表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

131/145

第131話 悪役令嬢

私はガリバーと一緒にサテライト様の屋敷へ行こうと廊下を歩いていると

「あ!グレイ!」

廊下には執事のポールと一緒に歩くグレアがいた

「ルナお母様。高級なドレスを身に纏っている姿を目の当たりにすると少し実感してきましたね。ルナお母様が王家の娘だってこと。」

「私は養子だから。こんなドレス馬子にも衣装よ。」

「そんなことありません。とてもよくお似合いですよ。」

「ポールに執事服着せられちゃって…大丈夫?嫌な思いしてない?」

「はい。ポール様は僕にとても配慮して頂いてます。穏やかに過ごせていますよ。」

「そっか…無理矢理連れてきちゃったから不安だったけれど…よかった。」

「魔法学校に通ってもいいと打診もして頂いてるんです。僕の年齢で魔法を使える人材は本来魔法学校に通う決まりがあるようなので。」

「え!?そうなの!?行きたいの?」

「…迷っています。学校に通うなんて夢のまた夢だったので…憧れはありました。でも…学校は全寮制なのでルナお母様と会えなくなってしまいますから…」

「私のことは気にせず好きなことやればいいよ。」

「ルナお母様は僕と離れても大丈夫なの?」

私はグレイを抱きしめて答える

「寂しいけれど…子供は親から旅立つものだもの。グレイが1番やりたいことをすればいい。私の子供だもん。やりたい放題やって困らせるぐらいすればいいのよ。」

「わかりました。よく考えて自分で決めます。」

「うん!じゃあ私はサテライト様の所に遊びに行ってくるね〜」

「ルナお母様。アース音楽団にはもう戻れないんですよね?ここで暮らすんですよね?」

「…アース音楽団にはもう戻れない。」

「そうですか…。」

「最後の挨拶ぐらいはさせてもらえるみたいだからさ。その時は一緒にアース音楽団に会いに行こうね。」

「…辛くないですか?あんなに大好きだったアース音楽団を抜けることになるなんて…」

「辛いよ。めちゃくちゃ辛い。でも…仕方ないことだから。やりたい放題やりすぎてツケが回ってきただけよ。因果応報。夢の時間は終わったの。」

「次は僕も一緒に住みますから。音楽旅の時よりも退屈させない毎日に僕がしてあげますよ。」

「そんなことしたらポールに怒られちゃうよ?」

「いいんですよ。僕が怒られるぐらいで済むなら。ルナお母様の笑顔がなくなる方が嫌ですから。」

「やーん♡世界一可愛い私の息子♡」

「僕は忙しいので、失礼しますね。」

「バイバイ。グレイ。ポール…ありがとう。グレイをよろしくね。」

「お任せください。ルナ様。」

心を読まれたら一発アウトなのに私の刑罰についてグレイにはバレなかった

おそらく…ポールが阻止してくれていたのだろう

「あんな子供を騙して…ルナ様は極悪人です。」

とガリバーに言われる

「極悪人だから罰が下るじゃない?」

「悪行を重ねないでくださいよ。」

「…今はまだ話せないだけ。アース音楽団にはちゃんと全ての真実を話すからその時に話すわよ。」

「育児放棄はよくないですよ。ここでグレイと暮らしましょうよ。」

「罪人の親なんて業を背負わせるわけにはいかないでしょう?手放してあげることも愛なの。」

「逃げる言い訳にしか聞こえませんよ。」

「私はいつも最低な人間だよ。」


私とガリバーはサテライト様の屋敷に到着した

「ようこそ。ルナ。」

「お久しぶりです。サテライト様。」

「昨日会ったばかりじゃない。」

「こうしてゆっくり話すことが久しぶりなんですよ。」

「連れ戻すのはアーマーだけでいいと言われていたからルナはあのまま旅を続けてもよかったのに。」

「私の大事な恋人のアーマーだけ見捨てることは出来ないもの。」

「ファ!?え!?う…嘘でしょう!?」

「本当です。」

「あんな人の心のないサイコパス人間のどこがいいの!?」

「私の為に死んで、私の為に殺人鬼になったアーマーを見捨てることはできませんよ。」

「…それは恋ではなくて同情じゃないの?」

「そんなのどっちでもいいんですよ。情が湧いてしまったんです。ほっとけないですよ。」

「同情で一緒にいるならいつかは破綻するからやめた方がいいわよ。適当な理由つけてアース音楽団に戻りなさい。」

「もう戻れないし、ここにも住めなくなっちゃったんですよ。」

「…どういうこと?」

私はサテライト様に私の刑罰を説明する

「なんで1番最悪な選択肢を選ぶの?」

「最善だと思ってますよ。」

「誰も幸せにならないわよ。」

「私はハッピーエンドですよ。」

「5割の確率ぐらいで死ぬと言われたのでしょう?」

「元々死刑にして貰うだったんです。生存率が5割になっただけで十分な救済措置ですよ。」

「…ごめんなさい。私がルナの力のことを話したりしたから…反逆の血筋なんて知らなかったの…。」

「いいんですよ。戦争を阻止する為に話さないといけなかったのでしょう?私はサテライト様には感謝の気持ちしかないです。サテライト様が10年時を戻してくれなかったら…私人生生き地獄でしたから。」

「私じゃなくて10年時を戻したのはルナだけどね。」

「私の時間回帰の力は1人ではな発動しないんですよ。必ず2人で時を戻す。だから…私のヒーローはずっとサテライト様です。」

「私は処刑される運命だったのよ?それをルナの力でやり直せた。今は恋人もいて…毎日楽しく過ごせている。本当にルナには感謝してもしきれない。ルナには幸せになってほしい。」

「幸せになんてなりたくないんです。私は自由に生きたいんです。」

「幸せになるって凄い奇跡なのに。」

「そんなことないですよ。サテライト様が幸せなのはサテライト様の努力の賜物です。クラウドお兄ちゃんと幸せになってくださいね。」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ