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第62話 やりたいこと

今日はこの街で2回目のライブだ

「こんにちは。お久しぶりです。ルナです。」

「前回のライブでは私の師匠の曲を歌わせて貰ったんですが。」

「今日は何と私が作詞作曲をした曲を披露します。」

「しかも新曲です。」

「初降ろしです。」

「何事にも初めましてはあるんですけど。」

「何回経験しても新曲を歌う時は緊張しますね。」

「今回の新曲は私が砂漠で旅してる時に死にかけて。」

「あぁ…このまま生き絶えるんだな…と思った時に。」

「走馬灯のように思い浮かんだ曲です。」

「半分ぐらい三途の川渡って作りました。」

「本当ですよ?」

「死にかけたらインスピレーションが湧くものなんですね。アハハ!!」

「オアシスを見つけてなんとか生き残ることが出来て皆さんの前で新曲を披露できることがとても嬉しいです。」

「遺作にならなくてよかった!!アハハ!」

「私の顔も名前も声も覚えなくてもいいから。」

「私の曲は覚えてね。」

「私の曲は私の魂だから。」

「この身が滅びようとも。」

「私の曲が残る限り。」

「私の魂はこの世に残り続ける。」

「貴方達は何の為に生きている?」

「家族?恋人?仕事?金?幸せ?」

「とても素晴らしい目標だわ。」

「でもね。死にかけた時に思うのよ。」

「あぁ…もっとやりたいことあったのになってね。」

「生きる理由なんてね。もっと自己中でいいのよ。」

「大人に騙されるな。社会に騙されるな。」

「本当にやりたいことは何か。」

「もう一度よく考えて。」

「未来に生きろ。」

「今を生きろ。」

「私は何の為に生きてるのか。」

「やりたいこと全部やって自由に生きる為。」

「そして!!私の音楽をお前らに届ける為だあああああ!!!」

「今!!目の前に居る女の子は!!」

「生死を彷徨い、死にかけて這い上がった女だ!!」

「今!!まさに!!私の魂は純度を増して燃え上がっている!!」

「最高のコンディションだ!!!」

「私の新曲!!私の生きている証!!私の全てをこのステージに捧げる!!!」


わあああああ!!!と観客から声が上がる

新曲が始まり、ステージと観客が一体化して大盛り上がりだ

カイのリズム感バチバチのドラムに

ジャッカルの歌うようなギター

そしてがなり声のような魂の叫びようなジャッカルのコーラス

全ての音が私の新曲を作りあげていて

最高の気分だ


大きな声援に囲まれて私の新曲披露は無事に終わった

いきなり奴隷にされかけたから

とても治安の悪い街かと思っていたが

そんなことはなく観客のマナーは今までで1番良かった

リリーのトリの曲も終えて,私達の2回目のライブも大盛況で終わった

ライブ後のファンミーティングで私は唯一招待した客の姿が見えた

「カリン様!見に来てくれたんですね!!ありがとうございます!!」

「うん。なかなか良かったわよ。」

「嬉しいです〜。」

「でもこんなのじゃダメね。」

「え?どこがダメでしたか?」

「全然可愛くなかった。」

「…は?…え?可愛くなかった??」

「うん。ちっとも全く可愛くなかった。こんなんじゃいい男釣れないわよ?」

「いい男を釣る為に音楽やってるわけじゃないので…」

「こんなことして楽しい?」

「はい!」

「そう。でも世の中権力あるものの言いなりなのよ。私達は操り人形。本当に自由になりたいなら金と権力を手に入れることね。」

「カリン様も自由になりたいんですか?」

カリン様は不敵に笑う

「私はこの国の女王様になって本当の自由を手に入れてみせる。」


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