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第二十七話 残酷

私の初ステージが終わった

とても緊張して

足ががくがくに震えて

本当に生まれたての子鹿みたいになるんだなとか思って

でも…

歌い出すと楽しくて

最高の気分だった

ライトの最高傑作の曲を

観客のみんなに届けることが出来たことに

達成感を感じていた

私達のステージが終わり

ライトとトラとサムと抱きつき

「もうほんっとうに最高の時間ありがとうございました!!」

「ルナの歌凄かったよ。初ステージなんて信じられないよ。」

「ライトが私を指導してくれたおかげだよ!!本当にありがとう!!」

「こちらこそ。俺の曲を愛してくれてありがとう。」

「そんなん当たり前じゃん!!泣くからやめてよー!!」

「このまま俺のバンドに入ってくれたらいいのに…どうしても旅に出るの?」

「そう言って頂けるなんて光栄だよ。でも…どうしても出て行かないといけないの。契約だから。」

「出ていってもこの国の街で暮らせば問題ないだろう?」

「問題あるんだ。城を出たら私はこの国で生きていくことは出来ないの。ごめんね。」

「アーマー様がいるから?」

「…何か知ってるの?」

「実は以前、俺を尋ねて来たんだよ。釘を刺されたよ。ルナは俺の女だから手を出すなってね。」

「何やってんだ…あのバカ王子…。」

「アーマーから逃げる為に旅に出るの?」

「いや。本当に元々私は自由になりたくて旅に出たかったからアーマーは関係ないんだけどね。」

「そうなんだ…。」

「そんな悲しそうにしないでよ。あと半年ぐらい毎日通い詰めて顔を見るのも嫌だと思わせるぐらいにしてあげるから。」

「…俺の全てを半年で伝授するから。覚悟しておいね。」

「はい!!ライト師匠!!!」

その後、打ち上げをライトの屋敷で行った

みんな未成年だから

ジュース飲んでお菓子食べるパーティだけど

はしゃいで騒いで

楽しかった


打ち上げが終わり、私はグリード家に帰る

「あ!!クラウドお兄ちゃーーーーん!!」

「やぁ。ルナ。」

「ねぇ!!見てくれました?私の初ステージ!!」

「見たよ。凄かった。ルナ頑張ったね。」

「でしょでしょう!?クラウドお兄ちゃんに褒められることなんてほとんどないから嬉しいなぁ〜!!」

「音楽で旅をするなんて危険だから反対だったけれどルナなら大丈夫かもね。今回の大成功で驕ることなく地道に練習を重ねたらいいんじゃないかな。」

「ほ…本当ですか!?クラウドお兄ちゃんのお墨付きで背中を押して貰えるなら百人力ですよ!!」

「でも変なやつに絡まれるだろうから気をつけるんだよ?」

「わかってますよぉ!!」

「絶対わかってない…。」

「まぁまぁいいじゃないですか!今日ぐらいは説教しないで下さいよ!」

「そうだな…。よく頑張った。最高のステージだったよ。」

「あ!そういえばアーマーは大丈夫ですか?体調不良ですぐに帰ったって聞いたから…。」

「…重症だからしばらくは接触禁止だよ。」

「え!?そんなに悪いんですか!?体調悪いのにわざわざ来てくれたんだ…お礼だけでもダメ?」

「ダメ。絶対にアーマー様の部屋には入らないで。アーマー様からルナに会おうとするまで会ってはいけないよ。」

「そうなんだ…。わかった…。」

「…ステージから見えなかった?アーマー様の姿。VIP席に座っていたからよく見えたはずだろう?とても苦しそうにしていたけれど。」


「歌うことに全力だったからアーマーには全然気づかなかったな。」


「…残酷だね。」

「え?」

「いや…なんでもない。ルナは悪くないから。」

「うん?」

「じゃあね。頑張って。」

「ありがとう!!」

アーマーがそんなに体調悪いなんて…

心配だから手紙を書こう

手紙なら会わないから大丈夫だよね

私はアーマーに体調が早く良くなるように願う手紙と

体調が悪い中、ステージを見に来てくれた感謝の手紙を綴りガリバーにお願いをして届けて貰った

私は何度も見舞いの手紙を送ったり

プレゼントを贈ったが

アーマーから一度も返事を貰うことはなかった



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