第77話 自己紹介
朝目が覚めて体を起こす
体を伸ばしていると
「おはよう。マナ。」
アーマーが私の顔の至近距離まで来て言う
「おはよう。アーマー。朝から元気ね。」
アーマーは私の頬にキスをしたので
私はアーマーの頬をつまむ
「なにすんじゃコラ。」
「恋人のスキンシップだよ。」
「キスはデートの日だけ。」
「ほっぺにキスなんて挨拶だよ?」
「そう。じゃあ今日からジャッカルに挨拶のキスでもしようかしら。」
「冗談でもそういうこと言うと俺はすぐに暴走して壊れてしまうよ?」
「そうやって人をすぐ脅すところ嫌い。」
「ごめんって。頬にキスはもうしないから許して。」
「わかればいいのよ。」
私はベッドから降りようと足をベッドの外に出すと
「ひゃあ!」
アーマーが私をお姫様だっこにして抱えた
「なにすんのよ…。」
朝なので大きな声で怒る元気もない
「ルナは軽すぎるね。あんなにケーキ食べまくってるくせに不思議。」
「いいから早く降ろしな。」
「どちらに行かれますか?ルナ。」
「トイレ!!」
「お連れしましょう。ルナお姫様。」
「執事ごっこですか?」
「まさか。恋人同士のコミュニケーションだよ。」
私はアーニーお姫様抱っこでトイレに連れて行かれる
「羞恥プレイの間違いじゃないですか?」
トイレの前で降ろされて私はトイレに入室する
トイレが終わり、鍵を開けるとアーマーはまだトイレの前で待っていた
「おかえり。ルナ」
トイレから出てくるだけでおかえりなんて言う人アーマーだけよ。」
「俺の元へ帰ってきたんだ。おかえりだろう?」
「トイレから出ただけです。」
再び抱っこしてこようとしたけれど無視して私は歩いた
グレイはまだぐっすりと寝ていた
昨日あんなことがあったんだ
もう少し寝かしてあげよう
グレイが起きたら一緒に朝食を食べにいこう
私はグレイが起きるまで作曲して待っていた
むくりとグレイが起き上がったので私は声をかける
「おはよう。グレイ。」
「…だれ?」
「貴方のお母様よ。」
「あぁ…。そうだったね。」
グレイは満面笑顔言う
「おはよう。ルナお母様。なにをされているんですか?」
「これ?作曲してるの。」
「ルナお母様って作曲家なの?」
「うーん…。作曲活動はおまけかな。ステージで歌って演奏するのが好きなの。」
「ルナお母様って演奏家なんだ。」
私はにっこりと笑って言う
「そういえば私の自己紹介なんてほとんどしてなかったね。」
「私の名前はルナ。世界を旅するアース音楽団の一員で、主に前座で演奏させて貰っているわ。」
「好きな食べ物はクリームシチュー。」
「嫌いな食べ物は桃。」
「大嫌いなことは束縛されたり、支配されること。」
「自由に生きることを何よりも大事にしているわ。」
「生涯一生共に生きると誓ったこの世で1番大好きな人はアーマーです。」
アーマーが割って入って言ってきた。
「捏造やめてね?」
「事実だ。」
「まぁまぁ…たくさん自己紹介はしたけれど…」
私はギターを持って肩にかける
「私を知ってもらうにはやっぱりこれが1番かな。」
すぅっと息を吸って私は歌い出す
私の曲が
私の演奏が
私の歌声が
私の全てだ
汗だくになりながら魂を震わせて歌った
歌い終えた後、グレイは拍手をしてくれた
「すごい…。かっこいい!!ルナお母様に拾って貰えてよかったって初めて思ったよ…!!」
「え…今まではどう思ってたの…?」
「細かいことほ気にしないで!最高の演奏と歌だったよ!ルナお母様が作曲したの?」
「そうだよ。」
「音楽のプロだね!!かっこいいよ!ルナお母様!!」
「そっそうかな?ありがとう!グレイ!!」
私達は朝食を食べる為に宿から出てレストランへ食べに行った
「ねぇ。グレイ。」
「なんでしょうか。ルナお母様。」
「この質問は最初で最後にするから教えて欲しい。」
「なんでしょうか。」
「元の生活に戻りたい?」
それは私が拾う前の生活に戻りたいかという意味だ
「…いいえ。全く。ちっとも。頼まれても戻りたくないですね。」
顔に陰りがあり思い出したくもない様子だったので
私は頭をポンポンと撫でてあげた
「嫌なこと聞いてごめんね。教えてくれてありがとう。」
「いいえ。僕のお母様はルナだけです。これからも。ずっと。」




