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第四十七話 砂漠の真ん中で

オアシスで生き返った私達はあと二日間の旅を再開する

私は荷馬車に座りギターを弾く

「下手くそ。疲れてる時に頭が割れそうな不協和音弾いてんじゃねえよ。」

ジャッカルが私なギターに文句を言ってくる

「練習している曲なんだから下手くそで当たり前でしょ。」

「もっと心地よい音を奏でろよ。聴くに耐えないぞ。」

「天才も最初はひよこなのよ。」

「アーマーはもうルナよりギター上手いぞ。」

「うるさいな!!どうせ私は凡人ですよ!!だからこうやって練習するしかないんでしょう?」

「うるせぇな。文句言われたくないなら頭が割れるような不協和音弾くな。」

「そこまでひどくないもん!!」

「地獄の状況から脱出したものの、みんな息をするだけで精一杯なのに、ルナは元気だな。」

「そりゃあねぇ。こんなに楽しいことなんてないもん。」

「死にかけが楽しいなんてとんだマゾ野郎だな。」

「生きるか死ぬかの瀬戸際を味わう時にこそ自分の命を感じない?」

「命を感じたら楽しいのか?」

「そうよ。最高にね。」

私は練習している難曲を弾くのを止める

「ウォーミングアップはおしまい。」

「なんだ?これから本番が始まるのか?さぞ心地の良い音色を奏でるんだろうな。」

「私に癒しの曲を求めるのはお門違いよ。」

「フッ。確かに。」

「私はいつも魂で弾いてるんだから。」

そして私はこの数日間、死にかけた経験を盾にして新曲が出来た

死にかけると走馬灯のように不思議な力が発揮されて

インスピレーションが湧くのだろうか

こんなに早く新曲が書けたのは初めてだった

私の曲は癒されるような曲ではなく

死にかけのやつらでも

目が覚めて

心を揺さぶらせる

心臓を喰らうよな曲しか書けないんだから


私はギターを掻き鳴らし

新曲を奏でて歌う

砂の舞う何もないこの土地で

私は歌う

批評されることもなく

愛されることもない

ただただ

自己満足だけの音楽

好き勝手にやり放題しても

私を止めるものなんて誰もいない

これが自由

最高の気分だ


新曲を気分よく歌い終えた

「どうです?私の新曲。眠れそうな心地よい音でしたか?」

ジャッカルに冗談まじりに私はニヤついて話す

「…バカ言ってんじゃねぇよ。衝撃で飯も食えねぇよ。」

「アハハ!!本当に死にますよ?」

「急に新曲なんて歌うからだろう…。」

後ろからカイが私に突撃してきた

「ぐぇっ!!」

衝撃で私は潰される

「ルナの今の新曲だろ!?すっっっっげぇ最高だったぜ!!なあ!!ドラムパートあんの!?」

「勿論あるよー。」

「早く!早く!!楽譜渡せ!!」

「まだ書いてないー。」

「ふざけんな!!早く書け!!今書け!!!」

「疲れたから宿着いてからね。」

「ふざけんな!!あと二日も待てねぇよ!!」

「あーー。カイは上手だから今の曲に適当に合わせて弾いてくれたら形になりそうだしそれでいいんじゃない?」

「ふ・ざ・け・ん・な!!!お前の曲書いた曲じゃねぇとぜってー嫌だ!!!」

「私よりも案外いい感じになるかもしれないじゃん。」

「お前の音楽を作り上げたいんだよ!!」

「ジャッカルとカイは私の曲好きでいてくれて嬉しいけど熱心すぎて疲れる。」

「お前の唯一の取り柄のくせに!サボるな!!」

「こんな砂漠の中でやるわけないじゃん。バカじゃないの?」

「こんな砂漠の中で急に新曲を披露するな!!」

「だって思いついたから歌いたくなって。」

「そのまま楽譜も書け!!」

「やれやれ書け書けばっかり。もっと言い方があるんじゃないの?そんなんじゃやる気起きないよ。」

「うっぜぇえええ!!だからお前のこと嫌いなんだよ!!」

「それはこっちのセリフだから!!うざい!!うるさい!!嫌い!!!」


「お前らもうそのへんにしとけ。ルナは今すぐ楽譜書きなさい。」

ジャッカルに喧嘩を止められた上にサイの味方をされる

「えええええええええ!!!なんでーー??」

「ルナが俺達をやる気にさせたのが悪い。」

「そんなことしてないですよ。」

「したよ。こんな新曲聴かされて魂奪われて弾きたくてしょうがなくさせたんだから。責任取れよ。」

「ねぇー!!アーマー!!二人が私を虐めるー!!」

「あっ!!この野郎!!めんどくせぇやつ呼びやがって!!」

アーマーは私を見つめたまま固まったまま動かない

「…?なに?アーマー??」

「俺も弾きたいな。ルナ。」

にっこりと笑顔でアーマーが答えた

「ほらみろ!アーマーだって俺達の仲間だ!!」

「いいから早く書け書け書け書け書け書け書け!!!」

「うるさーーーーい!!こんな揺れる馬車で書けるわけねぇだろうが!!!馬鹿どもがよぉ!!!」

「じゃあもう一回歌え!!」

「そうだ!もう一回聴かせろ!!」

「ルナ。俺も聴きたいな。」


「ルナちゃんのステージは終了しました!!閉店ガラガラ!!もう寝るから!!」


その後もやいやいと三人で文句を言ってきたが私は無視して昼寝をした





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