第128話 覚悟
私とお父様との話し合いで私の刑罰が決定した
思い残すことは何もないけれど
お世話になった人達へ挨拶周りぐらいはさせて頂けるようだ
私は自室に戻り、1度休むことにした
「ルナ様!!」
「わぁ!ガリバー!!久しぶり〜!」
自室には私の護衛騎士をしていたガリバーがいた
「うぅ…2年間でこんなに立派なレディになられて…旅の生活は危険だらけだったでしょう?ご無事で何よりです。」
ガリバーは目に涙を浮かべながら話す
「ずっとアーマーが一緒だったから安全だったよ。とても楽しい音楽旅だったよ!」
「楽しめたようでよかったです。でもこれからはこの城で過ごすことになるんですよね?俺がまた護衛騎士に任命されましたので、よろしくお願いします!」
「いやそれがね…ここで暮らすことはしないことになったの。ごめんね。」
「そ…そんなぁ…また一緒に暮らせると思っていたのに…旅に出られるのですか?」
「旅にも出られない。」
「じゃあ…どこに行かれるのです?」
私は先程お父様と話し合って決まった刑罰をガリバーに説明する
「どうしてそんな危険なことを了承したのですか…?」
「自由になりたかったから。」
「そんな…!!ここで暮らす方がいいですよ!考え直してください!」
「ここで暮らすのは絶対嫌なの。」
「どうしてですか?俺達穏やかに幸せに暮らしていたじゃないですか!」
「だって…ここから出たらダメなんだもん。」
「ここから出られなくても不自由なく暮らせます!音楽だって続けていいと言われたでしょう?」
「ごめん。」
「俺は反対です!旅に出るときは応援して送り出せましたけど…今回は死ぬ可能性が高いんですよ!?そんな危険なこと…」
「ごめんね。どうしても自由になりたいの。決めたことだから。」
「…ルナ様は変わらないですね。俺の言葉なんて耳も傾けてくれない。」
「ガリバーがいつも過保護すぎるんだよ。」
「ルナ様が破天荒すぎるんですよ。」
「えへへ…」
「何照れてるんですか褒めていません。」
「刑執行まではガリバーにまた護衛してもらうからさ。よろしくね。」
「刑執行っていつなんですか?」
「私のタイミングでいいらしい。お父様としてはここで暮らして欲しいみたいだから。」
「一生ここで暮らしましょうよ。」
「絶対いや。」
私は服装を簡易的なドレスに着替えて身支度をする
「アーマーに会いに行ってもいい?」
「ダメです。まだ安全が確保できていません。」
「私に攻撃するわけないじゃん。」
「そういう意味ではありません。隙を見せると脱走されると言っているんです。」
「私がここにいる限り脱走なんかしないわよ。」
「一緒にすると逃げ出すかもしれない。」
「大丈夫。話し合うだけだから。」
「…王様に許可を得てきます。」
「ありがとうガリバー。」
ガリバーはお父様に許可を得てきてくれた
私とガリバーはアーマーが囚われている牢屋へと向かう
牢屋は魔力遮断がされていて牢屋の中では魔法が使えないようになっている
牢屋に入るとアーマーは椅子に座らされていて
足枷も手錠もつけられているアーマーがいた
「やぁ。ルナ。ここはルナの敵だらけだろう?こんな胸糞悪い所にいられないよなぁ?早く逃げようぜ。」
「どうせすぐ捕まるわよ。」
「俺を誰だと思っている?ルナと2人逃げることなんて造作もない。王宮魔術師も騎士団も全員欺けるよ。」
アーマーがそう言うとアーマーを監視している騎士が剣を向けて威嚇する
「…敵国がこれからどう動くのかまだわからない。降伏してくれるならすぐに一緒に出られるようにお父様に説得してみるから。それまで待ってくれる?」
「ハッ!あいつがそんなことを許すわけないだろう?」
「戦争がないなら解放してくれるわよ。私もアーマーも必要ないもの。」
「そんなわけないだろう?ルナは監視される能力者だ。戦争関係なく監禁される。この城にね。」
「昔の話よ。今はこの力でこの国を救った英雄よ?そんなことされないわ。私とお父様が仲良いのは知ってるでしょう?」
「…。」
「ちゃんと話し合って解放されて今度こそ堂々と2人で旅ができるようにするからさ。少し待ってくれる?こんな牢屋で待たせるの申し訳ないけど…流石にここから出してもらえるようには説得できないから。」
「わかった。ルナを信じて待っている。」
「ありがとうアーマー。ごめんね?私頑張るから。」
「こんなところで縛りつけられて辛いんだ。毎日会いにきてくれる?」
「もちろん。」
私はアーマーと約束をして牢屋を出る
「…あんな嘘ついても意味ないですよ。アーマー様には見透かされてますよ。」
「フフフ。そうかもね。でも真実を伝えるわけにもいかないでしょう?」
「…。」
「嘘でも毎日会いに行って宥める時間を作らないとさ。暴走して1人で反逆はじめちゃうかもしれないじゃん?」
「それは…おそろしいですね。」
「明日からお礼参りに行くから、ガリバー護衛よろしくね。」
「俺はルナ様がここで暮らすこと選んでくれるようにこの世界で未練が残るように誘導しますからね。」
「愛されてるなぁ。」
「絶対諦めませんから。」