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第116話 仲直り

ロビーでカイと喧嘩をしてしまい心が休まる場所を求めてアーマーとグレイの部屋へと行く

「生きてるのが辛い。」

私はそう呟いてベッドへダイブする

「そんなに辛いならこのまま3人で旅をするか?」

とアーマーに言われる

「無理だって…ジャッカルがついてくるもん…」

「このまま黙って3人で移動すればいいじゃないか。俺の移動魔法があれば可能だぞ。」

「…やっぱりダメ。そんなことしたら2度と会えなくなる。円満退団出来ないなら抜けたくない。」

「このままリリーと地獄の旅を続けるのか?」

「現実を突きつけないで。現実逃避しに来てるんだから。」

「このまま地獄の空気の旅を続ける方が辛くないか?もう俺達だけで抜けようよ。」

「大丈夫だもん…仲直りするもん…」

「現実的じゃないな。」

「ううう…優しくして…」

私がそう言うとアーマーは頭を撫でてくれた

とても心地よくそのまま寝てしまいそうだ

「ルナお母様。リリーも言いすぎたと後悔していると思いますよ。話し合いをすれば意外とすぐに仲直りできるんじゃないですか?」

とグレイが慰めてくれた

私はグレイの頭をわしゃわしゃと撫でる

「ありがとう…そんな優しいことを言ってくれるのはグレイだけだよ…」

「リリーの部屋に帰りましょうよ。僕も一緒について行ってあげますから。」

「やだ。無理。こわい。」

「ちゃんと話せば大丈夫ですよ。」

「やだやだやだやだ!!むりむりむりむり!!嫌われたくない!嫌われたくない!!嫌われたくない!!」

「大丈夫ですって…ほら行きましょう。」

グレイが私の手を取り体を起こして連れて行こうとするので

「今日はむり!!明日から本気だす!!明日から本気出すから!!」

「それ明日も絶対やらないじゃないですか…」

私はベッドに再びダイブして蹲る

アーマーが頭を撫でてくれるので

そのまま心地よくなって眠ってしまった


「リリーの心読んだのか?」

「はい…嫉妬の感情が大半を占めてしますが…言いすぎて後悔している気持ちもあるようです。話し合いをすれば仲直りできると思うんですけど…」

「ふん。俺はこのまま3人で抜けたかったのに。すぐに仲直り出来てしまうなんて残念だ。」

「何故3人で抜けたいのですか?」

「ルナを独り占めに出来る時間が増えるから。恋人なのに月2回しか2人きりになれないなんて拷問すぎる。」

「僕は…アース音楽団が好きなので早く仲直りして欲しいです。」



私はあのまま1時間ほど寝てしまったらしい

目が覚めるとアーマーとグレイが2人で魔法の練習をしていた

2人が魔法を使っているところを見ると身分の違いを実感する

むくっと体を起こすと

「おはよう。ルナ。よく寝れた?ルナが寝たからまだ食事をしていないんだ。起きたなら行こう。」

「ふぁ〜…おはよう。お昼ご飯食べるの待っててくれたんだ。ありがとう。」

「ルナが好きなシチューでも食べに行こう。」

アーマーは私が元気が出るように気遣ってくれている

「うん。ありがとう。アーマー。」

私達が3人で出掛けようとしていると

リリーとジャッカルがロビーで何か話をしているところに鉢合わせしてしまう

「いい加減にしろリリー。リリーのせいでルナが曲を作れなくなったらどうするんだ。」

「私は別に困らないもん…」

「いつまで拗ねているつもりだ。」

「だって…!!ルナだけ特別扱いされるなんて狡いもん…。」

「だからってルナに嫉妬して八つ当たりするな。ルナは何も悪くないだろう?」

「ルナルナルナルナ!!ジャッカルはルナのことばっかり!!私は…ジャッカルの特別になりたいと願っているだけなのに…」

「気に入らないならリリーがアース音楽団を抜けろ。ここにいるならくだらない八つ当たりはやめて早くルナに謝れ。」

「うう…ルナばっかり…大事にしないでよ…私だってこんなに頑張っているのに…」

「リリー。気に入らないならアース音楽団を抜けろ。」

「ごめんなさい…我儘言わないから…ジャッカルの側にいさせて…」

とポロポロ涙を流してリリーは言う


一部始終を見ていた私は衝動的に

パァン!!

とジャッカルの頬にビンタする

「…何をする。」

「あまりにも最低だから。酷すぎるよ。ジャッカルは何でリリーを奴隷解放したの?リリーのことを一生守る覚悟がないならそんなことするべきじゃないと思うけど。」

「リリーはもう18歳になった。俺の保護者役は終わりだよ。リリーは1人でもやっていける力があるんだから俺から離れて活動してもいいはずだ。」

「ジャッカルの為に尽くしたリリーに対してあまりにも不誠実じゃない?」

「どこがだよ。ルナに八つ当たりしてるリリーが悪いだろうが。ルナを攻撃するやつはアース音楽団にはいらないよ。」

「リリーはジャッカルが大好きなのに!!そんなことで追い出すような発言するなんて酷すぎるよ!!」

「ルナが音楽活動するのにリリーが邪魔ならいらないのは事実だ。」

私はブチ切れてしまった

リリーはジャッカルが大好きなのに

ジャッカルの為にあんなにも美しく歌っているのに

ジャッカルの側にいないと歌えないのに

恋する乙女の気持ちをわかってなさすぎる

「ボイコットします。」

「は?」

「次のライブは私とリリーはボイコットします!!」

「な…なんだと…!?」

「リリーがどれだけアース音楽団に、ジャッカルの為に尽くしていたか全然わかってないからそんなこと言うんだよ!!私達がいなくなって少しは困ればいいわ!!」

私は移動スクロールを取り出し

リリーに手を伸ばす

「来て!!逃げよう!!」

リリーは少し迷って

私の手を取った

「待て!!少し話し合ってから…!!」

「さよなら。ジャッカル。」

私は移動スクロールを破り

リリーと2人でボイコットの旅が始まった


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