表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
43/148

第四十三話 ストレスには甘いものがいい

私はピアノを弾けることを隠していたわけではなく

アース音楽団にはピアノがないので

言う必要がなかっただけと説明しているのに

“出来る楽器は自己申告しろ”

“他に楽器を弾けるのか?”

とジャッカルに聞かれたからヴァイオリンも少し弾けると答えると

“弾いてみろ”

と言われたのでアーマーにヴァイオリンを借りて弾いたら

“下手くそ”

“人前で弾けるレベルで出来るかどうか聞いてるんだ”

とまた説教された



私はナイルとの演奏で気分が良かったのに台無しにされたことでかなりイライラしていた

説教が終わりアーマーと一緒に部屋に戻ろうとしたが

廊下でトランペットのホリーに会ったので

私は出会い頭に壁ドンをホリー決める

「お兄ちゃん〜。よかったら私と茶しばかない〜?」

私がそう言うと同時にアーマーが私の首を後ろから落としに羽交締めにしてきた

「おい。ルナ。目の前で堂々と浮気するなんていい度胸だな。」

「私とアーマーは恋人でもなんでもないもん!離してよ!!苦しい!!」


「お前らはいつも喧嘩ばかりして…仲良いのか悪いのか…」

ホリーが呆れて言う

「ルナ…何か嫌なことでもあったの?」

「うん。」

「ハァ……俺は今日は何を買ってきたらいいの?」

「今日はケーキ食べたい。ケーキ。」

「わかったよ…買ってくるから…部屋で待ってて。ルナは嫌なことがあるとすぐに俺をパシリにするんだから…。」

「ホールで買ってきてね。」

「はいはい…。」


私は自分の部屋でホリーのケーキを待つ

アーマーは当然のようにくっついて来て私の部屋に入ってきていた

「イチゴのショートケーキをホールで買って来たよ。」

「わーーーーい!!ありがとう!!!ホリーも一緒に食べよ!!」

「それはどうも。」

ホリーはケーキを切り分けて私とアーマーとホリーの分を分けてくれた

私はホリーに切って貰ったショートケーキを食べる

「いただきまーす!!」

口いっぱいに甘いケーキの味が広がる

美味しい

最高だ

嫌な気分も吹っ飛ぶ

「美味しい〜♡」

「よかったね。」

「生き返る〜。ホリーがいてくれてよかったぁ。私の精神安定剤だよ。」

「俺じゃなくてケーキがだろう?」

「どっちもだよ。」

「まぁ。これで元気になれるならいいよ。ルナにはいつも笑顔でいて欲しいからね。」

「おい!ルナを口説くな!!」

アーマーがケーキを食べながらキレて言う

「ルナの恋人は嫉妬深くて面倒くさいね…。」

「恋人なんかじゃないけどね。」

「二人は謎だらけだよね。」

「ホリーも謎だらけだよ?」

「俺は何も隠し事してないなら聞いてくれたら何でも答えるけど。」

「ホリーって何歳?」

「十六歳。」

「わかっ」

「十歳に若いと言われるとは…」

「何でアース音楽団に入ったの?」

「ジャッカルに声掛けて貰ったんだよ。俺の街で聖歌隊の後ろでトランペット演奏してたらウチで働かないか?って言われて。」

「へぇ〜。スカウトなんだ。」

「俺はトランペットにそこまで思い入れあるわけじゃないけど、旅をすることは興味あったからね。入れて貰ったんだ。」

「そうなの!?私と一緒だね!!私も一番は旅がしたかったの!」

「そうなの?音楽で天下取る〜とかいつも言ってるから音楽に命捧げてるんだと思ってた。」

「私は自由になりたかったの。」

「俺もだよ。家は大家族でね。自由なんて程遠かったからさ。」

「俺なんか王政教育詰め込まれて王になる為にレールを敷かれた人生を用意されているくそつまらん生活を強いられてたんだからな。」

「え?お…おうさま?」

「あ。」

「…。」

マジでバカじゃん。このバカ王子。

「アーマーは王子様です。」

「…え?は?こんなとこで何してるの?」

「本当にね。」

「大丈夫なの?」

「全然大丈夫じゃない。」

「ひぇ…。ルナは?ルナもお姫様なの…?」

「私はただの平民。」

「ルナに惚れて王子様が家出してるの?」

「そうだよ。」

「わぁ…。謎が解かれたぁ…。真実はいつも一つ…。」

「誰にも言わないでね?」

「こんなこと聞きたくなかったよ…。」

「口外する前に始末するか?」

「ひぇ!!お助け!!絶対言いません!!!」

「自分でバラしたくせに何言ってんだ。始末するならアーマーの方だよこのバカ王子。」

「もしかしてアーマーって魔法使える…?」

アーマーは指先にボッと炎を出す

「すっげえ!!かっけぇ!!!魔法初めて見た!!」

目をキラキラと輝かせてホリーは言う

「魔法を使いすぎるとソウルが濁って心が病んでしまうんだよね?」

「そんな話はない。使っても精神に問題があるなんて聞いたことない。」

「え?魔法は使いすぎると魔法の力に飲み込まれて魔物に変身するって聞いたけど…」

「なんだその変な噂は!!どこで聞いたんだよ!!そんな事実はない!!魔物なんてこの世にはいないだろうが!!」

「俺の街ではみんなそう言ってたけど。魔法を使用する度に自分を制御出来なくなって心に棲まう魔物が疼いてしまうと…」

「お前の街の魔法の噂出鱈目すぎる!!!」

「アーマーの指先も今魔物が蠢いてしまってるんじゃ…」

「そんな出鱈目を信じるな!!サンタを信じる子供と同レベルだぞ!?」

「サンタはいるよ?」

「お前何歳だよ!!!」

「十六歳だよ。」

もうホリーの夢を崩さない為にアーマーの体に魔物が住んでることにした方がいいんじゃないかな

サンタもいるし

魔物もいる

夢があっていいじゃないか

ホリーの純真さと甘いケーキで私の心の精神安定に成功した



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ