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第五十話 2年後には

その後はみんなに囲まれて寝ろ休めとうるさかったので私は寝た

寝た時刻は夕方の17時頃だったが、旅の疲れも頭の怪我も精神的な疲れもあったからだろうかそのままがっつり寝てしまった

私が起きた時間は早朝の4時半だった

同室のリリーはぐっすりと寝ているので、楽譜を書きに私はホテルのロビーへと移動した

「何やってんの?」

振り向くとアーマーがいた

「早起きだね。アーマー。私は楽譜を書こうと思ってロビーに来ただけだよ。」

「ルナには追跡魔法がかかっている。部屋から出たらわかるようになってるからな。昨日少し一人になっただけであんな目にあったのに不用心すぎないか?」

「まぁ…たしかに。楽譜を完成させたくてそこまで考えてなかったな。」

「死にかけたのわかってる?」

「ちょっと頭から血が出ただけだよ。大袈裟だなぁ。」

「打ち所が悪ければ死んでいたぞ。」

「奴隷になるよりは死んだ方がマシ。」

アーマーは私の両肩をガッと掴む

「本気で怒るぞ。」

本気で睨まれたのは初めてだった

気迫

殺気

オーラだけで人を殺せそうだ

一度目の人生でアーマーは好きな女を刺し殺したらしいから

私だっていつ殺されるかわからない

アーマーの力は最強だけど

心は純粋な子供そのものだから

理性的に行動することはほとんどなく

衝動的に感情的に力を振りかざす

「…わかったよ。単独行動は今後絶対にしないから。」

「常に俺の側にいること。いいね。じゃあ俺の部屋に来なよ。俺の部屋は一人部屋だからゆっくり楽譜を書けるよ。」

「わかった。」

私はアーマーに連れて行かれてアーマーの部屋に入る

私は楽譜を書くことに熱中して気付けば朝食の時間になっていた

ジャッカルとリリーに誘われて私とアーマーは一緒に近くのレストランで朝食を食べることにした

「ルナは一回目のライブは不参加にするから。」

ジャッカルが唐突に言う

「はぁ!?なんで!?」

「頭の怪我は全治一週間と医者から言われたからな。安静にしてろ。」

「ハァ〜??藪医者だよ!!もう全然なんともないし、平気なのに!!」

「昨日泥のように寝ていたくせに。」

「頭の怪我は関係ないもん。旅で疲れたからだもん!!」

「旅の疲れもあるし、三日後のライブは無理だ。」

「余裕だし!寧ろ歌わないと悪化するし!!」

「お前さぁ…なんでそんなに生き急いでんの?一回休んで安静にするぐらいで騒ぐなよ。」

「だってこんな幸せ長く続かないもの。私があと何回ステージに立つ回数は限られてるもの。」

「…?お前が心配しなくてもこの楽団はそんな簡単に潰れたりしない。」

「違う。あと2年で戦争が始まる。」

「…は?」

「そうなったらこんな呑気に音楽活動なんて出来ない。私は戦争が始まっても歌い続けるけどね。」

「戦争が始まるなんて聞いたことないけど。」

「信じても信じなくてもいいよ。でも私は戦争が始まると思ってる。だからたった一回のライブだって私にとっては大事な大事なステージなの。だから三日後のライブも出るから。ダメだと言っても乱入してやるから。」

「そんな出鱈目を信じるなガキ。心配しなくてもこの国は平和だ。」

「もしも本当に戦争になったら?楽団は解散する?命が一番大事?」

「…。」

「違うよね。」

「俺は何があってもこの楽団を辞めるつもりはないよ。」

「ジャッカルならそう言ってくれると思った。ステージ上で爆弾落っこちて死ねるなら本望だよ。」


バンッ


机をアーマーが叩く


「ルナの命よりも大事なものなんてない。軽率に命を捨てるような行動は許さない。もしも戦争になれば俺が敵国のの人類を全て滅ぼす。一晩で。ルナの自由を邪魔する奴らは生かしておけないからな。」


空気が凍る


「まぁ…もしもの話だから!!ね!!」

リリーが明るく話す

ムードメーカーがいてくれて良かった


「じゃあ私はライブ参加ということで。」

「二回目のライブは出すから安静にしてろ。」

「ぜっっっっっっっったい嫌!!!」

「お前の歌はエネルギーの消耗が激しいんだよ。」

「じゃあバラード歌う。バラード。」

「リリーの前でへっぽこな歌声を歌うのが恥ずかしくないのか?」

「私はいつもへっぽこだったし、今更そんなことで恥じらうわけないじゃない。」

「なんのバラード歌うつもりだ?」

「ライトの曲にバラードもあるから。」

「それを俺達はあと三日で練習するのか?」

「私一人でもいいわよ。」

「…明日俺の前で歌ってみろ。下手くそなら出さない。」

「あれ?そんな条件で大丈夫なの?」

「何が問題だ?」

「私知ってるんだから。私の一番熱心なファンはジャッカルだってね。私の音楽を愛してくれてるジャッカルなら…誰よりも輝く私を出さないなんて判断出来るわけないよ。」

「自惚れんな。下っ端。」

「絶対に認めさせてやるからね。ファン第1号さん。」




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