶことは初めてのようで

あわあわと戸惑っていた

店員さんがおすすめの服を持ってきてくれて

されるがままに試着室へと連れて行かれて試着をさせられている

「グレイの何が気に入ったんだ?」

「何もかも諦めた目かな。私もね。何もかも諦めていつ死ねるのかなと思いながら生きてた時があったから。ほっとけなくて。それにこんなに若くて可愛いのにもったいないじゃない?」

「ふーん…それでもアース音楽団よりグレイを選ぶ理由はよくわからないな。ショック受けてたぞ。特にジャッカルは。」

「え?そう?あんなに私を問題児の厄介者扱いしてるから嫌われていると思ってたけど。」

「問題児の厄介者は大正解だけど。嫌ってなんかいないよみんなね。」

「うそだぁ。」

「本当さ。ルナと仲良くしすぎるとアーマーが怒るからね。みんな気をつけて距離を取ってるんだよ。」

「あぁ…ナイルが酔っ払って私に抱きついた時にアーマーがナイルの首を絞めたこともあったわね。」

「…記憶にはないけれど。」

「大変だったんだからね。」

「大変だったといえば…昨日グレイをお風呂に俺が入れただろう?」

「うん。」

「グレイ…脱いだら体中傷だらけだったぞ。古い傷も新しい傷もたくさん無数にあった。鞭打ちの痕とかタバコの根性焼きの痕もあったぞ。あれは虐待されてるよ。」

「10歳の子供に死にたいと言わせる家庭環境が良好なわけないからね。」

「それはそうだが…闇が深いぞ。ルナがどうにか出来るような問題じゃない。」

「虐待問題はそうね。私がどうにか出来る問題じゃない。」

「グレイの心の闇にお前は寄り添えるのか?」

「さぁ?無理じゃない?」

「そんな無責任な。そんな覚悟で子供を拾うなよ。」

「虐待された子どもの心のケアなんてわからないわよ。シスターじゃあるまいし。迷える子羊を救うなんて私の専門じゃないわよ。」

「じゃあ今からでもグレイは孤児院へと連れて行けば?」

「嫌よ。グレイは私の子供よ。虐待問題なんて難しいこと私はどうすればいいのかわからない。でも私に出来ることはこれからどうやって生きていくか。一緒にこれからの未来を考えて生きるの」

「ふふっ。過去に囚われず未来に生きるか…」

「グレイは過去の出来事は忘れたと言ってたわ。だから大丈夫よ。私達はやっていけるわ。」

「そうだな。そうだといいな。応援してるよ。」

「問題は親よね。ここまで放置してるなら探しに来ることはないだろうけど…。教育ママタイプの虐待でうちの子を返せ!とか言ってきたらめんどくさくなりそう。絶対渡さないけれど。」

「えぇ…さすがに親が迎えに来たなら引き渡さないと犯罪なるぞ?」

「犯罪上等。グレイを死ぬまで追い込むような奴らに絶対に渡すもんか。」

私は不敵に笑って言う

「…親が迎えにこないといいな。」

「そうね。平和に解決したいわよね。」

グレイが店員さんに勧められた服を着て試着室から出てきた

「…どうかな?」

ポロシャツに蝶ネクタイをつけて半ズボンの格好で照れながら言うグレイが可愛すぎて昇天するかと思った

「すっっっっっごく似合ってるよ!!さすが私の息子ね!!尊い生命に感謝。生まれてきてくれてありがとう!!」

私は試着した服以外にも10着ぐらいグレイの服を購入して服屋を出た

「実はまだ行きたいお店があるのよ。」

「こんな大荷物抱えてまだどこかに買い物に行くのか?」

10着買った洋服はナイルが全部持ってくれている

紳士だ

「すぐに終わるから。」

そう言って私は2人を連れて最後のお店に入店する

「楽器屋?」

「そう。これを買おうと思って。」

私が指差した先にあるのはピアノだ

「え!?ピアノの置き場所なんてないよ!?」

「アーマーがなんとかしてくれるよ。魔法で移動もすることになったからピアノ欲しいなぁ〜って。」

「それは俺も欲しいけど…!!」

「これがあればナイルといつでもジャズ弾けるからね。」

「2人でユニット組んじゃう?」

「いいね。それ。最高かも。」

「2人でステージ立たせてくれるかなぁー?」

「完成度高かったら文句言わないでしょ。ジャッカルは。」

「わぁーーー!!楽しみだぁーーー!!」

私は楽器屋でピアノを選び購入する

この店で1番いいピアノを購入したので店主は大喜びをしていた

手続きなどで待っていると

グレイがお店のギターを眺めていた

「ギター欲しいの?」

「…うん。」

「すみません…。子供用のギターは置いてないんです。」

ギターを置いている楽器店が珍しい

だいたいピアノかヴァイオリン、管楽器、木管楽器等しか置いてない

まして子供用なんて売っている店を見たことがない

私はたまたまライトからギターを貰えたけれど…

ギターが買えないと知るとあからさまにグレイがしょんぼりしてしまった

「あ!でも!私の私物のものでしたら…」

「え!?ギターやってるんですか!?」

「ギターではなくベースなのですが…子供頃から憧れて特注で作って貰ったものがあります!」

「そんな大事なものいいんですか?」

「いいんですよ。私は大人になってもう弾かないからね。このベースも弾いてくれる人の元に行きたいと思うよ。」

「おいくらですか?」

「いいよ。これは私の私物だからね。とても高価なピアノを買ってくれたからおまけであげるよ。」

そう言って店主はグレイに子供用のベースを渡す

「君がこのベースを大事にしてくれると嬉しいよ。」

「ありがとうございます…。」

そう言ってグレイは泣き出した

嬉しかったのだろう

私はグレイの頭を撫でて慰める

辛いことがあっても泣かなかったグレイが

嬉しいことで泣けるようになったことが嬉しい

「ありがとうございます。店主さん。この子はベーシストとして天下を取りますから。名を轟かせるのを楽しみにしていてくださいね。」

「名前は?」

「グレイです。僕の名前はグレイ。お母様のような立派な演奏家に僕もなりますから。覚えておいてください。」

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