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第120話 おかえり

アーマーも合流して私とルナとアーマーの3人で3日後のライブまで過ごすことになった

「せっかく自由になれたんだしさ。やりたいこと全部やろうよ!」

とルナが言う

自由を愛するルナは何をしてもいい自由な状況を誰よりも楽しんでいるように見える

「男遊びはやめたの?」

「あっ!バカ!!」

私はわざとアーマーの前でルナが男遊びをしようとしていたことを暴露する

私は今恋愛事には敏感な時期なのだ

人の不幸を眺めて心の栄養を回復させないとね

「ルナは男遊びしていたのか?」

「うん。5人ぐらい同時に遊んでたわよ。」

「鬼ごっこしただけだもん!!」

「ルナ…浮気…?」

「違う違う!!子供達と遊んだだけだよ!私はアーマー一筋だよ♡男遊びはリリーにジャッカル以外の男の良さを知ってもらいたかったから提案しただけだもん!」

「リリーがジャッカル以外の男を好きになるわけないだろう。無駄なことはやめろ。」

「どうして?視野が狭いんじゃない?いい男なんて世の中には溢れてるのにもったいない。」

「悪い男でも構わない。ジャッカルがいいんだよリリーは。」

「意味がわからない。悪い男なのに好きなの?」

「俺はルナのこと極悪人だと思ってるけど。」

「大天使の間違いじゃなくて?」

「それでも…好きだよ。」

「恋をすると大変だね。」

「ルナも俺に恋してるんじゃないの?」

「え?私はアーマーが優しくてかっこいいから恋人にしただけだよ。アーマーが意地悪で好みの顔じゃなかったら恋人になんてしてないよ。」

「そう…。」

なんとなく微妙な空気になってしまう

「やりたいこと。あるよ。」

話題を変えようと私は切り出す

「お!何する?何する?」

「街を自由に探索したいな。」

女の子1人で街を探索することは危険なので禁じられている

他の人を連れてなら探索してもいいけど…

私はいつもジャッカルについて回っている

ジャッカルが行きたい場所に私がついていくだけだ

私が行きたい場所なんて言えなかった

拒絶されることがこわくて

私のことなんて面倒な存在だと実感するのが嫌で

言えなかった

「いいね!いいね!行こう!」

ルナが私の手を引き街へと飛び出す

「クレープ屋に行ってみたかったの!!」

私達は3日間遊びに遊びまくった

クレープ食べて

アイスクリーム食べて

公園でサッカーして

海で泳いで

演劇を見に行って

やりたかったことを全てやった

お金は富豪のアーマーが全て出してくれた

すっごく楽しかったし

すっごく嬉しかったけど

やっぱり私の頭にずっと残るのはジャッカルのこと

どこにいってもジャッカルと一緒にやりたかったなと思ってしまう

自分の依存度に嫌気がさす

こんなんじゃ嫌われて当然だ

離れていても不安な気持ちが募っていって

会うのが日に日にこわくなっていた


「今日はアース音楽団のライブの日だね。」

とルナが言う

「そうね…。」

「見に行こうよ!」

「え?」

「アーマー!ライブ会場までワープして!」

アーマーはルナの指示通りに移動魔法を使って私達はライブ会場に着いた

ステージの上にはジャッカルの姿が見えた

久しぶりに見たけど

やっぱり世界一かっこいいし

死ぬほど好きだな

「え!?ちょっと信じられない!!」

とルナが言う

「どうしたの?」

「グ…グレイが!!ベース持ってステージにいるんだけど!!」

「あ…本当だ…」

「は…初ライブを私と一緒じゃなくてジャッカルと一緒にやるなんて…!!3日間育児をボイコットした代償が!!ひどすぎる!!」

ルナは手が震えて涙目になりながら怒っていた

「この3日間で実力上げたんじゃない?よかったわね。」

「初ライブの感動を一緒に分かち合いたかったのに!!ジャッカルって本当に悪い男だよ!!リリー!!」

「そうかも。でも…それでも好きなの。」

ジャッカル、カイ、ナイル、ホリー、そしてグレイが演奏を始める

「これって…」

ルナが作曲した曲だった

キーを下げてジャッカルが歌っている

低音ボイスが心地よくルナが歌う時とはまた違った良さがある

久しぶりに聴くジャッカルの歌声は

死ぬほどかっこよくて

もう何度も何度も惚れ直しちゃうぐらい

好きな気持ちがどんどんおっきくなっていった

嫌われても

うざがられても

女として一生扱ってくれなくても

ルナに敵わなくても

私はジャッカルと一緒にいることをやめられない

どんなに苦しくても

好きな気持ちを捨てることは一生無理だから

離れても苦しいのなら

一緒にいる苦しみを選ぼう

ジャッカルのかっこよさに釘付けになっている間にライブが終わってしまった

隣にいるルナを見ると

「フフフッ。かっこよかったね。ジャッカル。」

と笑って言う

「ジャッカルはいつもかっこいいけど…ステージにいるジャッカルがやっぱり1番かっこよくて好き。久しぶりに歌声聴いたけど…やっぱり世界一かっこいい。」

「本家よりも上手く歌うなんてひどいよね。」

「フフッ。ルナはルナの良さがあるから。」

「どうする?帰る?逃げる?」

「もちろん帰るわよ。」

「一緒にいても苦しめられるならもっと我儘言ってもいいんじゃない?」

「そうね…一緒にクレープ屋さん行くぐらいの我儘言ってもいいかな。」

「もっと図々しく生きないとね!!」

「ルナは絶対やりすぎだけどね。」

私もルナもいないステージに観客は怒るかと思ったけれど

ルナの曲をかっこよく歌い上げたことで会場は大盛り上がりをして終了した

ファンミーティングの時間になり

ルナは真っ先にグレイに会いに走って行った

私はジャッカルに会いに行く

私の番になりジャッカルに私は言う

「すっごくかっこよかったです。ファンになりました。」

「…どうもありがとう。」

「握手してください。」

ジャッカルは握手をしてくれた

「…すまなかった。リリーも大事仲間なのに配慮に欠けていた。」

「いいえ。私がひどい八つ当たりをルナにしたのが悪かったの。私の方こそごめんなさい。」

「戻ってきてくれ。リリーが必要なんだ。」

ジャッカルが私のことを必要としてくれている

涙が溢れて止まらない

「私は…一生ジャッカルの側にいます。嫌われても付き纏いますから。覚悟してくださいね。」






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