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第102話 ギター強化期間

私とグレイはその後もよくドミノさんの家に行ってギターとベースの練習に付き合ってもらった

その時にライトの昔話をよく聴かせてくれるので楽しかった

幼少期はギターが好きすぎて寝る時もギターを抱いて寝ていたとか

新しいギターを購入したくて両親に黙って平民のフリをして貴族なのに町で働いてお金を稼いでいたとか

初めて作曲したのは初めて出来た彼女の為に作った純愛のラブソングだったとか

ライトの昔話をたくさん話してくれた

面白い話もたくさんしてくれるし

私のギターも上達するし

グレイのベースも上達出来たし

この街に来てから

ドミノさんに出会ってから

本当に有意義な時間を過ごすことが出来ている

私はドミノさんに教えて貰ったライトの初作曲のラブソングを鼻歌で歌いながら宿のロビーを歩いていると

「お。なんだ?新曲か?」

とジャッカルに話しかけられる

「ぶっぶー。これはライトの曲でーす。」

「そうかよ。新曲は?作ってるのか?」

「全然やってない。」

「おい!ふざけんな!!」

「この街ではギターの技術向上期間なの〜。ドミノさんにギターを教えて貰ってるの〜。」

「ルナのギター技術なんて誰も求めてねぇよ。」

「私が求めているの!!いつまでもジャッカルとカイに下手くそ下手くそ言われるの嫌なんだもん!!」

「ルナがギターを練習したところで玄人のギタリストには絶対に敵わないんだから。ある程度弾ければ問題ないからな。」

「でも人前で弾くなら私だってプロのギタリストでしょう?未だに拙いギターを弾くのはやっぱり恥ずかしいし…」

「ギターが上手く弾けるやつはこの世にはたくさんいる。でも、人を惹きつける作曲をするやつはごく僅かだ。ルナは作曲の才能があるんだから作曲活動をやるべきだ。」

「この街限定でギター技術向上期間にしたいの!」

「ダメだ。」

「けちんぼ!」

「なんとでもいえ。」

「あのさぁ…作曲活動ってやっぱりやる気がないと難しいと思うんだよね。無理矢理作るものじゃないと思うの。この気持ちを歌いたいとか表現したいものがないと難しいよ。」

「はぁ?駆け出しの作曲家のくせに何一丁前にクリエイター論語ってんだ?少し慣れたらすぐこれだよ。お前は適当にやりたくない理由をつけてるだけだ。別に全て最高傑作にしろなんて言ってない。曲を作らないことがダメだと言っている。どんな精神状態でも作曲が出来るようにしろ。とにかく書け。」

「私は数より質を上げたいタイプなんだけど。」

「じゃあどうやって質を上げるつもりだ?経験じゃないのか?書くんだよ。曲を書き続けないと質なんて上がらないよ。」

「他にも方法はあるんじゃないの?アース音楽団以外の演奏を聴きに行くとか。」

「じゃあ別の音楽団の演奏を聞きに行って書け。今すぐに書け。」

「そんなに急がなくたっていいじゃん!!」

「意味不明な言い訳ばかりするな。下っ端のくせにサボろうとするからだよ。書けない理由を探すな。とにかくやれ。やる気はあとからついてくる。」

「ううぅ…」

「ここで今からやれ。」

「え?」

「作曲用の楽譜持ってこい。」

「疲れたからまた明日…」

「話聞いてたか?今すぐにやるんだよ!!言い訳ばっかり述べてないで早く作れ!!今すぐに楽譜取ってこい!!」

私はダッシュで自室に帰り

作曲用の楽譜を持ってジャッカルの前に戻る

「作曲の題材がないから困ってるんだろう?」

「そうですね。」

「じゃあ俺の為に曲を作れよ。」

「え?」

「俺のことを歌った曲を作れよ。」

この人本気で言ってるよ

俺の曲を作れだなんて

めんどくさい恋人みたいなこと言ってるんだけど

「ジャッカルの曲はちょっと…書くならグレイの為の曲かな。」

「なんでだよ!俺だろ!俺!!ルナを拾ったのは俺だぞ!!恩人への感謝の気持ちの曲とか書けばいいだろうが!!」

「私がジャッカルのことを歌うなら爛れた女遊びを繰り返すクズ男の曲になるけれど。」

「ルナは俺のことをそう思ってるってことか!?失礼すぎるだろう!!」

「音楽家なんてみんな人間性狂ってるらしいから。いい意味でクズ人間だと言ってるのよ。」

「いい意味のクズ人間なんてめちゃくちゃな暴論通るか!!」

「私はリスペクトの気持ちを込めてクズ人間だと表現しています。」

「嘘つけ!!」

私達は口論をしながら無理矢理作曲活動をさせられた

人に見られていると恥ずかしいから作曲活動やりにくいのに

やりたいこと

伝えたいこと

まだまだたくさんあるはずだから

自由な私は

無敵だから


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