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第三十四話 自由

ずっと憧れてた

自由を

初めて手にした気がした

ステージから見える景色

湧き上がる観客

私の曲

私の歌声

私の演奏

このステージで奏でる全ては私のもの

この観客の声も

向けられた視線も

全部全部私のものだ

…フフッ

自由じゃなくてこれじゃ支配者かもね

でも悪くない

ずっと誰かに支配されてきた人生だった

初めて支配から解き放たれて

最高の気分だ

今このステージで死ねたら本望だ




演奏が終わりお辞儀をしてステージ袖へとはける

一曲歌っただけなのにハァハァと息が切れてしまっている

興奮が冷めやまない

目の前にいるジャッカルと目が合う

「みたか。ぶちかましてやったぞ。」

「あぁ。最高だったよ。ルナ。」

ジャッカルは私の頭をわしゃわしゃと撫でてステージへ上がる

「先輩として負けてらんねぇから。俺達もぶちかましてくるわ。しっかり聴いとけよ。ルナ。」

そしてジャッカル達の演奏が始まる

「悔しいけど死ぬほどかっこいいよ。先輩。」



演奏が終わり、私がいつも通り片付けようとすると

「あぁ。ルナはいいよ。今日の雑用係は出番のなかったアーマーくんだから。」

「え?」

「ルナは今日集まってくれたファンの方にお礼を言う係な。」

「わ…わかりました。」

私は出待ちしているファン達に対応する

「凄い!!ちっこいのに人殺しの目をして演奏してて最高に痺れたよ!!」

「何歳なの?十二歳!?凄いギター上手いね!!」

「小さいのに一人で初ステージ立たされて大変だね。でも凄いかっこよかったよ。」

「今度俺にも水ぶっかけてください!!お願いします!!」


なんか…思ってたの違う

私のファン?ってもっとなんていうか…可愛がってくれると思ってたのに

なんか変な人多い

私はありがとうございます今後も応援お願いしますと繰り返して挨拶した


挨拶も終わって宿に帰る前にアーマーの様子を見に行った

「アーマー。片付け終わった?一緒に帰ろ。」

「これはこれは。天才作曲家のルナさんじゃないですか。今日のステージ最高でしたよ。」

「雑用係にされたからって拗ねないの。私なんてずっと雑用させられてたんだから。」

「俺はどうせヴァイオリンしか出来ないポンコツさ。」

「アーマーのヴァイオリン凄いじゃん。そんな風に自分を卑下したらダメだよ。悔しい気持ちはわかるけど…」

「俺もギターやろうかな…」

「え!?本当に!?私が教えてあげようか!?」

「いや。結構です。」

「なんで!?」

「下手くそだから。」

「ひどい!!!じゃあジャッカルに教わるの?」

「あいつに教えを乞うなんて真似死んでもしたくない。」

「じゃあ誰に教わるのよ。」

「…。」

「素直に私に教えを乞えばいいんだって。ほら。言ってみなー?ギターを教えてくれってさ!!!」

「ルナに教えを乞うなんて真似死んだ後も生まれ変わっても絶対にしない。」

「変な意地張ってないで。ほら。言ってごらんよ。ルナ様ギターを教えてくださいって。」

「死んでも言わねぇ。」

「素直じゃないなぁ。」

「素直に言ってるが?」

「私に憧れたからギター始めるんじゃないの?」

「全然関係ない。全然関係ない。」

「なんで二回言った?」

「大事なことだから。」

「じゃあなんでギター始めるの?」

「ジャッカルに煽られたから。人を無能扱いしやがって死ぬほど後悔させてやるよ…。」







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