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第二十二話 幸せに浸る人生はつまらない

次の日、私は赤いギターを抱えてライトの屋敷へと行く


「ギターはコードを覚えて演奏するんだ。」

そう言って楽譜を渡される

「読み方がわからない…。

「ここがギターの弦でここを指で押さえる。まずは一番簡単なCコードから押さえてごらん。」

「これであってる?」

「そう上手だよ。その状態で弾いてみて。」

私はギターを鳴らす

「こうやって楽譜を読んでコードを押さえて弾くんだよ。」

「おおー。」

「まずはこの十個のコードを覚えて弾けるようにしよう。」


私は渡された十個のコードをひたすら練習する

ライトは褒めてながら私の練習にずっと付き合ってくれた

「飲み込みが早くてすごいよ。」

「そうですか!?才能ありますかね!?」

「それはわからないけど…。」

「まだ初日だもんね。」

「ルナがギターを気に入ってくれて嬉しいよ。」

「最高にロックでかっこよかったです!私も早くライトみたいにギター弾きながら歌いたーい!!」

「そうなったら一緒に演奏しようね。」

「本当ですか!?やったぁ!!」

「マナは歌が上手だったからマナの為に曲を作ってあげるよ。」

「え?曲って作れるの?」

「ギター一本あれば作れるんだよ。」

「凄い!!」

「昨日のバンド曲も俺が作った曲だよ。」

「えぇーー!!!凄すぎるよ!!天才だよ!!こんな屋敷出たら世界を獲る音楽家になれるよ!!」

「あはは。ありがとう。でも世界を獲るつもりはないよ。私は趣味の一環でやると決めているんだ。」

「えぇ…もったいない…。」

「今の貴族の暮らしが気に入っているからね。」

「そっか…じゃあさ。私が上手になってライトの曲を世界中に広めるよ!!」

「マナは屋敷を出た後に旅をするの?」

「そう!!私は音楽家になって世界中を旅するの!!」

「素晴らしい夢だけど…少女が一人で旅をするのはあまりにも危険だと思うけど…。」

「死んだって構わない。」

「…え。」

「幸せに暮らすことに飽きたの。ライトは貴族の暮らしを気に入ってるみたいだけど、私はダメね。性に合わない。やりたいことをやって生きたい。どれだけ危険だとしても。」

「死ぬのが怖くないのか?」

「怖くないと言えば嘘になるけれど…。このままグリード家で一生暮らす方が怖いかな。」

「どうして?酷い扱いでもされているの?」

「まさか。孤児院出身の卑しい血筋の私にもグリード家は優しくしてくれたわ。使用人達も私を悪く言ったり、嫌がらせをされたのもなんて一度もない。幸せな暮らしをさせて貰ってるわ。」

「じゃあどうして怖いの?」

「ずっと幸せが続くのなんて生きてて意味があるのかしらね。」

「どういうこと…?」

「成功も失敗もなく、与えられた幸福に浸る人生程つまらないものはないわ。そんなものは死んでから天国で過ごすのと変わらないでしょう?」

「天国のような所で生きていけたら最高の人生じゃないか?」

「私は絶対いや。」

「死ぬ方が絶対いやだけど…。」

「価値観は人それぞれですから。」

「ルナが特殊すぎるんじゃない?」

「最高にロックでしょう?」

「たしかに。」

私達はたわいもない雑談を交わしながらギターの練習をした

「コードは何回も弾いて体で覚える方がいいよ。」

「うん。帰っても何回も練習して頑張る。」

「音楽で旅をするならギターが一番いいからね。危ないから一人で旅をすることは反対だけれど、世界中を旅している音楽団に入って旅をすればいいんじゃないかな。」

「一人の方が気楽そうだけどなぁ。」

「かっこいいバンドかもしれないよ?」

「なるほど。」

「かっこいいと思える音楽団なら入れてもらうように声を掛けるべきだよ。その方が安全に旅が出来るからね。」

「うーん…。死ぬのは嫌だから音楽団に入るか。この世界には私の知らない音楽がまだまだたくさんあると思うと楽しみで仕方ないよ!!」

「…ルナが言っていた言葉の意味が少しわかったよ。」

「なんのこと?」

「自由に旅が出来るルナが羨ましく思ったから。幸せに浸る人生はつまらない…か。」

「ライトに全てを捨てる覚悟があるなら、私と一緒に一年後旅に出ようよ。」

「いいや。俺はつまらない幸せが好きなんだ。音楽は趣味で出来る中途半端な貴族でラッキーなんだ。今の暮らしを気に入ってるからね。」


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